テーマ:好きな絵本教えて下さい(709)
カテゴリ:映画・本・展覧会
岩波書店の『スザンナのお人形』に収められているもう一編が、『ビロードうさぎ』。 クリスマスプレゼントとして1人の男の子に贈られたビロードのウサギは、ほかのおもちゃたちと一緒に子ども部屋に住んでいた。 いつか、男の子が自分を遊び相手に選んでくれる日を待ち望んで。 恥ずかしがりやのウサギの友だちは、ぼろぼろの革のウマ。 子ども部屋の住人の中でも一番かしこいウマは、ウサギにおもちゃたちの願いを教えてくれた。 それは、「人間の愛を受けて、『本物』になる」こと。 「本物っていうのは、身体の作りのことではないんだ」と、革のウマは言う。 「きみの身に起こることさ。人間の子どもが長い間きみを愛してくれたとき、ただの遊び相手じゃなくて、心からきみを愛してくれたとき、きみは本物になれるんだ」 (Amazon.co.jpより抜粋) 大人になった今読んでも切なくなる作品。 今の子は、他人の気持ちを推し量ることが苦手だと言う。 幼い子に本をたくさん読み聞かせすることは、きっといい影響を与えると思う。 『スザンナのお人形』『ビロードうさぎ』、どちらも絵は高野三三男(こうのみさお)という洋画家によるもの。 子供のころ読んだとき、スザンナの洋服や編み上げブーツ、金髪や青い目がとってもエキゾチックで西欧への憧れをぼんやりと感じたものだった。 絵も海の向こうの人のものだと思っていたが、今回日本人だと知って意外だった。 行ける範囲にある美術館に、彼の作品が展示されているようだから、機会があれば見てみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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