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ヤ ン パ の ク ニ ャ ン に ょ

カモネギイルボンサラム。



「アナタガタ ニホンジンデスカ?」
明洞で「偶然」会ったふたりは大学で日本語を勉強しているという。
居酒屋(←こう言った)でお酒でも飲んで、私たちとお話ししませんかと言う。

これまたほかのアジアだったら黄色い信号がピッコンピッコン点滅するはずなのにそこはソウル。どう見てもふたりは気のいい千葉と福島から上京したての日本人というイメージだ。

どうするMさん?いいんじゃないヤンパちゃん。

そんな会話でも交わされたかどうか、ふたりが止めたタクシーに乗り込む私たち。(ん?居酒屋はタクシーに乗っていくところなの?)

タクシーは凍てついた夜のソウルを文字通り滑るように走る。
大きな川を渡ったところで私はこのクルマが江南(カンナム)に入ったことを知る。
頭の中におおざっぱなソウルのマップが入っていたからだ。

ついたところは狎鴎亭洞(アップクジョンドン)。
その昔、朝鮮王朝のころ、中国からの使者をもてなす亭=あずまやがここにあって、当時はまだカモメ(鴎)が上がってきていたのでこう呼ばれたなんてことは、今のソウルっ子でも誰も知るまい。

カモメを狎(な)らす亭 で、アップクジョンなのだ。

そのとあるクラブに入って行くひとり。やがて手をふりふり「ココハ ダメ」と出てくる。
そして何やら暗くて広いスナックへ。
「ココ イイデスヨ ココニ シマショ」

暗くて静かで誰もいないスナック。
Mさんは気にするそぶりもなく一番奥の個室にむかっていく。


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