『百年法』 山田宗樹
『百年法』 山田宗樹を読みました。読み始めてSF映画の世界のような小説というか映画みたいな話だなと思いました。人間がHAVIというものを受けると、その年齢から永遠に容姿が変化せずずっと生きていられるという社会に、百年法という法律をどう決めるかというのが前半の話です。人が長くいき続けることにより社会の新陳代謝が行われないという問題が出てきて百年法の施行に奔走する遊佐室長と当時党の党首であった牛島がだんだん変わっていくところなどはおもしろかったです。下巻くらいからは、百年法は決まったけれども新たな問題がまた発生し、その問題に取り組む遊佐首相と牛島大統領のやりとり、百年法の拒否者の団体組織、権力を求める人の話など複雑になってきますが、最後は新たな難病が出てきてうまく話がまとまります。ここまで風呂敷が広がってしまってどうなるのかなと思っていたのでラストは上手いなと思いましたが、小説の内容はSF映画みたいですごくエンタメ要素の強い内容でした。斬新ですが、好みが分かれそうな内容だったなーと思いました