テーマ:宇宙(894)
カテゴリ:航空・宇宙
野口聡一飛行士が乗り組むスペースシャトル「ディスカバリー」の機体底部からセラミック製シートがはみ出している問題で、NASAは放置するのが危険と判断し、3日に予定される3回目のEVA(船外活動)で修理する方針を決めた。現在、手法を慎重に検討しており、2日に正式決定する。宇宙空間で機体を修理するのは、81年以来のシャトルの歴史で初めて。
とうとう軌道上で修理ですか。 修理自体はスティーブン・ロビンソン飛行士が担当する可能性が高いという。 それにしたって、相棒である野口さんの果たすべき役割は重要となってくる。 宇宙史に残る重大イベントだ。 今までに見せてくれた、『殿堂入りレベル』と言われる絶妙のコンビネーションで乗り切って欲しい。 ちなみに、問題となっているセラミック製のシートとは『ギャップ・フィラー』と呼ばれるものです。 オービターは、その表面を多数のセラミック製耐熱タイルで覆われています。 耐熱タイルは、オービター外面を覆う耐熱素材です。 これは、完全に外面を覆うため、多数のブロックを、まるでパズルのように組み合わせて構成されています。 そのため、部品の製造誤差や取り付け誤差を考えると、隙間なく並べることは出来ません。 最初から、隙間が出来るように設計されているのです。 『ギャップ・フィラー』はその隙間(ギャップ)を埋める素材です。 耐熱繊維で織られた織布に、耐熱性のシリコン系接着剤を含浸させた(浸み込ませた状態の)ものを、隙間に合わせた厚さで挿入してあります。 言わばタイルの「目地」に当たる部分です。 今回の作業では、突出した部分を切り取るか抜き取るとなっているようです。 これは大気圏突入時に、局所的な異常加熱を防ぐ手段です。 機体から突出した部分があると、大気圏突入時に、その部分の空気が淀み(気流速度が落ち)ます。この時、空気が圧縮されることにより、スピードが落ちた分だけエネルギーが熱に変換されるのです。 この熱が、耐熱タイルで断熱されている機体表面のアルミ外板を溶かすまでに上昇したら、アウト。 その熱により機体構造が崩壊し、ディスカバリーは粉々。 コロンビアの二の舞です。 そうなることを防ぐ手段なのですが、 ただ、突出した部分を切り取るだけならまだしも、抜き取るとなると、その部分に隙間が生じることになるでしょう。 それも問題です。 従って、抜き取った場合は、先日の補修試験で使用した補修材で隙間を埋めるのではないでしょうか? NASAによると、すべての作業は想定の範囲内で、訓練済みとのこと。 この言葉を信じて、作業の成功を祈るばかりです。 野口さん&ロビンソンさん、頑張れっ!! ↑個人サイトです(^.^) 是非一度、お立ち寄りください。<(_ _)> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005/08/02 11:28:40 PM
コメント(0) | コメントを書く
[航空・宇宙] カテゴリの最新記事
|
|