テーマ:沢登り(77)
カテゴリ:沢登り
黒部に通った志水哲也氏は、お散歩感覚でこの谷に入り、途中から尾根へ抜けている。ならば我々はもう少し先まで進もう。できれば稜線か鞍部まで達したいという気持ちで入渓した。
宇奈月トンネル出口(宇奈月温泉側)から見える、五千僧の滝。入渓地点である。右岸に残置ロープがある。 小滝が多くて面白い渓相である。ロープを使うとしたら高巻きの一ヶ所だけである(後述)。 前夜に会館で飲み過ぎたもので、登りのことは余り記憶にないのだ。写真は撮っているのだが枚数はいつもより少ない気がする(余裕がない)。 イシワの大滝である。高さは20mと推定。右岸のルンゼからロープを使ってトラバースし、潅木から支点を取って懸垂下降した。 二股。 今にも崩れそうな雪ブロックの脇をそろりそろりと歩く。 水量は減り水温は一気に低下する。1000mにもならない標高であるが、残雪は豊富である。 イシワの大滝以外は、ロープを出すことなく自力で登攀した。下りも同様。しかし登りよりも緊張を強いられる小滝が多かった。 稜線まで数十メートルを残して「井戸の底」が現れる。急斜面のルンゼはどこも泥付きで支点はない。これを見て納得の下降。 イシワ谷最上部は、雪渓に埋め尽くされていた。バックステップで慎重に下りるのもアリな角度だ。 イシワの大滝は、ダブルロープで懸垂下降する。写真で言う左側(滝壷側)に振られないように注意する必要がある。 イシワの大滝全景。比較するものがないと小さく見えるが、見下ろしたり人がいたりすると意外な大きさであることが分かる。 滝壷にぎりぎりまで近づき、飛沫を浴びながら水流を写真に収める。この後は湿気と水滴がレンズから取れなくて、ぼやけた写真ばかりになってしまった。 谷の中で見た生物は、カエルだけである。かなり注意していたが魚影は確認できなかった。 車に到着。半日で終わるお手軽な遡行である。しかしそれなりの密度はあるので面白い谷だと思う。 入渓地点の五千僧の滝は、午後になると日差しが差し込み輝きを増した。 天然記念物の十字石は、残念ながら発見することはできなかった。どの辺りの標高に露岩があるのか見当が付かない。海岸の砂浜から宝石を探し出すようなものだ。情報が少なかった。 コースタイム 6:30 250m 入渓。 6:58 350m 堰堤を二つ越える。 7:30 480m 休憩。小滝が多くて楽しく遡行する。 7:57 560m イシワの大滝。右岸のルンゼから草をつかんで斜面を這い上がり、潅木に支点を取ってトラバースする。そこから懸垂下降。 8:52 585m 登攀終了。 8:56 605m 二股。 9:17 680m 雪ブロックが谷の中に現れる。崩壊におののきながら脇をそっとすり抜ける。 9:23 695m 二股。右俣へ入る。どこからやってきたのかコーヒー缶が転がっている。 9:36 760m 二股。左股へ入る。 9:56 785m 沢は雪渓で埋まり水が消える。その先で左股へ入り雪上を歩く。 10:00 810m 三方が泥付きルンゼとなっている「井戸の底」で行き詰まる。ここで遡行は終了だ。下界にガスが湧いてきた。 10:25 685m 往路下降、雨が降ってきた。 10:39 600m 二股。 10:43 580m イシワの大滝を懸垂下降する。岩が濡れており足を滑らせると落ち口の方へ大きく振られてしまうので慎重に下降した。 11:08 560m 全員終了。 11:13 535m 三股地点であるが、分かりにくい。 11:49 370m 上部堰堤。下部堰堤まで来たら大休憩する。 12:20 355m 出発。 12:43 260m 道路に到着。最後の五千僧の滝では、残置ロープを使った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014/07/14 11:27:02 PM
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