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カテゴリ:上橋菜穂子
「守り人」シリーズ第三作目。 離れ離れになったバルサ達とチャグムが再開するのがとても嬉しい。 老呪術師トロガイの娘時分のエピソードも可愛らしくて良かった。 そして何より、花守りとなってしまったタンダとバルサが闘う場面。 辛かった。 お互いにどう思っているかが解りながら、二人が傷付け合う場面を読む事のやるせなさ。 人は皆夢をみる。 現実に一定の幸せがあっても、それでも夢をみずにはいられない。 この作品ではそれが悲劇を起こすのだが、夢というのが如何に魅力に溢れているかが解る。 夢に誘われて現実を手放す。 それまで完全無欠のように描かれてきたトロガイまでもが夢に囚われる。 バルサが囚われる事の無かったのは、きっと前作「闇の守り人」があるからだろう。 シリーズとしての流れも美しい。 バルサも夢をみる。 しかしバルサは知っている。 自らの創った過去からなる手放せない現実の幸福を。 夢も現実も大切なものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.02.18 05:15:38
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