陳式太極拳、24式太極拳とは
中国当代13名太極拳大師、馬虹先生と。陳式太極拳とは? 中国のさまざまな太極拳流派の中で最も古い流派。 河南省温県陳家構が起源とされる。 陳家第九世、陳王廷が創り上げた陰陽、剛柔、速い遅い、を兼ね備えた拳法。太極拳五路、砲垂一路、百八式長拳一路、双人推手、刀、剣、槍などから構成される。 陳家第14代、陳長興が受け継がれた陳式太極拳の基礎の上にいくつかの異なる拳法の奥義を組み込み纏め上げたのが現在の陳式太極拳一路、二路(砲垂)の原型。 陳長興の弟子の一人、陽露禅が陳式太極拳に独自の理念を組み込み創り上げたのが楊式太極拳。楊式太極拳の発展に伴い武式、呉式、孫式など様々な太極拳が生み出される。 一般的に太極拳は動きが緩やかだと思われていますが、「速い遅い」の特徴を兼ね備えた陳式太極拳も例に漏れず、ふだん套路を練習する時の速度は緩やかです。動きが緩やかなので「遅くて退屈だし、楽をしているように見える」と思う人もいる様ですが、実はその反対で遅ければ遅いほど精神的にも肉体的にも負担が掛かります。私も先生から一路30分から40分掛けるように言われています。しかし実は陳式太極拳はすごく動きが速いです。 格闘技の攻撃を例えるのに空手の突きを「石のような」、ボクシングのパンチを「鉄球のような」、テコンドーの蹴りを「バットのような」、ムエタイの蹴りを「鞭のような」、などなどありますが陳式太極拳の場合「感電したような」と例えられます。 この「感電」に意外と誤解があるのですが、別に見えない「気」とかなんとかの力で打撃するわけではなく、基本的に陳式太極拳の攻防が最も有効に発揮できる間合いは非常に近いので 「相手の見えない角度・反応できない距離・速度、相手を不安定な状態にしてから打つ」 という事から 「感電したように、攻撃が見えない」 と言われています。 陳式太極拳の実際の攻防で繰り出される発勁の速度は、最も「速い」武術の一つです。(相当鍛練を積んだ方でないと無理です。その為、その発勁を表現するため頭や拳をブルブル故意に振る動作を取り入れる方が多いです) 簡化24式太極拳とは 1949年の中華人民共和国成立以後、毛沢東による「発展体育運動、増強人民体質」の政策により1956年楊式太極拳を基に簡略化、誰でも取り組める「簡化太極拳」が纏められ、健康、医療体操として国民に推奨され全国的に広がったもの。 中国はもとより日本でも公園で最もよく目にする太極拳。日中友好協会で主に指導しているのもこの「簡化24式太極拳」です。動く瞑想とも称され体重移動、各関節、筋肉、気の流れ、呼吸、を強く感じることができるので、世界でも最も優れた健康体操の一つです。