住まい計画(戸建て)
戸建てといえば、よく祖父が「一戸建てくらいポーンと立てられんような大人にはなるな」と私に言っていたことを思い出します。まだ幼い私はそれをあまり深く考えてはいませんでした。まず一戸建てという言葉がすでによくわかりませんでしたし、建てられないから何なのかという疑念もありましたし、なぜそんな大人になってはいけないのかもわかりませんでした。だから幼い私はそのことを考えないことにしました。しかし、ふと大人になってから考えてみると、その言葉の意味がよくわかるようになってきました。家や住まいのことを深く考えるようになったからだと思います。私が思うに家を持つということはステータスなのだと思います。家を持っているということが善しとされるということは、江戸時代や室町時代に生まれた「先祖伝来の土地を守る」という理念に基づいたものなのではないかと推測します(もっと古い時代からあった思想ですが、一番顕著なこの二つの時代をあげておきます)。その時代では家が大きければ大きいほど威厳があり、偉く見え、それを守ることに従事して来ました。その名残が今にも残っているのはないでのしょうか。今思えば、祖父のあの言葉は「威厳を持った大人になれ」ということなのだと思います。