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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:カテゴリ未分類
『One Note Samba』(ワン・ノート・サンバ)
原題:Samba De Uma Nota So アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲、ニュートン・メンドンサの作詞。 ボサノヴァを代表する曲で、スタンダード・ナンバーとも言える曲の一つです。 この二人によって作曲されたのは1958年だと思われますが、 実際に歌詞を英語に訳して、アメリカで発表されたのは1962年ということになっています。 ジョビンは小さい頃から釣りをしながらギターの弾き語りをして遊んでいたそうですが、 その遊び仲間の一人がニュートン・メンドンサでした。 メンドンサはジョビンの曲作りの最初のパートナーで、 いつもジョビンの家に来て一緒に曲を作ったりしていたそうです。 この曲ではメンドンサが原詞を書いていたものを、 ジョビンがアメリカ滞在中の1962年に、英語の歌詞を自分で考えて完成させたと言います。 このころ、アメリカの作詞家が自分の曲に、オリジナルの歌詞を無視した全く関係のない、 ひどい英詞をつけていたのに我慢ができなかったようです。 ジョビンの伝記によると、 ---トム(ジョビンのこと)の曲は、ジャズのビッグスターたちによって米国にもたらされた。 だが、それらの多くは不完全な形で演奏され、歌詞も適当な英語に置き換えられていたため、 トムはそれをいやがり、また心配してもいた。 しばしば英語の歌詞は、オリジナルとは何の関係もない内容だった。 トムは「ワン・ノート・サンバ」の歌詞を、うまく英語に直したいと考えていた。 作りかけの歌詞をポケットに入れて持ち歩き、 会う人ごとに、これでいいだろうかと尋ねる。 そして彼より英語の達者な人から助言をもらうと、すぐさま、その場で書き直すのだった。--- また、ジョビンは次のように語っています。 「僕は英語を学校とカウボーイ映画で覚えたが、 あっち(アメリカ)の連中は僕の歌にあまりにも馬鹿げた歌詞ばかりつけたがっていた。 コーヒーだとかバナナだとかヤシの実だとかについて歌う歌詞をね。 しまいには泣けてきたよ。 だから僕は、自分の作品をブラジル的でオリジナルなまま残していくために戦うことにしたんだ。」 ニュートン・メンドンサについては次のように書かれています。 ---二人は一緒に曲を書いていた。 ニュートンはいつでもピアノに手を伸ばせるよう、トムの脇に座るのだった。 トムはニュートンのことを、音楽を熱愛する音楽家と呼んでいた。 二人は意見を交わし合い、コードを聞かせ合い、楽しみながら仕事をしていた。 以心伝心のコンビで、ベートーベンやリスト、ショパン、ショスタコーヴィッチなどについて議論した。--- 1959年、ジョビンの初期のアルバムがアメリカへ上陸し、 その音楽が演奏されたり、レコーディングされてヒットし始めた頃、 ジョビンは、幼なじみで最初の本格的なパートナーであるニュートン・メンドンサを、 突如として失うという不幸に見舞われることになります。 メンドンサはまだ32歳の若さで、心臓発作による突然死ということでした。 世界中のボサノヴァの曲で、有名なものを3曲あげるとすれば、 「イパネマの娘」と「デサフィナード」と、この「ワン・ノート・サンバ」であると思います。 そのうちの「デサフィナード」と「ワン・ノート・サンバ」はニュートン・メンドンサの作詞であるということを考えると、 そのままいけば、ジョビンと共に膨大な数のボサノヴァ・スタンダード・ナンバーを書いていたことでしょう。 彼の早すぎる死は惜しまれるところです。 この曲は題名の通り、メロディーは一つの音程を歌い続けているのに、 和音の方は3度の和音から半音ずつ降りてくるという、ボサノヴァ独特のコード進行になっていて、 こういうコード進行が、ジャズやポピュラー音楽に与えた影響は大きいものです。 ***** ●ワン・ノート・サンバ 英題:One Note Samba ポルトガル語原題:Samba De Uma Nota So オリジナル作詞:ニュートン・メンドンサ 英語版作詞:アントニオ・カルロス・ジョビン (1962年) 作曲:アントニオ・カルロス・ジョビン 1959年 これは、一個の音で作ったかわいいサンバなの ほかの音はみんなついてくるだけ でも、ルートはやはりこの音なの つぎに出てくる新しい音は 今聴いたこの音から引き出されるのだけれども それは、ちょうどあなたに会った私が この、抜けられない道に入っていくのと同じなのね しゃべってしゃべってしゃべりまくるけれど、何も残らない人って 世の中にはうんざりするほどいるでしょ? 私も知っている限りの音階を全て使い果たして 最後は何も残らないの ほとんど何もね だから、私は最初の音に戻るしかないのよ あなたのところに戻るようにね 私はあなたに対して感じている愛を 全て、その一つの音に注ぎ込むわ どの音も、全て派手に並べたがる人は レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、とやって 結局何にもなく空っぽで終わるだけ 自分の知っている音だけで奏でた方が、いいってことなのよ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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