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カテゴリ:漫画
いっしょにねようよ(第1巻) 期末試験明けで 寝坊した朝だった 焦っていた 火が 着いたように 泣く 声 姉の叫ぶ声 一瞬の視線 姉の憎悪 一瞬だった あとは ただ悲しい 悲しい目で 雑誌でずっと連載読んでました。 「花とゆめ」23号に、少しずつ体調を戻しながら復帰の準備をしているとの、高尾先生からの一言メッセージがありました。 まだ第1巻目ですが「これは絶対面白くなる」と確信できます。単行本で改めて読み、私は既にレビューで5つ星付けてます。 高尾さんの作品って一話ごとに読者を満足させつつも最後の最後で一番大きなテーマで一気に惹き付ける処があるので期待してます。 アンドロイド物(『人形芝居』)、逆歳の差(『ディアマイン』)、忍モノ(『てるてる×少年』)、タイムスリップ物(『ゴールデン・デイズ』)と言葉で言う程簡単ではありません。また新境地を拓いてくれました。 揺るぎない人気と支持を獲得した作家にとって一番難しいのは「前作より面白いものを描く」と云う事だと思うのですが、その意味で「高尾滋」は、現役の少女漫画家の中で私にとってNo.1作家です。 家出中の宇佐見一子(いちこ)、15歳。彼女を拾うお面の少年・古白(こはく)。 連れてこられたのは 木戸古白 緒方健(たける) 谷春香 藤博直哉 が同居する不思議な家。 この第1話時点で既に面白かったのです。 「子どもの姿が見えない」と言う一子、そのせいで姉の子供を蹴飛ばしてしまった、怪我をさせてしまった。だが何故見えなくなった? そして一子は自分の「罪悪」にどういう決着をつけるのか? 「僕が蹴り付けてあげても殴りつけてあげてもめちゃくちゃに痛めつけてあげてもいいけど …それを君が望んでいたら意味がないね 罰とは望まない不幸でなければならないものだもの」 一子の携帯に姉からの電話。 姉に会うのが怖くて逃げようとする一子を止める古白。 「…根本的なことを訊こうかな……いちこちゃん 君に子供が見えなくなったのは 誰のせい?」 姉も円が好きだと知っていた一子、知りながら姉にプロポーズを受けなよと言った一子。 義兄に今自分の事をどう思っているか訊く一子、大事な妹と答える円。でも今は少しだけ…君が怖い。 悲しい時には甘い物だと「れもんと」を作ってきてくれた古白。それは偶然? 「いちこちゃんの信じたいほうで いいよ」 高尾先生の偉大さを再確認した回。 第4話は「物語」自体は一見あまり進んでいないんですが、人の「本心」とか「偽善」と云う物に深く迫ってます。 古白のお面も謎の一つですが、そんな彼の 「心の中の鬼なんて皆飼ってる」 との言葉、そして一子に自分の本心=姉も円も皆好きだった=を気付かせるのに「そり」で滑走して、目をつぶらずにいて視界が急激に回転する最中に気付く、この演出が凄く巧い。 そして子供が「見える」ようになった一子。 「あーっとこえっ」=人形を直してくれてありがとう。 「私の方こそ…! …ありがとう」 しかし古白と春香の関係は? 「ひとりは ……やだぁ」と涙する古白。 「禁欲を知る人」とは? 姉との「償い」のメールのやりとりが始まる第5話まで採録です。 古白のお面に少し迫る第6話は未採録です。 人を好きになることによって生まれる「不幸」があり、誰かと誰かが愛し合うことによって不幸になる者が現れれば、その歪みが「罪悪」となるのかもしれません。 ならば「禁欲」とは「誰も愛さない」ことではなく、逆に「愛すること」が償いとなり、善としての無欲にも繋がるのでしょうか。 生理的にも欲望に忠実すぎるくらい忠実な1~2歳の「子供」の存在がキーになるような気がします。 フリーページ高尾滋もご覧下さい。 透明ブックカバーはこのサイズ 新書サイズ透明ブックカバー3パック(30枚)セット《ミエミエ》 【マクロミル】アンケート会員募集中!謝礼ポイント有
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