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May 20, 2008
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テーマ:Jazz(1958)
カテゴリ:Jazz Memorandum
●ジャズの「スウィング(スイング)(swing)」とは?

ジャズを語る上でよく耳にする「スウィング」という言葉には、
いくつかの違った意味があるので、その違いをしっかりわかっていないと話が通じません。

「スウィング」には、大きく分けて2種類の意味があります。
それは、ジャズの音楽的特徴を現すときに使う「スウィング」と、
ジャズの演奏スタイルを分類するときに使われる「スウィング」です。

「スウィング(スイング)(swing)」の本来の言葉の意味は「揺れる」、「振れる」ということになります。
バットをスウィングするとか、ゴルフのスウィングなどがそうです。
ジャズにおいて「スウィング」という言葉はよく使われますが、その場合に、いくつかの意味があります。

【1】 ジャズでは、ジャズ特有のリズムの「ノリ」のことを表す言葉として、「スウィング」という言葉を使います。

ジャズという音楽の特徴である「躍動感」や「ノリ」を表現する時に、
「スウィングする」とか「スウィングしている」というように使われます。

【2】 リズムのスウィングとは違って、ジャズの演奏スタイルとしての「スウィング」という言葉があります。

19世紀末にアメリカのニューオリンズで生まれたジャズは
1920年に発令された禁酒法の時代に、その中心はシカゴに移りました。
それまでのジャズの演奏スタイルは「ラグタイム」や「ブギウギ」、「ディキシーランド」といったものでした。

1929年のニューヨーク株価が大暴落して起きた不況が回復した、
1935年以降、ニューヨークを中心に急速に白人がリーダーのビッグバンドが台頭してきました。
それから1940年代中頃までの間の、ビッグバンドとヴォーカルを迎えたジャズの演奏スタイルを、
「スウィング」といい、「スウィング・スタイル」とか「スウィング・ジャズ」とか呼ばれています。
これは、ジャズという音楽のなかの演奏スタイルの一つで、
ジャズの歴史上では「ビバップ」という演奏スタイルが生れる前に主流になったジャズのことです。
したがって「モダン・ジャズ」ではありません。

代表的なバンドとしては、「ベニー・グッドマン楽団」、「グレン・ミラー楽団」、「トミー・ドーシー楽団」、
「アーティー・ショウ楽団」などがあります。

「スウィング・スタイル」のジャズは大衆化した音楽として、ラジオを通してアメリカ全土に放送され、
一挙にポピュラー・ミュージックとしての地位を獲得していくのでした。
そうして、「スウィング」は、ダンス・ミュージックとして広がっていきました。

演奏スタイルとしては、譜面による演奏が行われるようになりました。
それは、ビッグバンドという楽器構成上のことからということと、
レコーディングやラジオ放送、ダンスのバックミュージックなど、
その時々による要求によって曲の長さを調節するためや、
毎回、曲の演奏時間が同じ長さになるように、編曲(アレンジ)することが必要だったからです。

その他、それまでのジャズのスタイルと、使用される楽器が変わってきました。
ベース・パートは、チューバからウッド・ベース(コントラバス)に定着しました。
ドラムがそれまで単独で大太鼓、小太鼓、シンバルといった編成だったものが、
ドラムセットが発明され、1人の重要なパートとして確立しました。
バンジョーが使われなくなり、その代わりにギターが使われるようになりました。

【3】 そして、もう一つの「スウィング」の意味は、「ジャズ」に取って代わる「スウィング」という意味です。

もともと、ジャズはアメリカ黒人の中から生まれた音楽です。
ちょっと乱暴な言いかたをすると、
1930年中ごろには、ジャズという言葉は黒人ジャズのことを指すようになっていたので、
白人たちは、もともと売春宿から生まれたジャズといういかがわしい生い立ちの音楽を、
自分たちの上品なものにしようとし、ジャズを別の呼び方にしようと考えました。
そうして出来た言葉が「スウィング」です。
ジャズはこの頃「スウィング」、「スウィング・ミュージック」と呼ばれるようになりました。

したがって、「スウィング」という言葉は、この時期に「ジャズ」と同義語として作られた言葉で、
実質的に「スウィング」という言葉は意図的に「ジャズ」に取って代わった言葉でした。
そういう意味から、「ジャズ」=「スウィング」ということです。
ちょうどスウィング時代が、そのような使われ方をした時で、
「スウィング」という言葉は、「ジャズ」に取って代わろうとした意味もあります。

白人たちは、「スウィング」をアメリカの象徴の音楽として仕立てました。
「スウィング」は、いわゆる「表」のジャズの形であり、
その頃、ハーレムを中心とした黒人たちの「ジャズ」は、「裏」のジャズとして発展していきました。
そうして出現したのが「ビバップ」というジャズの演奏スタイルで、
それから「モダン・ジャズ」と呼ばれるジャズが誕生することになります。

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Last updated  June 23, 2008 04:35:50 AM
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