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■ジャズの歴史(その32)■

March 8, 2007

■History of Jazz ジャズの歴史(その32)■

●ボサノヴァ(Bossa Nova)

ブラジルの新しい音楽がジャズと融合

1950年後期、ブラジルでは、ボサノヴァという新しいスタイルのポピュラー音楽が誕生しました。
ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビン、ビニシウス・モライスといった人たちが、
そのスタイルを確立し、ブラジルのミュージシャンたちがそれに続きました。

独特の心地よいビート感にシンプルで、しゃれたメロディー、洗練されたコード進行の、
ブラジルの新しいスタイルの音楽、ボサノヴァは、
アメリカのジャズ・ミュージシャンを通じて世界に広く知られることになります。

1960年代の初頭にブラジルと接点を持ったギター奏者のチャーリー・バードや
フルート奏者のハービー・マンが、最初にボサノヴァ・テイストをアメリカに持ち込みました。
そして、1962年にチャーリー・バードとサックス奏者のスタン・ゲッツとによって、
アルバム『ジャズ・サンバ』が作られ、
アメリカでもボサノヴァという音楽が、にわかに注目されるようになります。
その翌年の1963年、ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビン、アストラット・ジルベルトら、
ブラジルのミュージシャンがアメリカに渡り、スタン・ゲッツとアルバム『ゲッツ=ジルベルト』がリリースされ、
その中のシングル盤「イパネマの娘」が大ヒットし、ボサノヴァ・ブームは一気に高まりました。

キャノンボール・アダレイ、ポール・ウインター、カル・ジェイダー、ポール・ディスモンド等
ボサノヴァの要素を取り入れようとするアメリカのジャズ関係者が次々と続き、
アメリカのジャズとボサノヴァは切っても切れない関係になります。
また、アントニオ・カルロス・ジョビン、セルジオ・メンデス、エウミール・デオダート、モアシール・サントス、
アイアート・モレイラなど、ブラジル側からアメリカの音楽シーンに進出したミュージシャンも見られました。

1960年代初期にボサノヴァはジャズと融合し、ボサノヴァ・ナンバーがブームになりスタンダード化しましたが、
ジャズでいうボサノヴァとは純粋なブラジルのボサノヴァではなく、
あくまでもアメリカ・ジャズのフィルターがかかったものです。
そして、ボサノヴァはブームが終わっても、同じブラジル音楽のサンバと共に、
ジャズの重要なリズム・スタイルの一つとして残り、現在は一般化しています。

また、以後ボサノヴァはジャズの世界にとどまらず、ポップスの世界においても、
現在、重要な音楽的要素として定着しています。

Last updated December 20, 2008

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