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ポンコツ山のタヌキの便り

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2016年09月03日
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 内川さんの数少ない自慢の一つが入院するような大病を患ったことがないということでした。しかし、内川さんはフ2008年4月初旬から前立腺肥大と腎不全を患って、鹿児島市立病院で一ヶ月余りの入院を余儀なくされました。そしてこの入院体験から内川さんはろいろ貴重なことを学ぶことができました。

 内川さんは団塊の世代ですが、一人の患者としては生まれたばかりの赤ちゃんと同様の治療や看護も受けねばなりませんでした。ですから、恥や外聞などにはこだわっておられません。この体験はかなりキツイものがありましたが、また本などでは絶対に学べないことを身をもって学んだようです。

 病室は六人部屋だったのですが、患者さんの入れ替わりが激しく、内川さんいろんな人と接することが出来ました。患者さんの年齢も高齢者が多く、彼の近所や職場ではあまり耳にしない鹿児島弁のネーティブスピーカーたちのディープな会話のなかに身を置くことできたことも、彼にはたいへん貴重な経験だったようです。その頃、自民党から民主党への政権交代の可能がさかんに取り沙汰された時期だったこともあり、一人の患者さんが何かというと他の患者さんに議論をふっかけ、激しく民主党を批判していたものでした。そう言えば、翌年2009年8月の総選挙で民主党が単独過半数を占め、9月に民主党政権が誕生しています。

 しかし、内川さんにとって何よりも貴重な体験は、彼を温かく看護してくれる妻や長男との絆を深めることができたことでした。なお、次男は関西の大学に入学したばかりの時期だったので、心配を掛けまいと連絡しませんでした。しかし内川さんの奥さんは、夫の内川さんの看護のみならず彼の父親の世話もしなければならず、さらにまた内川さんの亡くなった母親の愛犬の朝夕の散歩も欠かすことが出来ず、仕方がないので明石で働いている長男に連絡して応援を頼まざるをえませんでした。

 長男は職場の上司に頼んで長期休暇をもらい、内川さんが手術後に病院の個室暮らしをしていたとき、夜もずっと泊まり込んでくれたました。内川さんは奥さんと長男の親身の看護に本当に感謝でしたものです。


 なお後日、内川さんは奥さんからつぎのようなことを言われたものです。内川さんは個人病院で前立腺肥大の手術を受けたのですが、術後の予想外の出血多量による市立病院へ緊急搬送され、麻酔の影響で妄想幻覚に陥って訳の分からない行動をとったり、市立病院から退院して職場復帰後も個人病院での週三回の透析治療中に急に心不全を起こしたりと、その都度病院から緊急の呼び出しの連絡が受け、奥さんは「言いようのない不安な気持ち」を味わったそうです。「私のこんな気持ち、あなたには分からないでしょう」と言われ、内川さんは奥さんのそんな気持ちを思いやることもなかった夫としての無神経さ、鈍感さに愕然としたものでした。
                                                                
                         2008年05月24日






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最終更新日  2016年09月04日 13時51分56秒
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