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■ジャズの歴史(その19)■

February 15, 2007

■History of Jazz ジャズの歴史(その19)■

●ビバップとモダン・ジャズとチャーリー・パーカー

チャーリー・パーカー(Charlie Parker)

チャーリー・パーカーは、アメリカを代表するジャズ・アルト・サックス奏者、及び作曲家。
モダン・ジャズの原型となるビバップ・スタイルをディジー・ガレスピーと共に確立したことで、
「ビバップの創始者」、「モダン・ジャズの父」と呼ばれるべき存在です。

1920年8月29日、アメリカ、カンザス州カンザスシティ生まれ。
1955年3月12日、ニューヨークで死去。34歳。

チャーリー・パーカーは、ニカ男爵(だんしゃく)夫人が住むニューヨークのホテルの部屋で亡くなったと言われています。
そのとき34歳という若さでしたが、酒と麻薬でぼろぼろになっていた彼の死亡診断書には、
推定年齢53歳と記されていたといいます。

本名はチャールズ・パーカー・ジュニア(Charles Parker, Jr.)。
愛称はバード(Bird)。

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チャーリー・パーカーは、「ビバップの創始者」、「モダン・ジャズの父」であり、「ジャズ史の革命児」として、
それまでダンス音楽にすぎなかったジャズを、鑑賞するための芸術音楽に引き揚げた人物です。
そして、チャーリー・パーカーは、ジャズを真にアメリカの音楽にした立役者の一人です。

ジャズに興味を持って、ジャズの歴史について書かれたものを見たことのある人なら、
1940年なかば、ニューヨークのジャズ・シーンに颯爽と現れた、
アルト・サックス奏者のチャーリー・パーカーの名前を見たことがあるでしょう。
そこに、パーカーは「ビバップの創始者」、または「モダン・ジャズの創始者」、
あるいは「ジャズの革命児」などというようなことが書かれていたと思います。

それらを合わせてみると、パーカーは、当時主流だったジャズのスタイルを変え、
現在のジャズの完成形といえる「モダン・ジャズ」の原型である、
ジャズのスタイル「ビバップ」という演奏スタイルを作り「ビバップ革命」を起こした、
「革命児」ということになります。
要するに、パーカーは「モダン・ジャズの創始者、元祖」ということです。

モダン・ジャズとは、鑑賞音楽となったビバップ以降のジャズを示すもので、
それまでのジャズはポピュラー音楽のなかでも、踊るためのダンス音楽でした。
モダン・ジャズ以前にも鑑賞音楽としてのものもありましたが、
ほとんどがジャズは踊るための音楽だったということです。
チャーリー・パーカーは、その踊りを止めた人です。

「これじゃ踊れない」と文句も出たかもしれませんが、
それよりも、多くの人々にチャーリー・パーカーの音楽は芸術(アート)として認識され、
ジャズは鑑賞する音楽になっていきました。
一部の伝統主義者たちも、この新しいサウンドを認めようとしませんでしたが、
パーカーの音楽はジャズ界を虜にしていきました。
ビバップ以降のジャズは小編成での演奏が主体となっていき、
その革新的奏法は現在、モダン・ジャズにおける即興演奏の基本テクニックになっています。
ここにモダン・ジャズが始まり、チャーリー・パーカーの名前は音楽史に永遠に刻まれることになったのです。

ジャズから踊りを止めたジャズの演奏スタイルはビバップと呼ばれ、
ビバップはその後の、ハード・バップ、クール・ジャズ、モード・ジャズ、フリー・ジャズという
ジャズ・スタイルへと変遷していくモダン・ジャズの始まりで、
それらはすべてパーカー・スタイルの延長線上にあると言えるでしょう。
現在、これらのジャズ・スタイルを全てひっくるめて「モダン・ジャズ」と呼んでいます。

ビバップがそれまでのジャズと大きく異なる点は、猛烈なスピード感のあるリズムと、
高度なテクニックを駆使したアドリブ・プレイを重視しているところにあります。
この演奏スタイルはパーカーとトランペットのディジー・ガレスピーによって生み出され、
確立されていったので、この2人がビバップの中心人物ということになります。

ビバップの全盛時代は1940年代中頃から1950年代初めくらいまでで、
1950年代になると、ビバップから発展していったジャズ・スタイルが登場してきます。

パーカーがリーダーでレコーディングするようになったのは1944年からで、
ラスト・レコーディングは、彼の死去する3カ月前の1954年12月なので、
実質上、約10年間のレコーディング・キャリアということになります。

チャーリー・パーカーは、波乱に満ちた生涯を送り、34歳という若さで、この世を去りましたが、
彼によって、ジャズがジャズとしての確固たる姿になったと言えるでしょう。

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音楽は、自分自身の体験、思想、そして英知だ。
そういう生活を送っていなければ、音楽はサックスから出てこない。

音楽には境界があると教えられているだろうが、芸術にはそんな境界線はないんだよ。

自分で火をつけて、自分のフライパンに油をひいて、そして料理した。

~チャーリー・パーカー~

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借りた金は返さない、
約束の時間はいつも守らない、
酒と薬と女と音楽にあけくれた生涯。
そんなチャーリー・パーカーの「Now's The Time」 

 今を生きたジャズ・ミュージシャン、チャーリー・パーカーの「今の時間」

Last updated April 10, 2008

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