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カテゴリ:鹿児島
みなさん、こんばんは、やまももです。
「わが胸の 燃ゆる思いに くらぶれば 煙はうすし 桜島山」という歌をご存知ですか。この歌を詠んだ人は、自分の心のうちに燃えるような熱き思いと鹿児島の桜島の噴煙とを比較し、自分の思いの方がずっと勝っていると言っているのですね。 私は、この歌を最初に目にしたとき、てっきり恋愛感情を詠ったものだと思ったものです。ところが、海音寺潮五郎の『西郷と大久保』(新潮文庫、1973年6月)を読んでいましたら、そこに幕末期の福岡藩藩士の平野国臣が鹿児島城下に入ろうとして許されず、伊集院でこの歌を詠んだらしいということが紹介されていました。 彼は尊王攘夷思想の持ち主で、井伊直弼が桜田門外の変で暗殺された後、薩摩藩の協力を得ようと密入国して来たのですが、幕府の追及を恐れた薩摩藩によって領国外に追い返されているのですね。そうすると、この歌は恋愛歌ではなく、平野国臣の尊王攘夷への熱く激しい思いを薩摩藩の統治者のそれと比較して詠ったもののようですね。 なぜこんな歌を紹介したかと言いますと、めどうさんのブログ「鹿児島ふるさと便り♪」の3月20日の記事で、激しく噴煙を上げる桜島の写真を拝見することが出来たからです。なお、めどうさんは「こんなに大きな噴煙を上げている桜島を見たのは、久々だった。28年もの間故郷を離れていたので、我が目で直接見たのは10代の時以来ということになる」と書いておられます。 もし、平野国臣がこんな大きな噴煙を見たら、「わが胸の 燃ゆる思いを あらわすか 煙ははげし、桜島山」と詠ったことでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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