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2003年03月01日
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槙村浩(本名 吉田豊道)
1912年高知市生まれ。
少年の頃から神童とよばれたひと。

<3・1独立運動>
1919年、日本帝国主義の植民地支配からの独立を求めた朝鮮人民の民族独立運動。同年3月1日、パゴタ公園(ソウル)で開かれた集会で独立宣言書が読み上げられ、集まった市民が「独立万歳」を叫びながら街頭へ。民衆も合流して大規模なデモとなりました。これがきっかけとなって全国で3ヶ月にわたる独立闘争がくりひろげられ、のべ二百万人が参加しました。
日本の天皇制政府は、軍隊まで動員して徹底した弾圧を加え8000人近い犠牲者を出しました。自然発生的な闘争にとどまりましたが、その後の全民族的な抗日運動、民族解放闘争の出発点となる意義をもちました。(「しんぶん赤旗」2003・3・1「なんだっけ」から)

1922年(10歳)久邇宮朝融王(昭和天皇の義兄)が高知に来た際、御前講義をした。
久邇宮より「アレキサンダーについて述べよ」ときかれると
「アレキサンダーといっても何人もいる、どのアレキサンダーか」と聞き返したと言う。
また文部次官から「何か書け」といわれ即座に「支那論」を書いた。と言う天才。
1927年(15歳)マルクスの「資本論」を読みはじめ図書館では社会主義の本を読んでいた。
1931年(19歳)プロレタリア作家同盟新人賞。長詩「間島パルチザンの歌」を作る。
1932年(20歳)「間島パルチザンの歌」を発表。
<1932・3・1>
 関東軍、満州事変を引き起こして、これを契機に清朝の廃帝・溥儀を迎え、満州国の独立を宣言する。満州国は人口約3000万、黒竜江省ほか四省にまたがり、日本人が実権を握る傀儡国家であった。(「きょうは何の日」から)

間島パルチザンの歌は、1931年、野蛮な日本侵略軍との間に起こった抗日闘争の記事が「無産者新聞」に報道されたのを読んだ槙村浩が
詩情を激発されて創作したもの。

1936年(24歳)7月不審尋問で検挙、杉並署に抑留。高知への護送中脱走。12月、高知の「日本人民戦線事件」で検挙。高知警察に抑留。
1937年(25歳)重症のため釈放。
1938年(26歳)9月3日死亡。


間島パルチザンの歌
                              
思いではおれを故郷ヘ運ぶ

白頭の嶺を越え、唐松の林を越え

蘆(あし)の根の黒く凍る沼のかなた

赫(あか)ちゃけた地肌に黝(くろ)ずんだ小屋の続くところ

高麗雉子(こうらいきじ)が谷に鳴く咸鏡(かんきょう)の村よ

雪溶けの小径を踏んで

チゲを負い、枯葉を集めに

姉と登った裏山の楢林よ

山番に追われて石ころ道を駆け下りるふたりの肩に

背負縄はいかにきびしく食い入ったか

吹く風はいかに血ごりを凍らせたか


雲は南にちぎれ

熱風は田のくろに流れる

山から山に雨乞(ごい)いに行く村びとの中に

父のかついだ鍬先を凝視(みつ)めながら

眩暈(めまい)のする空腹をこらえて

姉と手をつないで越えて行った

あの長い坂道よ


えぞ柳の煙(けむ)る書堂の陰(かげ)に

胸を病み、都から帰ってきたわかものの話は

少年のおれたちにどんなに楽しかったか

わかものは熱するとすぐ咳をした

はげしく咳入りながら

彼はツァールの暗いロシアを語った

クレムリンに燻(くす)った爆弾と

ネヴァ河の霧に流れた血しぶきと

雪を踏んでシベリヤに行く囚人の群れと

そして十月の朝早く

津波のように街に雪崩(なだれ)れた民衆のどよめきを

モスコーの空高く鎌と槌の赤旗が翻(ひるがえ)ったその日のことを

話し止んで口笛を吹く彼の横顔には痛々しい紅潮が流れ

血がチョゴリの袖を真っ赤に染めた

崔先生とよばれたその若者は

あのすさまじいどよめきが朝鮮をゆるがした春を見ずに

灰色の雪空に希望を投げて故郷の書堂に逝った

だが、自由の国ロシアの話は

いかに深いあこがれとともに、おれの胸に沁(し)み入ったか

おれは北の空に響くすばらしい轍(わだち)の音を聞き

祖国を持たぬおれたちの暗い植民地の生活を思った


おお

蔑(さげ)すまれ、不具(かたわ)にまで傷つけられた民族の誇りと

声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!

そのお前の土を

飢えたお前の子らが

若い屈辱と憤懣(ふんまん)をこめて嚥み下すとき-

お前の温かい胸から無理強いにもぎ取られたお前の子らが

うなだれ、押し黙って国境を越えて行くとき――

お前の土のどん底から

二千万の民衆を揺り動かす憤激(ふんげき)の溶岩を思え!


おお三月一日

民衆の血潮が胸を搏(う)つおれたちのどのひとりが

無限の憎悪を一瞬にたたきつけたおれたちのどのひとりが

一九一九年3月1日を忘れようぞ!

その日

「大韓独立万歳!」の声は全土をゆるがし

踏み躙られた日章旗に代えて

母国の旗は家々の戸ごとに翻(ひるがえ)った

胸に迫る熱い涙をもっておれはその日を思い出す!

反抗のどよめきは故郷の村にまで伝わり

自由の歌は咸鏡(かんきょう)の峰々に 谺(こだま)した

おお、山から山、谷から谷に溢れ出た虐(しいた)げられたものらの無数の列よ!

先頭に旗をかざしてすすむ若者と

胸いっぱい万歳をはるかの屋根に呼び交わす老人と

目に涙を浮かべて古い民衆の謡う女らと

草の根を噛りながら、腹の底から嬉しさに歓呼の声を振りしぼる少年たち!

赫土(あかつち)の崩れる峠の上で

声を涸らして父母と姉弟が叫びながら、こみ上げてくる熱いもに我知らず流した涙を

おれは決して忘れない!


おお、俺たちの自由の歓 びはあまりにも短かった!

夕暮れおれは地平の涯に

煙を揚げて突き進んでくる黒い塊(かたまり)を見た

悪魔のように狼煙(のろし)を投げ、村々を焔(ほのほ)の波に浸しながら、歓声をあげて突貫する日本騎馬隊を

だが焼け崩れる部落の家々も

丘から丘に炸裂する銃弾の音も、おれたちにとって何であろう

おれたちは咸鏡の男と女

搾取者への反抗に歴史を綴ったこの故郷の名にかけて

全韓に狼煙(のろし)を揚げたいくたびかの蜂起に血を滴らせたこの故郷の土にかけて

首をうなだれ、おめおめと陣地を敵に渡せようか


旗を捲(ま)き、地に伏す者は誰だ?

故郷を捨て、敵の蹄鉄(ていてつ)」に故郷を委(まか)せようとするのはどいつだ?

よし、焔(ほのほ)がおれたちを包もうと

よし、銃剣を構えた騎馬隊が野獣のようにおれ達に襲いかかろうと

おれたちは高く頭を上げ

昂然(ふんぜん)と胸を張って

怒涛のように峰を揺るがす万歳を叫ぼう!

おれたちが陣地を棄てず、おれたちの歓声が響くところ

「暴圧の雲光を覆(おお)う」朝鮮の片隅に

おれたたちの故郷は生き

おれたちの民族の血は脈々と搏(う)つ


おれたちは咸鏡の男と女!

おお血の三月-その日を限りとして

父母と姉におれは永久に訳(わか)れた

砲弾に崩れた砂の中に見失った三人の姿を

白衣を血に染めて野に倒れた村びとの間に

紅松へ逆さにかかった屍(しかばね)の間に

銃剣と騎馬隊に隠れながら

夜も昼もおれは探し歩いた


あわれな故国よ!

お前の上に立ちさまよう屍臭(ししゅう)はあまりにも傷々しい

銃剣に蜂の巣のように突き刺され、生きながら火中に投げ込まれた男たち!

強姦され、肉を刳(けず)られ、臓腑(ぞうふ)まで引きずり出された女たち!

石ころを手にしたまま絞め殺された老人ら!

小さい手に母国の旗を握りしめて俯伏した子どもたち!

おお君ら、先がけて解放の戦さに斃(たお)れた一万五千の同志らの

棺(ひつぎ)にも蔵(おさ)められず、腐死(ふし)を兀鷹(はげたか)の餌食(えじき)に曝(さら)す躯(むくろ)の上を

荒れすさんだ村々の上を

茫々たる杉松の密林に身を潜(ひそ)める火田民(かでんみん)の上を

北鮮の曠野に萌える野の草の薫りを籠めて

吹け! 春風よ!

夜中(よじゅう)山はぼうぼうと燃え

火田を囲む群落の上を、鳥は群れを乱して散った



おれは夜明けの空に

渦(うず)を描いて北に飛ぶ鶴を見た

ツルチュクの林を分け

欝蒼(うつそう)たる樹海を越えて

国境へ――

火のように紅い雲の波を貫いて、真直ぐに飛んで行くもの!

その故国に帰る白い列に

おれ、十二の少年の胸は躍(おど)った

熱し、咳き込みながら崔先生の語った自由の国へ

春風に翼(つばさ)を搏(う)たせ

歓びの声をはるかに揚げて

いま楽しい旅をゆくもの!

おれは頬を火照(ほてら)し

手をあげて鶴に応えた

その十三年前の感激をおれは今なまなましく想い出す


氷塊が河床に砕ける早春の豆満江を渡り

国境を越えてはや十三年

苦い闘争と試練の時期を

おれは長白の平で過ごした

気まぐれな「時」はおれをロシアから隔て

厳(いかめ)しい生活の鎖は間島(かんとう)におれを繋(つな)いだ

だが、かつてロシアを見ず

生まれてロシアの土を踏まなかったことを、おれは決して悔いない

いまおれの棲(す)むは第二のロシア

民族の壇を撤したソヴェート

聞け! 銃を手に

深夜結氷を越えた海蘭(ハイラン)の河瀬の音に

密林に夜襲の声を谺した汪清(ワンシン)の樹々のひとつひとつに

血ぬられた苦難と建設の譚(ものがたり)を!」


風よ、憤懣(ふんまん)の響きを籠めて白頭から雪崩れてこい!

濤(なみ)よ、激憤の沫(しぶ)きを揚げて豆満江に迸(ほとばし)れ!

おお、日章旗を飜(ひるがえ)す強盗ども!

父母と姉と同志の血を地に灑(そそ)ぎ

故国からおれを追い

今剣をかざして間島に迫る日本の兵匪!

おお、お前らの前におれたちがまた屈従せねばならぬと言うのか

ふてぶてしい強盗どもを待遇する途をおれたちが知らぬというのか

春は音を立てて川瀬に流れ

風は木犀(もくせい)の香を伝えてくる

露を帯びた芝草に車座になり

おれたちはいま送られた素晴らしいビラを読み上げる

それは国境を越えて解放のために闘う同志の声

撃鉄を前に、悠然と階級の赤旗を揚げるプロレタリアートの叫び

「在満日本革命兵士委員会」の檄!


ビラをポケットに

おれたちはまた銃を取って忍んで行こう

雪溶けのせせらぎはおれたちの進軍を伝え

見覚えのある合歓の林は喜んでおれたちを迎えるだろう

やつら! 蒼ざめた執政の蔭に

購われた歓声を揚げるなら揚げるがいい

疲れ切った号外売りに

嘘っぱっちの勝利を告げるなら告げさせろ

おれたちは不死身だ!

おれたちはいくたびか敗けだした

銃剣と馬蹄はおれたちを蹴散らしもした

だが

密林に潜んだ十人は百人となって現れなんだか!

十里退却したおれたちは、今度は二十里の前進をせなんだか!

「生くる日の限り開放のために身を献(ささ)げ赤旗のもとに喜んで死のう!」

「東方解放軍」の軍旗に唇を触れ、宣誓したあの言葉をおれが忘れようか

おれたちは間島のパルチザン。身をもってソヴェートを護る鉄の腕。生死を赤旗とともにする決死隊

いま長白の嶺を越えて

革命の進軍歌を全世界に響かせる

――海を隔ててわれら腕結びゆく

――いざ戦わんいざ、奮い立ていざ

――ああインターナショナルわれらがもの





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最終更新日  2003年03月01日 15時08分19秒
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