単純化する世界
9月11日の日記で、20世紀に入り農産物の75%の種が絶滅したこと、日本の米も約3,000種類もあった品種が現在では70種ほどしか流通していないことをお伝えしましたが、鹿児島県の口之島牛やトカラ馬、長野県などの木曽馬のような地域固有の家畜品種も絶滅の危機にあると新聞が伝えています。熊本日日新聞→固有家畜に存続の危機 毎月1種が絶滅と警告 国連食糧農業機関(FAO)の報告書によるもので、「世界各国で減少、ほぼ1カ月に1種という急激なペースで絶滅している。世界各国には確認されただけで7600品種を超える牛や馬、豚、家禽などが存在していたが、既に牛だけで200品種以上、全体では680品種以上が絶滅。」ということです。気になるのは、「環境破壊や経済のグローバル化によって」という部分。「現代の食は、多様化しているようで実は単純化している。」「選んで食べているというより、食べさせられている」というのは、すでにこの日記に書いたことですが、「市場原理主義」がもたらした負の部分です。ただ、こうしたことを「負」と考えるかどうかは人それぞれでしょう。地域固有の家畜品種が絶滅することに、何の危機感を持たない人は多くいることでしょう。説明することも難しいですしね。単純化していく社会の中で、人の顔も表情がなくなり、だんだん同じような顔になっていっているという感じがして寒気がします。