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2012.12.28
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少し長くなるけど勘弁ね。
福島県浜通り地方のいわきや相馬は今バブル期の様相だ。原発周辺地域の人達が避難を余儀なくされ、押し出されるようにいわきや相馬に居住しているからだ。その上県内外から原発事故復旧に携わる作業員が集まってきている。賃貸物件の空きはなく、土地も飛ぶように売れている。不動産業者の話だと賃貸アパートだけで５００人待ちとか６００人待ちの状態らしく、売買物件も売りたくても不動産商品が無い状況だという。震災前にほとんど売れなかったような分譲住宅が完売し、価格が何倍にもなっていることは異常だといえる。いわき市の繁華街も震災前は閑古鳥が鳴いていたが、今は連日賑わっている。地元の税理士さんの話では、地元の復興需要と相俟って、震災前に比べ８割近い事業者が売り上げを伸ばしているという。避難者の多くが住民票をいわきに移していないということで市に住民税こそ直接入らないものの、避難者を受け入れていることで市自体にも国から多額の補助金が入っているという国会議員の話である。しかし、メリットばかりではない。むしろ元々いわきに住んでいた人にとっては、迷惑感の方が強いようだ。以前と比べ道路は渋滞し、病院や公共施設も混雑し、待ち時間も長くなった。ゴミの分別や騒音等で地元の住民と避難住民との間でトラブルが絶えないようだ。原発事故によって一時はいわき市民も同じように避難したのに、政府の一方的な線引きによって強制避難区域の住民と賠償額に大きな差が生じているという現実も、いわき市民から反感をかう一つの要因になっているだろう。「双葉郡の人達ばかり多額の賠償金をもらって遊んでいる。」そんな印象を持たれているのだ。そんな住民の対避難者感情に拍車を掛けるように、いわき市長自らが「避難者は昼間から酒を飲みやパチンコばかりしている。」というような発言が今年あった。大半の避難してきている人達からすれば「素行が悪い避難者ばかりではない。」「パチンコや酒飲みばかりしている避難者ばかりじゃない。」という悔しい思いを抱いただろう。私も常々、「勘弁してほしい。一部の避難者の言動で避難者全体の印象が悪くなってしまう。一緒にしないでほしい。」という思いを持っていた。しかし「パチンコ屋に行くと地元の人に会えるんだよね。」とか「仲間と酒を飲んでいる時間だけが唯一避難生活を忘れられる。」などという避難者の言葉を聞くと、必ずしもパチンコや酒飲みにいく避難者を非難できない思いになる。好きでそうしているわけじゃない部分もあるし、そんな気持ちも分からなくはないからだ。過去にも水俣病の被害者が賠償金を受け取った時に、同じような誹謗中傷の声や噂が流布したと聞いた。歴史は繰り返されるのか。しかしやはり避難者や再開した事業者への風当たりが強いのは現実で、私自身も日々肌で感じる。そしてその傾向はこれからもますます強くなるのではないか、そんな懸念を抱いている。 こういう話は私も自ら避難者の立場である以上、言い訳のようだし自己弁明のようにしか聞こえないので、あえて話題にしてこなかった。しかし先日いわき市役所本庁舎と市の施設に「被災者は帰れ」と中傷する落書きがされて、いわき中央署が建造物損壊事件で捜査を始めたというニュースがあり、悲しくなり、居たたまれなくなり、あえて話題にしてみた。 私が言える立場ではないけど、被災者同士、被害者同士がいがみ合っても何も生まれない。喜ぶのは加害者だけだ。いわき市が避難している住民を潜在的な将来のいわき市民と捉えて、そうなるような、この状況を打破するような施策をとってほしい。市にとって人口が増えることが何よりの資産になると思うから。これを機にいわき市が人口が増加し、政令指定都市にでもなっちゃって？繁栄し、浜通りが盛り上げればいいのになぁなんて思う。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2012.12.28 08:59:35
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