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カテゴリ:読書
『妖精作戦』
笹本祐一/著(ソノラマ文庫刊) 【内容】 謎の美少女が転校してきたことをきっかけに起こる不可解な出来事。ヘリは落っこち、飛行機は爆発。おまけに攫われかけた少女を助ける怪しい探偵登場。結局、なぞの組織にさらわれてしまった少女を、少年たちは東京湾沖の巨大潜水空母から南海の秘密基地、果ては月面の宇宙基地までもハチャメチャに追いかける。 ずいぶん前の小説である。 初版が1984年だから、もう20年前になるのか。 最近で言うところの「ライトノベル」に分類されるお話である。 今でこそありふれた(ライトノベル的な)内容に思えるが、その舞台設定や展開、語り口は、当時としてはかなり斬新だったと思う。 寝ずに読んだ。読み終えて気が付いたら白々と夜が明けていたことを思い出す。 今の僕の『原点』とも言える小説です。 思えば、これを読まなければ工業系の大学にも進まなかったろうし、今の会社にも就職していなかったろう。 これほど自分の人生に影響与えたものはないと思う。 とにかく、熱かった。 当時、僕の欲しいものが、この作品にはたくさん詰まっていた。 主人公は高校生で僕は中学生だったが、あの『主人公と同世代の頃』読んだ価値は計り知れない。 きっと、大人になってから読んでいたら、こんなにもハマっていなかったと思う。 そんな小説です。 続編として、 『ハレーション・ゴースト』 『カーニバル・ナイト』 『ラスト・レター』 が存在し、4巻構成になっている。 最終巻『ラスト・レター』のエンディングは、当時、その内容ゆえ大論争を巻き起こした。 現在活躍中の30代前後のライトノベル作家は、かなりこの作品の洗礼をうけているのではないか? 最近話題になった作品に秋山瑞人氏の『イリヤの空、UFOの夏』があるが、中高生でこれが気に入った人は是非『妖精作戦』も読んでみてほしい。『イリヤ~』の原点もここにあるのではないかと思う。 ただ、現在入手することはかなり難しい。初版から10年たって再販されたものの、最近では通販ショップでも品切ればかりだ。絶版されたのだろうか? したがって、読むには図書館を使うか古本屋を回るしかない。 残念だ。 再販版ではイラストと10年たって明らかに変わったところ(電車の値段や当時のはやりもの等)が修正されている。 再販からさらに十年たったわけだが、今読んでもすごく面白い。 確かにあのころの味わったほどの「熱さ」はなくなった。 それは僕が変わってしまったからだろう。 でも、僕の心は今でもあの世界に自然に入っていける。 こんな作品はそうそうあるまい。 僕のイチオシ作品は今でも、そしてこれからも『妖精作戦』です。 ↑個人サイトです(^.^) 是非一度、お立ち寄りください。<(_ _)> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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