テーマ:お葬式あれこれ(41)
カテゴリ:お葬式
今日はオフの筈だったのに、どうしても人が足らんということで、通夜に入ることになった。
仕事も大事や。気張ってまいろうぞ。 昼間、昨日の遅れを取り戻すべく、諸々家事をとっとと済ませ 稽古や、稽古!音響編集も、まだやった。これ、絶対今日中にやりきる!! そいで、葬儀日誌アップしたい。 命日は過ぎてしまったが、とっても忘れられないご夫妻の御霊供養をしたいねん。彼岸やものな。 更新、諸々用事済んだらとしよう。 時刻9時30分に記す 1-------------------------------------------------------------------------- 時刻20時30分帰宅 はい、今日もええお式でございました。ほっと一息・・・ええ感じです。 音響編集も完了!今日のノルマは、この後、葬儀日誌を書き上げるのみ。 故人のご命日は、実は数年前の3月7日やった。ご葬儀の日が今日やった。 ほいでも来年のご命日まで、とっとけないねん。 まぁ予告してもうたし、とにかく書きたい気持ちで一杯や。今日語る。 これ書かんと、今日寝られんからな。日付変更線との戦いや。 ほいでは後ほど。夜更かし苦手なお方は、明日の閲覧を・・・ 2-------------------------------------------------------------------------- 故人はご夫妻である。 奥様が先やった。恵様、享年83歳 2月27日ご永眠 告別式3月4日 喪主はご主人・福○様。けれど、憔悴しきっており、喪主とは名ばかり。 実質の喪主はご長男であった。某中学校の校長先生である。 故人のお年からいったら、会葬者はそれほど多くないものだが ご長男の顔でざっと200名は越えるほどだった。 家庭葬が主流になりつつある昨今では、立派なもんや。 真言宗・智山派でおつとめ頂いた。 戒名【寿○桃恵】桃の節句にちなんだ慈悲深く、恵み多き戒名である。 初めて身内のご葬儀を出すこととなったご長男である校長先生は 悲しみを感じる暇などなく、むしろ意気揚々と会葬者に気を配られ ともすると、得意気に見えるようであった。 母上を偲ぶなんて、これっぽっちもないように、無責任な赤の他人には見受けられた。 その影で、心から深い悲しみにくれ、哀悼の意を捧げていらしたのが、ご主人福○様。 端で見ていても、今にも崩れそうなほど、痛々しいお姿であった。 吾はこのおじいちゃんが無性に心配で、葬儀中、ずっと目を放せずにいた。 それが、虫の知らせだったのだろうか・・・ 3---------------------------------------------------------- 3月8日の朝刊に『88歳男性。7日未明、自宅全焼で焼死』という記事があった。 小さな記事であったが、何故か引き込まれるように目についた。 読んでみたら、福○じいちゃんのことや。ショックだった。 恵様の告別式に、目を離すことが出来なかった福○じいちゃんや。 あの日のあの姿が、吾にとっては最初で最後に見る福○じいちゃんの姿やった。 まるっきりの他人やったが、ほいでも一時を共に過ごしたものとして、とても悲しい気持ちやった。 お葬式は?瞬時に浮かんだ。吾、やりたい。やらせていただきたい。 でもな、婚礼と違って葬儀って急やろ。 指名なんてことは、めったにありえない世界や。 自分から言うのもなぁ・・・それに同じ葬儀社を使うかどうかもわからんし・・・ と、気になりながら、日はどんどんと過ぎていき・・・ あぁ、きっとどなたかが温かくお送りいただいたのだろうと、忘れかけようとした時やった。 事務所からの連絡があったのは3月12日。なんと吾の誕生日。縁やなこれ。 『先日の○○家の葬儀覚えているか?今度はそこのご主人の葬儀がある。 ○○家から同じ司会者でお願いしたいと指名が入ったので、19日空けといて』 もちろん引き受けましたとも。その日、オフ日にしてたが、休み返上で担当させて頂いた。 今度こそ喪主は名実共に長男の校長先生や。 だから、ご永眠なされたのは7日だが、卒業式やらなにやら 喪主の都合で、19日のお式となったようだ。 しかも焼死体の上、損傷もひどかったようなので、すぐにお骨にされ葬儀は骨葬となった。 ほんとに福○じいちゃんの顔を見るのは、恵様の葬儀の日が最後やった。 4-------------------------------------------------------------------------- でもな、長男校長さん。なんか変わってたなぁ・・・ 今度こそ深い悲しみに浸ってる感じがした。人の温もりがこの人にもあるんやと・・・ 多分だが、告別式をこんなに遅らせたのは、卒業式はもちろんだが、世間体もあったかもしれん。 会葬者は、恵様とはうってかわって、親族のみの18名。 だからこそ、ご長男はゆっくりと父親である福○様と向き合い 父のこと、そして改めて母のことを、ゆっくりと偲ぶことが出来たようだ。 お顔の表情は、母親の時とは、全く別人のようだったなぁ・・・深い憂いと感謝の表情や。 なんとも不運な焼死ではあるが、福○じいは、もしかしたら恵様のあとを追ってしまわれたのか… それだけ仲の良いご夫妻やった。米寿の御歳まで、誰に介助を得る事もなく 毅然と生き抜いてこられたじいちゃんを襲ったのは、病などではなかったんよね。 これも見事な生きざまだと、吾は思う。愛していたんやな、この歳までずーっと。 この日は【福○様のお別れ会】と開式した。葬儀とはいいたくなかったんや。 お骨になってもうたからな・・・ 春を憂う生花に飾られた祭壇には、福○じいの遺影と恵様の遺影。 そして、ご夫妻の位牌も、仲よう並べて飾られたんやで。 『ええなぁ… 羨ましいぞ、福○じい。あの世でも仲ような。迷わず恵様のところへいくんやで』 そう、心の中で語りかけた。 そしてまた、恵様も、この日初めて成仏できたような気がした。真心で送られてな… 福○じいの戒名は【忠○燈福】夫婦の位牌を仲よう並べるとな 【忠○燈福】 【寿○桃恵】 ほら、福に恵まれるとなるんや。なんて粋な計らいをする坊さんや。もう涙でたで。 残された身内にとっても、最高の癒しになるもんな。こんな素敵な戒名。 ご夫妻は、いついつまでも一緒やで。凄いのう…愛ってほんとに素晴らしい… 長男校長先生にとっては、唯一の師であったであろう父との永遠の別れである。 福○じいの戒名に【燈】の字があったやろ。ほいでこの時期や。 咄嗟に喪主に捧げたくてな。両親は今生の卒業式を迎えたんや。仏の国へ仲よう入学やぞってね。 だからお別れのお花入れの時には【蛍の光】 そして出棺時には【仰げば尊し】を流した。(共にJAZZピアノバージョン) 喪主様が、ゆっくり頷いて下さった時、吾の中でも福○じいがそっと微笑んだ気がした。 今頃はご夫妻仲よう、彼岸の膳に呼ばれているかもな・・・ 冥福を祈り上げ、ここに記す―――合掌――― 完:3月19日時刻23時50分(日付変更線・ぎりぎり間にあったぁ!) 【追記】公演チラシご覧頂きご訪問の皆様へ 公演情報は、カテゴリの「二人羽織とはず語り・稽古日誌」をご覧くださいまし。 尚、チケット予約は、ホーム欄、右横のメッセージを送るをポチっと。 そこから吾だけが閲覧できる私書箱に通じまする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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