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開催中の展覧会の会場で、チェロの現代曲の演奏会があるという話を聞いたので出かけることにした。内容が、謎のまま同行したら、ジョバンニ・ソッリマという人の「ヨーゼフ・ボイス・ソング」という作品を中心にしたコンサートだった。
ソッリマの生の演奏と録音されたスピーカーからの音がポリフォニックな空間をつくる。音にエッジのきくべきパーツをおもにソッリマが生で演奏して、なめらなに広がる音がスピーカーから重なる。ときにこれが逆転する瞬間がおもしろい。 機材と身体の共犯関係は絶妙だが、スビーカーが打楽器になるとき共犯の緊張感がやや揺らぐと私は感じた。打つ音は曲線に対して即興的に叩き込まれなければ、音のつながりに対して予定調和的にしか聞こえないからだろう。 チェロってほんとうは打楽器なのだと教えられた。 ソッリマは1962年シチリア生れと書かれている。演奏中の表情が十代から老人までを行き来するように変化して見えた。シチリアの土臭い路地を赤ワインに泥酔して歩く遊び好きのソッリマが脳裏に浮かぶ。ザ・フェニックスホール、本当に楽器の音の聞こえるよい音響だった。そして、ソッリマの熱演。よい音楽のあとに、ちょっと濃いワインが呑みたくなって同行者を誘った。ワインはジンファンデル。シチリアのワインではないけれど、ソッリマにはベストマッチだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年10月05日 01時42分47秒
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