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カテゴリ:漫画
この新人がスゴイ!!2008~第32回 青田買い、というわけでもないんですがこういう本も買ってみました。 花とゆめ・別冊花とゆめ・LaLa・メロディ共同編集の「第32回アテナ新人漫画大賞受賞作品集」です。 ちなみにアテナ新人漫画大賞の賞金額に関して私の思う処はgooblogの8月6日の記事に少し書いてみました。 もう一点の疑問というか、そんな大した物じゃないのかもしれないけど、この本の価格が他の花とゆめCOMICSと同じ税抜き390円という処でしょうか。白泉社の著者印税率が何%かは知りませんが本体価格390円の内23~36円は印税部分になると思います。 それを受賞者に渡していなければ問題ありませんが、新人に対し、賞を受賞した「投稿作」によって印税が発生する事は私はおかしいと思うし本来あってはならないと個人的に思います。 もちろん少年漫画・劇画と少女漫画では世界が違いますが、「新人の内は自分の原稿料だけでは食っていけない」のが当たり前と思うべきです。 傾向として10代でのデビューはなく、皆20代でのデビューなので力量的には安定しています。 採録作品は
の7本。 少し辛口です。 真柴なお「私の好きな相馬くん」、これは第32回アテナ優秀新人賞なんですが、私としては次に採録されている「ガーディアンジョーカー」(新人賞)の方に優秀新人賞ではないかな? と思う部分はあります。 巧いし安定した実力はあると思います。 多分これは私が男だから後者の方を面白く感じてしまったのだと思います。こちらの方が「恋愛色」はより前面に出ています。 高柳三樟(さんくす)「ガーディアンジョーカー」は新人賞。 トランプから出てきた「ジョーカー」が「ジョーカーである」ことにきちんと説得力があり、両親を亡くして親戚の家に預かってもらっている朱華の複雑な気持ちを充分巧く描ききれていると思います。 「恋愛色」が薄い事で優秀新人賞の一つ下の新人賞という理由だったらそれはおかしいと思いますが、作画面でやや不安定さを感じさせるのでその辺りが減点対象となったような気がします。 ストーリーとしてはわりと意外性もあり面白いです。 7作全てが受賞作(佳作も含め)なので読んで「つまらない」という事は決してありません。 まーレビューの星は4つではなく3つですが。 壱春コマ「ロワがノーイにくれたもの」(新人賞)、これ「ザ花とゆめ」3/25号で読んだ時はあまり印象に残らなかったんですが、改めて読んでみると「人の死を悼む」気持ちのないノーイを切なくいい感じで描けてますね。何故墓泥棒はいけないのか理解できなかったノーイの心境の変化をとても上手く描いてます。 来海(くるみ)ユウ「エナマニア」(新人賞)。これはどうなんだろう。いや、これも「ザ花」3/25号に載ってたんですが全然印象に残らなくて忘れてたよ(笑) 「乳アイドル」川田エナに夢中な男の子と「エナの声」を持つ女の子の恋物語ですがちょっと完成度が低い。絵は下手ではないんですがこういうやや大胆なコマ割りをしたいのならもう少し改善すべき点はあります。 多分新人賞と佳作の中間の微妙な位置で、かろうじて新人賞に食い込んだという感じです。本来佳作だったんじゃないかと。 緋桜泉(ひおういずみ)「にがよもぎ近代詩」(佳作)、ここから以下三作は佳作なので完成度が下がるのかといえば「ココロのススメ!」に関してはそうも言い切れない物があります。 まず「にがよもぎ近代詩」、絵が拙いので、これはどうしても弱点になります。「魔女になりたい」という願望と惚れ薬を作った理由の関連づけにもやや弱い物を感じます。名城が中和剤の材料を得るために犠牲にする"大事なもの"が「どう大事」なのか説明不足で全体的に消化不良です。 なみの「ロマンチスト・エゴイスト」(佳作)、これは私は駄目だなぁ。個人的に肌に合わないというのもあるけど客観的に見ても完成度低すぎて何故佳作にまで食い込んでいるのか分からない(笑) まず「イケメン」を「イケメン」らしく描くにあたり圧倒的に画力不足です。 顔のアップ、キャラクターの視線、そういった物を本人は魅力的に描こうとしてはいるんだろうけど力が全然追いついてません。 告白の「すれ違い」の理由もありきたりで「新人らしい斬新さ」が皆無。 ちと辛口ですがこれは「選外」にしてもう何度か投稿させた方が良いですね。 ひな太「ココロのススメ!」(佳作)、これは私は逆に佳作より上の新人賞でも良いと思ってます。 分かりにくい部分はあります。漫画を読み慣れている自分でも「別冊 花とゆめ」6月号に載っていたのを一回読んだだけでは事実関係が把握できず二回読んでやっと理解しました。 分かると実はかなり面白い事を描いてます。絵も巧い。この絵柄は大きな強みになります。 荒削りな部分はあるけど何より「新人らしい」もの、斬新さが光ってます。この人は伸びると思います。 全体的に辛口評価でしたが(私は編集者でもなんでもないのに(笑))、高柳三樟・壱春コマ・ひな太、この個人的に気に入った三名の新人のデビュー作が採録されているという事で良い買い物でした。 5年後、10年後、この三名の新人さんがどうなっているか今から楽しみです。 透明ブックカバーはこのサイズ*ポイント3倍中です 透明ブックカバー☆新書版用ブックカバー(5pack)☆ 透明ブックカバー☆新書版用ブックカバー(10pack)☆ 【マクロミル】アンケート会員募集中!謝礼ポイント有
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