もう…何がなんだか日記

花山さんが財布を届けに行った上に
屋根を修理して卓袱台を修理して美子&かかの雑談を耳にして
…と、小橋家でそれなりの時間を費やしていたのに

まだ帰ってこなかった常子

昨日のラストではノンビリ歩いていたけど
今日は少しバッグを気にするそぶりがあったから
財布を探し回っていたってこと？

それとも財布を落としたのとは別の日ってこと？
日を跨ぐほど悠長ってこと？

そんな神出鬼没な常子だから

花山さんが帰宅したら来客中だというので
ままままさか常子が既に到着！？
と一瞬マジで驚いてしまったじゃないか（笑）

…ひじゅにですが何か？



「君の親孝行を少しだけ手伝ってやるだけだ」by花山



↑何だかんだ言っても結局のところ
常子の雑誌はコレでしかないのね



こんにちは、美子です。

私、何だか最近
自分達の人生が間違っているんじゃないか…
というソコハカトナイ不安にかられています。

でも、気のせいですよね？
絶対、そうですよね？


昨日、とと姉ちゃんから頼まれたんです。
花山さんを篭絡する策を思いついたから協力してくれと。

美子：ま、待って待って！
　花山さんは妻子ある身
　星野さんを一方的に振った後、良い出逢いがないからって
　不倫はやめとこうね！
　私達までとばっちり食ったら嫌だからね！

常子：何言ってんの
　今は、お金儲けのことしか頭にないわよ
　売れる雑誌を作るには花山さんの力が必要なの！

美：何も雑誌に拘らなくても…

常：大口叩いて甲東出版を辞めてきた手前
　この業界で成功してみせなきゃカッコつかないでしょうが！
　花山さんを勧めてきたのはミッチーだから、その手前もあるし
　それで繋がってる間は度々おでんを奢ってもらえるし
　今はこれで行くしかないのよ

美：だって、花山さんは戦争のことでトラウマ抱えているんでしょう？
　とと姉ちゃんに癒してあげる力があるの？

常：そんなもん、朝ドラ・ヒロインならチョロいもんよ
　つーか、癒しが目的じゃないのよ、私ら小橋家が潤うためなのよ
　とにかく、花山さんの珈琲店に小銭入れをワザと落としてきたから
　そのうち届けに来てくれると思うの
　どんな理由でも良いから引き留めて、家の事情をさり気なく伝えてよ

美：どうやって引き留めれば良いの？

常：かかが天然を装うのが得意だから、そこは任せたら？
　一応、西田が気を遣って色々用意してくれてるし

美：用意って何を？

常：家に雨漏りがすることとか
　男手があると良いとか
　花山さんが物をキチンと並べなきゃ気が済まない潔癖症っぽいとことか

美：あれって、エルキュール・ポアロの真似かと思ってた

常：何でも唐突に出されるものは、すぐに使う伏線だってことよ
　前もって仕込んでおくほど西田が頭良いわけないじゃん

美：そ、そこまで言わなくても…


ということで
まんまとハメられた花山さんは家の修理までさせられた上
私とかかのワザトラシイ会話を聞かされる羽目になったのです。

目の前にいる花山さんが花山さんだとは全く気付いていないふりをして
偏屈だの何だのと悪口をまず聞かせたのは
私の推理によると『若草物語』あたりが元ネタではないかと…

時々、何かの言葉の蘊蓄が入ったり
文学者っぽく見せようと見栄を張るのも西田の特徴の様です。

そして勿論、いつもの貧乏ネタもバッチリ。
その鍵は花山さんが握っているとの脅しもバッチリ。
人を取り込む腕前で小橋家の右に出る者はいません。
今迄ずっと、そうやって生きてきましたから。


花山さんに計画を気付かれない様
とと姉ちゃん自身はその場にいない様に気遣いました。
一応、小銭入れを探し回っているという体にしてたみたいですけど
無意識なのか何なのか、ほくそ笑んでるんですものね
花山さんに見られたらどうしようとハラハラしちゃいました。

まあ、とと姉ちゃんのことですから
落としたふりをする＝中身は予め別のところにしまっておく
だったんでしょうね。

かつては毎週、お汁粉デートしていたくらいですから
それなりにポケットマネーはあると思います。

今回、雑誌作りにあたって
貧乏なハズの我が家に、それなりの蓄えがあったことが判明し
視聴者の皆さんもビックリされたことでしょう。
私もビックリしましたから。
密かに貯め込んできたんですね。

多分、まだまだあると思いますよ、あの余裕ぶりからして。

我が家が貧乏というのは嘘じゃありませんが
一般的に言うところとは少しレベルが違うかも？

私達が時々、安っぽく繰り広げる妄想の様な
セレブな暮らしには到達できていないってことですよ。

でなきゃ、他人を誘おうなんて考えもしませんよ。

あ、勿論、お給金のためじゃありませんよ。
次の雑誌を作る資金ってことです。
人の事なんて考えてやしません。

花山さんが「売り上げの一部は貰う」と言った時
嫌な顔してたじゃないですか。
払う気なんてなかった…というより、まるで頭になかったんでしょうね。


とにかく、分かり易いツンデレな花山さんは
分かり難いツンデレ攻撃に弱いんでしょうか
あっという間に懐柔されてしまいました。

男なんてチョロいもんですね。


男っていえば、鞠姉ちゃんの方も
今や水田さんにロックオン！
かなり上手く行っている様です。

花山さんやミッチーに比べると水田さんは堕ちる気がしますが
闇市では顔が利くみたいだし、きっと役に立つと踏んだんでしょう。

とと姉ちゃんより頭が良く思慮深いとされてきた鞠姉ちゃんですけど
実社会においては、とと姉ちゃんに先を越されっ放しなので
唯一撤退した恋愛面に自分は進出してやろうと考えたみたいです。

どっちも「人たらし」という意味では同じですけどね。
あ、勿論、悪い意味です。


私が不安なのは、そんな姉や母の下にいて
私の人生、大丈夫なのかな…ってことです。

皆と違って私は、お祖母様のお菓子で釣る友人関係しか持てませんでした。
鞠姉ちゃんの様に就活さえしてきませんでした。
もしかして、コミュ障ってヤツなんじゃないかと自分で自分を疑っています。

そんな私が…皆に付いて行けるか？って…


えっ？
だからこそ、一人で生きてはいけないだろうから
彼女らにしがみつけば良いって？
花山さんが協力してくれることになったから
雑誌は必ず成功し、お金も入ってくるって？

そそそそうですね。

皆、他人を取り込み、他人に依存ずることで生きてきた人達です。
逆に私が皆に寄生し、夢見ていたセレブ生活を実現させても
何の文句もありませんよね。

ああ、何だかスッキリしました。

これもトラウマの解消って言えるのかしら？
花山さんもすぐに立ち直れるってもんですね。






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