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2007.07.17
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週末でもなんでもない火曜ということもあってか、我々は予約していなかったにもかかわらず、すんなり店の中へ案内された。副主将とカラコ、そしてわたしの3人で、この時点ではまだ茶さんは到着していない。
アンソロジーという店の名前が示すとおりに、まず良質の音楽が聴こえてきてしかるべきだったが、分厚い一枚板でつくられた巨大なテーブル席には宴会中のサラリーマンがいて、彼らが繰り出す喧騒に音楽はかき消されがちだった。
店員は気をつかってか、巨大な門扉のような戸で仕切られた別室へと我々を案内した。その別室には全部で10卓ほどのテーブルがあったが、客は1人もいなかった。大きな扉で間仕切りされているとはいえ、天井は他のフロアと繋がっており、したがって宴会の騒音は無遠慮に我々のところにも届いてきていて、人の姿は見えないのにやたら騒がしいという、不思議な居心地の悪さをしばらく感じ続けなければならなかった。
副主将は紙袋からかるかん饅頭をとりだして配り始め、カラコは白い携帯電話を覗き込んだり、開けたり閉じたり置いたりしていた。全体として店の調度はなんとなく高級そうな印象を我々に与えたが、ソファがほころびていたり、テーブルが瑕だらけだったり、壁の絵画が雰囲気にそぐわなかったりする。部分的には安っぽい。
落ち着かない。それは何か統一感が損なわれているからなのかもしれない。よさそうでよくない。静かそうなのにうるさい。高そうなのに安っぽい。たとえば店に意思があるとして、それが一貫していないと客は不安な気持ちになる。良質なサービスを提供してしかるべきと思わせる店から、失礼な働きをされるとものすごく不愉快な気持ちになるけれども、最初から礼儀もなにもない、たとえば中野あたりの立飲み屋が少しぐらい無礼であっても何も気にならない。だったら最初から自らを着飾ることなく、借りてきたセンスではなく、ありのままの自分本来の姿を表現するほうが、よっぽど客のためになるような気がする。

わたしの目前には2人の象徴的な女性がいる。
ある見方からすれば対照的な2人であるともいえる。1人は数ヵ月後に結婚を控えてその報告のために一時的に上京してきた。1人は結婚を解消して1年数ヶ月前に暮らすために上京を果たした。念のために申し添えておくと、どちらかが優れていてどちらかが劣っているとかそういった話ではない。たとえば結婚を控えた1人を祝福するとなると、結婚を控えていないもう1人のほうは、この場では祝福されないということになる。もちろん結婚するということはめでたいことには違いはない。でも結婚をしないもう1人の気持ちをいたわろうとするなら、2人のうちのどちらかを祝福するということを、しないことが正解なのではないかとも思える。またそういうことを言ってしまうと、じゃあ結婚するのに祝福してくれないのかと、結婚を控えたほうが思うかもしれないから悩ましい。
つまり何をいいたいのかというと、この場合、何も言わないのが正しいのかもしれない、ということだ。ただ「おめでとう」というありきたりの祝詞でささやかに飾ってやるほうが、100の言葉を並べ立てるより、よっぽど祝福っぽくなるような気がする。

お詫び
副主将の名付け親はてっきりおおフランス様と思っていましたが、コビックの間違いだったそうです。大変失礼したしました。お詫びして訂正いたします。





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最終更新日  2007.07.17 23:00:40
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