無農薬栽培の工夫と考え方。

アルバム名:無農薬栽培の工夫と考え方

日時   :5月5日

場所:趣味のyasu農園




  今や無農薬・有機栽培の野菜は大人気で、インターネットで検索しようものなら、物凄い数の通信販売のHPが飛び込んできます。残念ながらHPをのぞいて見ても、企業秘密なのでしょうか、実際にどのようにして無農薬野菜を作っているかを具体的に説明しているHPは非常に少ないようです。
 それでは、果たして本当に無農薬・有機栽培の野菜作りは可能なので しょうか?私は、今の価格破壊の競争経済の中で、採算が取れるのかは非常に疑問ですが、工夫と手間隙をかければ十分可能だと考えています。
 無農薬栽培でまず念頭に置かねばならないことは、防虫ネットや捕殺、木酢液やストチュウ等の散布、コンパニオンプランツなどでは、農薬のような絶対的な効果がないと言う事です。極端に言えば、虫さんの食事用にに30%、せめて70%は人間用に残してください。というような共存意識が必要なのではないでしょうか。だから私のやり方では営業では絶対に成り立たないですね。
 まず、野菜の中でも害虫がほとんど寄り付かず、楽に無農薬栽培の出来る野菜が結構多いです。また、その反面まるで周りの害虫を呼び寄せるような、無農薬ではどうしようもない品種もあります。また、野菜の中でも背丈の低い野菜、背丈の高い野菜があり、害虫の中でも、手で捕殺できるような大きい害虫、アブラムシのように非常に小さい害虫があります。それによって対策も違ってきます。
以下当園の無農薬野菜の作り方の実際を紹介します

 

野菜の中でも、虫が寄り付かない野菜や多少食害されるが無農薬で栽培できる野菜が結構あります。
 写真のレタスやサニーレタス等はチシャの仲間でまず虫にかじられません。その他にジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、エンドウ、キュウリ、トマト、ナスビ、ピーマン、ニラ、メロン、スイカ、マクワ、カボチャ、ほうれん草、イチゴ、ニンニク、ミズナ、ゴボウ、キクナ、アスパラ、セロリー、ミツバ、シソ、モロヘイヤ、ショウガ、オクラ、など結構たくさんありますね。これらを中心に栽培するのも無農薬
栽培を可能にする一つの方法と思います。


上の野菜とは正反対に、写真のキャベツのように周囲の害虫をまるで引き寄せているように虫がつく野菜があります。これらは、営業の無農薬栽培者なら、まず、手を出さないほどの害虫が好む野菜です。写真左のキャベツやハナヤサイコマツナ、チンゲンサイ、トウモロコシ、ハクサイ、山東白菜、三度豆、ソラ豆、くらいですか。先に述べた虫のつかない野菜に比べると,意外に少ないでしょう。ですから、これらの問題になる品種を集中的にいかに被害を少なくするかの対策を講じて対応しています。


写真はキャベツとトウモロコシの防虫ネットによる栽培状況。ニンニクエキス入りのストチュウを数回散布後に,防虫ネットで密閉して栽培しています。良品率は70%前後で30%は虫さんのお食事用となっている。とても営業では採算が取れない。トウモロコシの虫に食害されたものも、良いところだけをバラして冷凍してサラダに使う。だから実際には虫に食われたものだけが被害。


 もう一つの方法は、冬野菜などでは出来るだけ種の撒く時期を遅らせて、虫の最盛期をずらす事です。はくさいやキャベツなども近隣の畑より二週間は遅らせています。そのかわり、腰にマルチをして地温を上げ、あとから追いかけます。勿論品種も考える必要があります。写真はハクサイ、キャベツの防虫ネット栽培ですが、土の中には、ヨトウ虫がたくさんいますが、時期をずらしていますので、ほとんど上まで上がってきません。勿論これもある程度は害虫にやられますが…趣味だからこそ出来ることかもしれません。


 もう一つ効果のあるのは捕殺です。害虫でも大きい虫と小さい虫とでは対応が違います。写真はサトイモにつく害虫ですが、これくらい大きいと基本的に手で捕殺できます。
 キャベツのアオムシなどは一日で数百匹捕殺します。これを一週間も続ければほとんどいなくなります。次のサイクルのアオムシは控えていますが。捕殺は一番確実な駆除方法ですね。


アブラムシなどの手で捕殺できない小さな害虫は、ストチュウにニンニクを漬けた液の散布と防虫ネットで対応していますが、この方法では、100%は防ぎきれていません。
70%前後の良品率で、虫との共存くらいの気持ちでいます。写真左はチンゲンサイの防虫ネット栽培。害虫に食害されているものも多いようです。


 写真はマリーゴールドです。コンパニオンプランツ(共栄植物)です。植物同士で相性が良くて成育に良い影響を与えたり、害虫や病気の発生を減らしてくれるものです。
 一般的には、トマトにニラ、キュウリやスイカにはネギ等が良いとされています。また、バジルやミントなどのハーブ類も独特の強い香りのため害虫が嫌がると言われています。
どちらにしても、コンパニオンプランツと野菜の生育期をあわせねばなりませんので、まだまだ研究中の段階です。

















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