最新研究、筋トレ最前線 「筋トレ」は若い体の源
運動が心身の健康維持・増進に必須なことは常識です。運動の種類による評価もされるようになり、筋トレは「体」の若返り効果、生活習慣病の改善効果に加え、これまで有酸素運動の独壇場だった「心」、「脳」の領域での効果も分かってきたそうです。筋トレはジムに行かなくても器具を用いなくても出来ますので、有酸素運動同様に習慣にしたいですね。運動で得られるメリットはたくさんあり、いくつになってからはじめても遅すぎることはありませんが、やらない人はやりませんね。2014年厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうで、国民皆保険に甘えて世界一医療に依存する自己責任意識が乏しい日本人の一面です。健康的な生活習慣を無視して好き放題の人は、やらない理由を探すのが得意だったり、「一寸先は病み」の現代で将来の健康がいかに蝕まれるかの想像力が乏しいとか、根拠のない自信を持ち過ぎの傾向があるようです。終末期医療専門医の著書「死ぬときに後悔すること25」によれば、後悔の1位は「健康を大切にしなかったこと 」で、死ぬ時に気がついても後の祭りで間に合いません。また、55~74歳の男女1060人に聞いた「リタイア前にやるべきだった後悔」の健康部分の第2位が「スポーツなどで体を鍛えればよかった」なので、後悔しているなら今からやっても十分間に合います。最適な運動は運動経験、生活習慣や運動目的・目標などによって異なりますが、よりよい運動効果を望むには年齢、運動経験や体力に合った運動強度と運動量の組み合わせと頻度、休息、的を射たケアそして相応しい食・栄養が重要で、過不足なく習慣にしたいものです。・人生で今日が一番若い。・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生)・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵)今後やってみたい運動ではウォーキングがダントツですが、散歩程度では運動負荷が軽くて運動効果が大きく期待できないことから速歩、ノルディック・ウォーキング、ジョギング、ランニングする人が増えているのだと思います。高齢になってから運動を始めた人でも、運動がもたらす恩恵は大きいので、気づいた時から行動・習慣にすることに遅すぎることはありません。最近は座っていることに関する健康リスク報道がかなり目立ちますが、2002年に「セデンタリー・デス・シンドローム」(座りすぎが死につながる症候群)という言葉が作られたほど、座っている時間が長いと生活習慣病や短命化を招くそうで、そのような生活習慣の場合は運動していてもリスクがあまり減らないとも言われ、「立って仕事ができるオフィスデスク」やスマートフォンをタイマーにして60分置きごとにストレッチしたり歩いたりすることが推奨されたりしています。・人財の健康増進と企業業績向上を両立させる健康経営・脳を鍛えるには運動しかない・学力の土台は体力・デスクワーク1時間で寿命が22分縮む!? 座りっぱなしが招く様々なトラブル・長時間座わると足の血管に悪影響 5分間のウォーキングで解消・1日に3時間立って過ごすとマラソンと同じくらい健康に良い ・長時間のデスクワークによる体の不調を軽くする7つの方法 ・仕事に詰まったら、やっぱり歩くのがベスト:研究結果 ・デスクワーク中心の人の運動不足を解消 運動は生産性も高める ・「座る時間」が1時間増えるだけで身体が不自由になるリスクが1.5倍に ・長時間座る高齢女性は死亡リスクが高い・座りっぱなしの生活は早く老ける!?・世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?・長時間座り続けることの弊害・オフィスで立って仕事をする時代がやってくる・座っている時間が長いと糖尿病 を招く・座りっぱなしの生活で高まる慢性疾患リスク・1日11時間以上座る人では死亡リスクが40%以上増大・長時間の座位姿勢は成人病リスク高める、スウェーデン研究ハーバード大学の研究によれば予防に1ドル投資すると医療費が3.27ドル減り、生産性が2.73ドル向上する6倍返しになるそうで、私の28年間の超健康マニアとしての経験から一番効果的だったのは、心身をつくる材料である食・栄養です。心身の健康状態をよくし、体力をつけることは簡単ですので、お互いに明るく楽しく元気に笑顔で顔晴(がんば)りましょう。****************************【以下転載】****************************運動が心身の健康維持に必須であることはすでに常識だ。近年はその種類に関しても研究が進展。筋トレならではの効果が明らかに。「体」の若返り効果、生活習慣病の改善効果に加え、これまで有酸素運動の独壇場だった「心」すなわち「脳」の領域での効果も分かってきた。この記事では、筋トレの3大効果を2回に渡って紹介する。1回目は体が若返る効果を取り上げる。【効果1】 体が若返る筋肉と骨を増やし、体脂肪減少 代謝のいい体をつくる筋トレはまず筋力を増強し、継続することで筋肉量も増やす。一方、体脂肪は減らし、若い体をつくる。49~62歳の女性を対象にした研究では、5種類のウエートトレーニングを10RM(10回持ち上げることができる最大重量)の80%で週3日、8週間続けた結果、筋力が増強した。背景にあるのが筋トレ中に起こるホルモン分泌の増加だ。筋トレ開始後15~30分で成長ホルモン、IGF-1など、たんぱく合成を促す同化ホルモンが増加することが分かっている。近年はさらに性ホルモンの原料となる副腎皮質ホルモンDHEAが増えることも分かった。これらの影響で、筋肉の最少単位である筋線維の増殖と肥大が促進されると考えられている。実際、40~66歳の女性が、週3回の筋トレを1年間行った研究では、筋肉量の目安となる徐脂肪軟組織量が全員増加した。筋肉は酸素消費量が最も多い器官。そのため筋肉量が増えるとエネルギー消費が増え、脂肪がつきにくくなる(図1、図2)。図1 25~44歳の肥満女性164人を、マシンを用いてアふふイソトニック運動(動的筋トレ)やウエートトレーニングを週2回行う群と、有酸素運動を薦める冊子を与えるだけの対照群に分け、体組成の変化を調べた。2年後、筋トレ群は体脂肪率(グラフ)、体脂肪量ともに低下した。(データ:Am J Clin Nutr;86,566-572,2007)図2 肥満の男女39人(平均年齢21歳)を、3~6RMで筋トレ9種類を1回11分、週3回行う群と、対照群に分けた。6カ月後、筋トレ群は安静時代謝、睡眠時代謝が上昇。糖質と脂肪の燃焼比率を表す呼吸商が低下、脂肪燃焼効率の高まりが示された。(データ:Med Sci Sports Exerc;41,5,1122-1129,2009)ダイエットでカロリー制限を行うと代謝が落ちるが、筋トレを加えれば、リスクは最小限になる。効果は有酸素運動より高いことが認められている。閉経した女性の骨へのカルシウム取り込みを増やし、骨密度を上げる効果も(図3)。同様の効果は、閉経前の女性でも認められている。 図3 閉経した肥満女性(50~68歳)80人を、「全身振動刺激装置」を1回20分、週3回使う群と、下肢や体幹の大きな筋肉を使ったウエートトレーニングを10RMで10回か8セット、週3回行う群に分けた。8カ月後、腰椎(グラフ)と大腿骨頸部の骨密度が、両群とも同等に増加した。(データ:J Osteoporos,702589,2014) (出典:日本経済新聞)