母を求める子犬

2014年02月03日

管理所の檻の中で

小さく固まっていた生後6ヶ月位の子犬。

この仔は、人間を知りません。

野良のお母さんとはぐれて、ここに来ました。

恐怖心で小さく唸り、自分の存在を隠そうと必死でした。

体中に張りついてた無数のマダニ。

ボロボロの皮膚。

回虫だらけの便。

母犬と一生懸命、生きてきてたんだと…

生きるのに必死だったんだろうと…感じました。

職員さんが、フロントラインと駆虫薬を飲ませてくれました。

この仔の目には、子犬らしい無邪気で楽しそうな「瞳」は

一切ありませんでした。

恐怖、悲しみ、淋しさ…

職員さんの許可を得て、檻の中に入り…

この仔は、私に強い関心を持った。

私自身にではなく、私の体に付着している保護家の犬達の匂いに。

檻の中で固まってた子犬は、匂いを嗅ぎに寄ってきては、

檻の中を「キュンキュン」と子犬らしい声で鳴きながら

ソワソワと走り回った。

「母犬を探しているんでしょうね…」

職員さんがそうおっしゃっていました。

私は、着てたエプロンを脱いで職員さんにお願いしました。

「このエプロンには、保護家の犬達の匂いが沢山ついてます。

　この仔が少しでも安心できるように、

　敷いてもらえないでしょうか…」

職員さんは、快く子犬の毛布の上に敷いて下さり…

子犬は、クンクン匂いを嗅いで、エプロンの上に横たわりました。

まるで、お母さんの匂いを嗅いで安心しているかのように…

ずっとずっと母犬と一緒だったのでしょう…

この仔には、もう時間がありません…

なんとかここから生きて出て欲しい…

そのために、私ができる事を心のまま動いて行きます。

この仔の時間の流れに合わせて。

管理所には、仔の子犬だけではありません。

まだまだ犬達が、まるで当たり前化しているように

次から次に収容されています。

1/27　木城町中原にて高鍋保健所保護　♀　鎖首輪

この仔も、人に警戒心がありました…

よほど嫌な事をされたり、嫌な目にあわされていたのでしょうか…

2/3　綾町にて中央保健所保護　♂　鎖首輪　

この仔も、警戒心が強くありました。

体の大きな子です。

1/31　瓜生野にて宮崎市保健所保護　♂　青首輪

この仔は、人間が大好きな仔です。

愛情受けて育ち、人間をこれっぽっちも疑っていない仔です。

1/31　西都市南方島内町にて高鍋保健所保護　♂　柄入首輪

少し怖がっている様子でしたが、

人間を好きでいてくれていると思います。

コーギー(mix？)

1/28　新富町春日にて高鍋保健所保護　♀×子犬♂♀

生後一週間位の白×茶色の二匹の子犬を抱えている母犬。

毛布で覆われたケージに、顔だけ出して周りの様子を伺っていました。

子犬を守っているのでしょうか…

大人しくて穏やかで性格の良い母犬だと

職員さんもおっしゃっていました。

今月いっぱい、母子犬は管理所に居る事が出来るそうです。

子犬が無事に育ち、母犬と子犬一緒に出れますよう…

祈るばかりです。