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病理検査の玉手箱

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2014.09.08
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カテゴリ:日誌
follcular_hyperplasia
Follicular hyperplasia
IgG4_immunoreactivity
IgG4 positive cells in germinal center

IgG4関連多臓器リンパ増殖症候群(IgG4 MOLPS)では,末梢リンパ節腫大が初発症状のことがある.従来濾胞過形成やキャッスルマン様リンパ節症と診断していた例を対象にIgG4の免疫染色を行うと,上図のようにIgG4陽性形質細胞が有意に増加していて驚くことがある.

Satoらは,IgG4関連症候群のリンパ節病変の多彩な病理像を5つのパターンに分類し,それぞれの特徴と臨床的な注意点をまとめている(下表).IgG4関連リンパ節症と診断するには,血清中のIgG4値が135 mg/dL以上で,病理学的にはIgG4/IgGnetが40%以上であることが必要であると具体的な数字を提案している.

IgG4関連リンパ節症との鑑別を要する病態として,多中心性キャッスルマン病のようなHyper IL-6症候群を挙げ,後者ではIgG, IgA, IgM, CRPの血清中の値が上昇することや,血小板増多,低アルブミン血症,低コレステロール血症など多彩な血液・代謝異常を呈することに注目すべきであると述べている.リンパ節病理だけでなく,検査値や臨床所見を参考に慎重にIgG4関連リンパ節症の診断を行うことが大切である.

IgG4_related_nodal_pathology

最初に提示した写真は,局所のリンパ節腫大のみで約2年間経過し,胚中心にほぼ限局してIgG4陽性形質細胞が分布していることから,表にあげたType IVに近い病変と考えられる.写真とは別の部位にPTGC-likeの病変もあった.本例が今後どのようにIgG4 MOLPSに発展するか予想はできないが,低用量のステロイドの投与を考慮すべき段階であることは確かであろう.血清中のIgG4値も200 mg/dLを越えていた.

参考文献:
Sato Y, Yoshino T. IgG4-related lymphadenopathy. Int J Rheumatol. 2012; 2012: 572539.
doi: 10.1155/2012/572539.
(JK Chanの論文より深化した実践的な内容かなと個人的に思う)

Cheuk W, Yuen HK, Chu SY, Chiu EK, Lam LK, Chan JK Lymphadenopathy of IgG4-related sclerosing disease. Am J Surg Pathol. 2008; 32: 671-81.





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Last updated  2014.09.09 22:00:56
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