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XFROMJAPAN+VIOLET UK

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TOSHIが語る脱退~ソロ活動~癒やし

10年ぶりに再結成ライブ(3月28、30日・東京ドーム)開催を発表した伝説のロックバンド「X JAPAN」のボーカル、TOSHI(42)が本紙のインタビューに答え、脱退や、再結成に至った経緯、さらに癒やし系のアーティストとしての活動についてたっぷりと語った。  (山崎美穂)

 -X JAPANの再結成ライブが決まりましたね。

 「そうですね。予想を上回る応募をいただいて、漏れてしまった方には本当に申し訳ないなと。なんらかのお返しができないか、検討しているところなんです」

 -公演を前に今はどんな状況ですか。

 「まだリハーサルとかやってないんですよ。でももう2カ月ないんで、今回は普通のコンサートと違って、hide(1998年、死去)のパートをどのようにしていくかとか、ふつうとは違うコンサートを新しいチャレンジも考えていますから、技術的にも時間がかかりますね」

 -再結成のきっかけは。

 「実際、YOSHIKIと話し始めたのはおととしの暮れくらいです。ロスの彼の家に行った時、1曲聴いてくれと。それが『Without you』という曲で、すごく美しいバラードだったんです。僕は今までの中で最高傑作だと思ったし、歌詞がすごくよかった。hideのお葬式が終わってすぐに書いた曲だと明かしてくれた。非常に感動して…」

 -最高傑作!?。

 「たとえどんな逆境でも最後まで生き抜いてやるというメッセージが伝わってきた。僕もこの10年間、『命』をテーマにやってきたし、自分のベクトルと楽曲のベクトルが同じ方向を向いていたんです。その時、彼がピアノを弾いて、僕が歌った。ラストライブ以来のセッションをしたんです」

 -おおー。鳥肌ものですね。

 「2人とも感極まったんですよ。彼は手が震え、僕は涙が出た。すごい感動的だった。いろんなことがあるけれどこの感動があれば、あとはどうでもいいんじゃないかと。その時、肝ができたんですね。だから、とりあえず前に進めてみようと」

 -すてきなお話ですね。

 「本当に8年ぶりにYOSHIKIと話をしましたから。2人っきりで久しぶりにご飯食べに行って、たわいのない話をして。それがうれしかったんですよ。幼稚園すみれ組の時からの仲ですから。10年間、いろんなことがあって別々の道を歩んだけど、やっぱり幼なじみって信じられるなと。そこに計算だとかなくて」

 -ソロになってからは、“洗脳騒動”とかいろいろありました。

 「いろんな騒動があって、有象無象の人たちがいて、いろんなことをでっち上げて、人をおとしめて利権を奪ってやろうとかいう人が本当にいるんだなと。それが自分の身内にいたもんですから、非常に自分も傷つきましたし、周りの人も傷つけてしまった。ただ純粋に心が震えるような音楽を歌いたいと思って、新たな道を歩き始めたんですが、一筋縄ではいかなかった。いろんな誤解やバッシングを受けて、多くの方が離れていきましたけど、そんな時に手を差し伸べてくれる人がいた。その人たちに恩返しするために、自分が輝いていなくてはと思います」

 -ソロ活動で、多くの施設を慰問されたんですよね。

 「2001年の初頭からボランティアで8000カ所回りました。そこには、傷ついた子どもたちが多くいて、僕自身が自分の弱さをさらけだすことで、子どもたちの扉も開くって気付いたんです。僕は兄貴に虐待されてきたと、弱虫だったんだと。歌い終わると、涙を流してくれてる。手を握ってくれて。それが僕にとっての癒やし、心のリハビリだったんです」

 -TOSHIさん自身の傷が癒やされた。

 「兄のトラウマもあったけど、父が公務員で地味な親で。それに反発したんですね。一獲千金だとか派手なことがしたいとか人気が欲しいとか。若くしてチヤホヤされる立場になってたからテングになっちゃった。でも8000カ所回るってことは、毎日約束を守って歌い続けるということ。地道にやっていくという、自分のセンターがしっかりできていく感覚がありました」

 -8年間でTOSHIさんが変わって、YOSHIKIさんへと気持ちが向いたんですね。

 「そうですね。パズルのピースがハマっていく感じでしたね」

 -X JAPANを脱退したのは、自身の限界だったんですか。

 「限界でした。ウソをついて歌うのはYOSHIKIもファンの方も裏切ることじゃないですか。自分がそこに気持ちが入らなくなったり、何か面倒くせえなとか思いながらTOSHIを演じても、YOSHIKIがもっと上を目指している中で自分はそこに思いがない。自分に対しても、違う、できないと」

 -積み重なってきたものなんですか。

 「そうでしょうね。いろんなものを得るし、失うけど、晴れ晴れしい気持ちは全くなかったですから。胸のつかえがどんどん重くなっていくような感覚でした。逆にいうとステージでそれを発散してたんでしょうね。だからこそリアルな叫びだったと思います。エネルギーを爆発させてたんです」

 -そうだったんですか。

 「僕は小さいころから腹にためるタイプで発散できない。3つ上の兄から虐待されて縮まっちゃう。怖くてけんかができなかった。これは僕の弱さなんです。そこでけんかができればよかったんですが、それをずっと離れて見てるから終わってないんですよ。子どものころからのものがたまりにたまってて、発散できる場がコンサートだった」

 -なるほど。

 「激しい曲で一心不乱になれることと、美しいバラードで抱きしめられるっていう感覚。両方できる音楽性を持っていたバンドでしたから。ミュージックセラピーだったんですね。だからロックだからとか、癒やし系とか関係なく、音楽って全部つながってるんじゃないかと」

 -3月のライブ、本当に楽しみです。

 「まだまだ恨みやつらみがいっぱいたまってますから、それをセラピーとして爆発させたいなと思ってます」

 -今後、活動は両方やっていくんですね。

 「そうですね。並行してやっていきます。X JAPANに負けないように、ソロ活動もやっていきます。新たなシフトチェンジ。今度は四駆だぞ、フル回転だぞみたいな気持ちです」

 ▼TOSHI(とし) 1965(昭和40)年10月10日生まれ、千葉県出身。82年、幼稚園からの同級生YOSHIKIらとXを結成、89年メジャーデビュー。92年、X JAPANに改名。97年、脱退を表明し、同年末の東京ドームで解散ライブを行う。99年から癒やし系の歌手として、ソロ活動を開始。「詩旅~うたたび~」と題して全国を巡り、その合間に、児童施設、刑務所など施設8000カ所を回る。08年1月、X JAPAN再結成を発表した。



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