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2009.10.19
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カテゴリ:昆虫(蝶)


 これまで、卵と初齢2~3齢4齢終齢幼虫と掲載して来たリタテハ・シリーズも今日は兪々最終回、前蛹、蛹、成虫の3つを纏めて紹介する。



ルリタテハの前蛹


ルリタテハの前蛹.体を曲げるのはタテハチョウ科の特徴らしい

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/14)

 先ずは前蛹、上の写真の様に胸部を曲げてJの字型になっている。ルリタテハ(Kaniska canace)の幼虫は、休むときには何時も丸まっているので、前蛹も丸まるのかと思ったが、よく考えてみると、ツマグロヒョウモンやコミスジの前蛹も胸部を曲げていた。こう言う蛹がぶら下がる形をとる種類(タテハチョウ科)の前蛹は、皆、こうなのかも知れない。前蛹になった直後はかなり曲りが強いが、時間と共に段々緩くなる。

 前蛹になる時刻は夕方が多い様に思える。写真の前蛹は半日以上経った次の日の昼近く、脱皮して蛹になる直前に撮ったので、曲りがかなり弱くなっている。



ルリタテハの蛹


最初の写真の2時間後.脱皮して蛹になった

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/14)

 上の写真は、最初の前蛹の写真の約2時間後、脱皮して蛹となった直後に撮ったものである。まだフニャフニャで、気を付けないと傷つけてしまいそうな感じであった。時間が経つと出現する銀色に反射する部分も、この時点では他の部分と見分けが付かない。


ルリタテハの蛹


充分時間が経った蛹.銀青色に光る部分がある

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/20

 次は充分時間が経ってから撮った写真、但し、別個体である。7頭を一緒に飼育していたので、どれがどれだが分からなくなってしまい、この写真の蛹も羽化の何日前であったか定かでない。しかし、何れにせよ、1~3日以内に羽化したことだけは確かである。

 キチョウやクロアゲハの蛹は、羽化が近づくと次第に色が変わり、羽化前日にはハッキリそれと分かる。しかし、ルリタテハの場合は、色が殆ど変わらない様である。何とも不確かな言い方だが、丁度この頃に個人的に些か面倒な事態が出来したのと、別に飼育していたクロアゲハの終齢幼虫の世話に気を取られ、蛹の色の変化は充分に観察していないのである。7頭の何れもが、気が付いたら羽化していた、と言う甚だ不注意な羽化のさせ方をしてしまった。


羽化直後のルリタテハ


羽化直後のルリタテハ.翅が伸びるのは速い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/20)

 羽化の瞬間も、7頭も居ながら、全て見逃してしまった。上の写真はその中でも、まだ翅がクシャクシャの状態で気が付いたのだが、写真を撮る為の準備をしている間に、前翅の先端付近を除いて殆ど伸びてしまった。ルリタテハの場合も僅か数分で翅の伸張は終わる様である。

 羽化は殆どが10~12時の間に起こり、明るくなってから(部屋の厚いカーテンを開けてから)4~5時間後に羽化するものと思われる。


ルリタテハ1


羽化後数時間経ったルリタテハ(上とは別個体)

飛べるが羽化当日は殆ど動かない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/21)

 羽化したルリタテハ。無理矢理サンザシの葉に留まらせて撮った写真である。

 飼育した7頭は、何れも無事羽化した。孵化したのが恐らく8月27日、前蛹になったのは最も早い個体で9月10日、一番遅い個体が9月17日、多くは9月12~14日、羽化はそれぞれ9月19日、9月26日、9月20~23日である。

 言い換えると、孵化後、最速15日で前蛹、24日で羽化、最遅が22日で前蛹、31日に羽化、多くは17~19日で前蛹、25~28日で羽化したことになる。


ルリタテハ2


ルリタテハの顔.サトキマダラヒカゲと同じく複眼には毛が一杯

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/21)

 庭に残した数頭の幼虫は、飼育したものに較べて生長が遅かったが、その内でも比較的生長の早かった3頭は、9月19~22日にかけて前蛹となり、何れも10月1~3日の間に無事羽化した。ヤドリバエにほぼ確実に寄生されていると思っていたが、幸いにも大丈夫であった。しかし、生長の後れていた個体は、その後姿を消してしまった。原因は不明である。

 孵化後の日数としては、24~27日で前蛹、36~38日で羽化したことになる。個体差が大きいが、飼育環境と比較すると、前蛹になるのが約1週間遅く、羽化は10日前後遅れたと言えるであろう。


ルリタテハ3


ルリタテハの横顔.眼の下から伸びる黒いものは前肢

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/21)

 飼育個体7頭全部、屋外でも3頭、合計10頭のルリタテハが羽化して、一見万々歳だが、よく考えてみると些か気になることがある。屋外の個体は問題ないが、飼育個体は室内で飼育して居るので、何れも長日環境で生長したことになる。蛹越冬をするアゲハ類(Papilio属)の場合、秋になって気温が下がっても長日環境で飼育すれば、越冬蛹にはならず、年内に羽化してしまう。ルリタテハの場合は成虫越冬なので、羽化してしまえばもうそれで問題は無い様に思えるかも知れない。しかし、成虫越冬をするカメムシ等では、終齢幼虫の時に臨界日長以下の日長で育てば卵巣は発達せず休眠個体になるが、臨界日長を越えた長日環境で生育すると卵巣が発達することが知られている。この現象は、成虫越冬する昆虫では一般的なのではないかと思われる。もしルリタテハでも同じ様に、長日条件で卵巣が発達してしまうのなら、その個体が今後どういう運命になるのか良く分からない。秋の内に無理矢理産卵してしまうのか、越冬に必要な栄養を卵に費やしてしまって越冬を完了出来ないのか、或いは、卵を吸収して越冬の為の栄養に転化できるのか・・・、飼育をした者としては気になるところである。


 これでルリタテハの飼育経過報告?は終わりである。これまでの記事の内容と掲載日を纏めると以下の通りとなる。


     内    容       掲 載 日
 1)ルリタテハの卵と初齢幼虫   8月29日
 2)ルリタテハの2~3齢幼虫   9月 8日
 3)ルリタテハの4齢幼虫     9月18日
 4)ルリタテハの5齢幼虫    10月 6日








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最終更新日  2009.10.30 16:57:00
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