テーマ:ニュース(100210)
カテゴリ:カテゴリ未分類
依存性の高い向精神薬「リタリン」の乱用問題で、厚生労働省が適応症からうつ病を削除することを正式に決定し約1カ月過ぎた。リタリンの処方を取りやめる医療機関や医師が相次ぐ中、依存からの離脱を懸命に目指す患者も増えている。その一方で、医師への薬物教育の貧弱さ、さらに依存を治療する専門施設の不足など、精神医療をめぐる新たな課題が浮かび上がってきた。
群馬県渋川市の赤城山ろくにある「赤城高原ホスピタル」(竹中道夫院長)は、薬物依存を治療する数少ない専門施設だ。今月上旬、リタリン依存症で入院中の3人に話を聞くことが出来た。 同県の中年女性は、リタリンが処方されなくなると知ってパニックになり、10月末に入院。10年前、母親の介護疲れなどから自宅近くのクリニックで軽いうつ病と診断されリタリンを処方された。以来1日3錠服用したが、心臓に痛みも走るようになった。 「医者の指示を守ってきたのに、なぜこんな目に」と落ち込んだ。女性は「恐ろしい薬を10年間も飲んでいたと自覚でき、本当によかった」と話している。 東京都の男性(26)は3年前から、リタリンの服用を始めた。心療内科で「昼間眠気が強く、おきていられない」と相談したところ、「すごく効く薬がある」と処方された。依存状態に陥り、3つの診療所を掛け持ちしてリタリンを集め、1日30錠近くも服用していた。 小さな虫が部屋をはい回るなどの幻覚妄想に悩まされ、心臓に激し痛みも起き、10月中旬に入院。一時錯乱状態に陥るなど、離脱症状があったが、現在は落ち着いたという。「結局、うつには効かなかった。今は飲みたいと思わない」 千葉県の男性(40) は勤めていた出版社の会社の忙しさなどから2年前、うつと診断され服用を始めた。1日3錠だったが、1年後には20錠に増えた。医師法違反容疑で警視庁の家宅捜査を受けた「東京クリニック」(新宿区)などを掛け持ち受診した。「時間がルーズになり、人間関係がぎくしゃくするようになった」という。 10月上旬に入院し、現在は睡眠薬のみを服用している。「2度とリタリンで間違いを犯したくない。今回の規制で処分が規制され、ほっとしている」と語った。 竹村院長は「リタリン依存を治すには辛抱強さが必要。専門医による治療とその後のケアをしっかりやるべきだ」と話す。 薬物依存医師の教育必要 リタリンの乱用が広まった背景には患者の求めに応じて安易に処方する医師の存在がある。国立精神・神経センター(東京都小平市)によると、06年度、リタリンの乱用で全国の精神科病症を持つ医療施設に入・通院した15例のうち、11例が医師からの処方だった。 なぜ、ずさんな処方が繰り返されるのか。同センター薬物依存研究部の和田清部長は「医師に薬物依存についての知識がないからでは」と指摘。薬物依存について教えている医学部はほとんどないといい「医師の質を高めるには全国の大学にきちんとした薬物依存のカリキュラムをつくることが必要だ」と提言する。 うつ病は「心のかぜ」という考え方が広がり、精神科の敷居が低くなった。一方で、薬で簡単に治療できると考える医師や患者が増えた、との指摘も出ている。 東京女子医大精神医学教室の石郷岡純・主任教授は「うつ病は2,3ヵ月かけてじっくり治療する必要があることを見失った医師が多い。患者も1日も早くうつ病の苦しみから、解放されたいため、すぐ効くリタリンを出す医師をありがたく思うはずだ」と話す。その上で「リタリンは難治性のうつ病の治療では最後の選択肢としてありうる薬だった。しかし最後に使うべき薬を最初に使う治療が後を絶たず、問題が拡大した」と指摘する。 石郷岡純教授によると、薬の安全で効果的な使い方や副作用など「臨床薬理学」を教える大学は一部に限られているという。「安易に処方する医師をなくすためにも、臨床薬理学の教育を充実させる必要がある」と話す。 退院後のケア体制も不足 薬物依存を治療する専門施設や、治療後、社会復帰した人を地域で支える仕組みがほとんどないことも大きな問題だ。 国立精神・神経センターによると、薬物依存は脳の神経機能に異常が生じる病気とされ、一度依存状態に陥れば根治は不可能という。同センターの和田部長は「糖尿病と同じで生涯治らないことをほとんどの人が知らない」と指摘。「糖尿病の食事療法のように、薬をやめる努力を続けさせるしかない」と話し、薬を使用させない治療とサポートの重要性を強調する。 しかし、こうした治療を実施しているのは、赤城高原ホスピタルや全国40ヵ所で展開する民間リハビリ施設「ダルク」などごく一部。病院などで薬物からの離脱に成功しても、退院後に再使用し入退院を繰り返すケースが後を絶たない。 一方薬物依存が深刻な欧米の先進国では、治療体制の整備に力を入れている。その一つが「治療共同体システム」だ。医療機関や民間グループなどが中心となって運営し、薬物依存の治療や社会復帰に向けた職業訓練を実施している。米国だけでも2,000~ 3,000ヶ所あるという。 日本でもダルクなど一部の施設で同じようなシステムを導入する試みが始まっている。だが、行政や医療機関の支援がなく、広がりを見せていない。和田部長は「先進国で治療共同体がないのは日本ぐらい。国は、問題を深刻に受け止め、治療と支援体制を早急につくるべきだ」と訴える。 (11/15毎日新聞 クローズアップ2007) 最近覚醒剤の不法所持・使用の事件がありました。 朝日新聞販売所所長 朝日新聞販売員、読売新聞販売員 札幌中央署警察官 警察官は署内で保持ですから、就業中に使用していたものと推定されます。 朝日新聞所長は多量所持ですから、他人に与えていたものと思います。 いずれも、夜間勤務者ですね。 アンフェタミン(ゼドリン)、メタアンフェタミン(ヒロポン)は、ドイツ、日本で軍事用に開発されましたが、過酷な強制労働に使用されました。 現在、タイで象に使用していることが動物愛護団体から非難されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.11.25 22:07:30
コメント(0) | コメントを書く |