テレビドラマ
ペテロの葬列第4話 杉村(小泉孝太郎)は、バスジャック事件の慰謝料として送られてきた現金をすぐに警察に届けることはせず、現金が入れられた宅配便の送り状を手掛かりに、人質仲間たちと一緒に手分けして送り主やお金の出所などを出来る範囲で調査し、またバスジャック犯が言っていた「三人の悪人」すなわち高東憲子、中藤ふみ江、葛原昭のことを調べることにします。 杉村はまた、本来なら警察にすぐに届けなければならぬ差出人不明の現金を警察に黙って隠し持っていることから、勤務している今多コンツェルンに迷惑を掛けるかもしれぬと判断し、義父であり今多コンツェルンの会長でもある今多嘉親(平幹二朗)に退職願を持って会いに行きます。 杉村から人質たちに慰謝料が送られてきたことを聞いた今多嘉親は、杉村の判断でそれを処理すること、退職願もタイミングを見計らって自分の判断でどうするか決めるように言い渡します。また妻の菜穂子(国仲涼子)には慰謝料等のことを全て伝えるように厳命します。 今多嘉親は、杉村からさらに園田編集長(室井滋)がバスハイジャック事件のときに犯人に対して「あたし、あなたのような人、知っているんです」「嫌いだから、すぐ分かるんです、あなたの同類」と言い放ったことや、人質の中でも彼女がもっとも強いダメージを受け、いまも自宅のマンションに閉じこもったきりでいると聞かされ、自分にも責任があると言い出し、園田が新入社員時代に体験した壮絶な過去について語り始めます。 1960年代から70年代の高度経済成長期、自己啓発セミナーと称する社員教育や幹部教育が大流行で、今多嘉親もフェノミナ人材開発研究所というトレー二ングセンターに新入社員の園田たちを預けます。このフェノミナ人材開発研究所のトレーナは研修者の疑問や反論を一切許さず、特に激しく抵抗する園田を反省室という監禁室に閉じ込め、自殺未遂事件を引き起こします。 このような自己啓発セミナーのトレナーたちの一部が後に金の地金購入契約のようなぺーパーカンパニーをでっちあげ、多数の被害者を生み出します。園田が精神的被害にあったフェノミナ人材開発研究所のトレーナもそのような詐欺グループの一人として自殺していることを今多嘉親は後に警察から知らされたそうです。 今多嘉親の推測によると、バスジャック事件を引き起こした暮木一光(長塚京三)もそのようなトレーナ崩れの詐欺グループの仲間だったのではないかと言うのです。 またサブストーリとして広報誌「あおぞら」に左遷された井手正男(千葉哲也)が今多嘉親の右腕として今多コンツェルンの発展に尽くして今は引退している森信宏(柴俊夫)を担ぎ出そうと画策する動きや、詐欺師の高越勝巳(水橋研二)の被害者の足立則生(渋川晴彦)が高越の内縁の妻の井村絵里子(入山法子)に高越の正体を伝えようとする姿も描かれています。