テーマ:表現者、集まれ~(263)
カテゴリ:「二人羽織とはず語り」公演日誌
6月24日だ・・・ 1969年の今日 一人の20歳の女性が鉄道自殺をしちまってから 36年の歳月が流れた。 生きていれば56歳。 彼女は、生き抜いていける筈だった・・・ ボタン一個かけまちがえただけ・・・ そう、歯車がほんの少しずれちまっただけで あっけなくいっちまった・・・ 自殺するものに思慕の念なんて・・・ そう思うのも自由です。 だけど吾は、心を寄せまする。 そこから、生き抜く力の源を得る者として・・・ ☆ .。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆ “表の顔と裏の顔”と言うコンセプトで立ち上げた 今回の玲と弥々のユニット公演【二人羽織・とはず語り】 2回目は、阿佐ヶ谷にある名曲喫茶『ヴィオロン』にて去る6月20日に開催。 来場者数23名。【3月飯能公演】とほぼ同じくらいの動員。 これ以上だと、酸欠状態になるほどの小さなお店。 まずまずの入りに、玲とふたりで満足する。 一部がメインでもある弥々は、開演前、もはや独り篭りの猫↓ ≪二部構成≫ 一部は個人演目 といっても、悦子に集中したい玲は、前説をあえて演目に仕立て 客いじりを交えながら、ライブならではの活気を呼び覚ます。 いつもながら、ええ感じの前説だ。 その中で、ブログにも紹介された『だあれも知らない話』と言うのを披露! 掴みはOKというところで、弥々の出番。 1------------------------------------------------------------- 客との呼吸・間合いを計る為に、他愛もないおしゃべりを交え いきなり語りだしたのがこの作品~ 『鳩は利口です』 上野の東京文化会館の裏手に、大きなイチョウの樹が立っていた。 その幹をかこむように幾つかのベンチがあった。 私はしばらく時間があるので、そのひとつに腰をおろした。 ふと見ると、すぐ左のベンチに異様な人物が座っていた 髪はモジャモジャ、鼻筋のとおった赤黒い顔は ほおもあごも鬚におおわれていた。 その人は、鋭い目を地面に向けたまま ロダンの「考える人」のように全く動かなかった。 その人のカーキ色の背広の襟は垢で黒光りしていた。 首にかけたタオルにも汚れがしみこんでいた。 不意に可愛い子どもの声がして、2人の幼児を連れた若夫婦がやってきた。 弁当を広げるベンチを探している様子だった。私はベンチを譲った。 そして少し躊躇したが「考える人」の座っているベンチに腰をおろした。 「失礼します」「・・・・・」「いつも、ここに?」 その人は、話し始めた。 終戦後イルクーツクの収容所に送られ、共産主義の洗脳を受けた。 帰国したら妻も子も母も、そして2人の妹も原爆で亡くなっていた。 天蓋孤独の身で北陸を行商中に電気工事の穴に落ちて骨折 ひざが曲げられなくなった。曲げられれば、くず拾いぐらいはできるのだが。 話を聞きながら私は思った。 「この人が、いまこうしているのは、格別に運が悪かった為なのだ」 その人はいった。 「鳩は人間より利口です。 人間は私の格好を見ただけで恐ろしい人と思いこんで近寄りません。 鳩は違います。・・・・・でも、いいのです。 自分も見る人の立場だったら、避けるだろうと思いますから」 こんなにゆかしい人を、私は避けようとしていたのだ。 「鳩は利口です」はいつまでも耳から離れない。 (原文掲載・実際はもっと口語調に崩して語る) 2------------------------------------------------------------- このお話の作者はこんな人 【金光達太郎さん】の紹介 大正15年、東京生 東京大学卒、農学博士 千葉大名誉教授 (緑地環境工学) 金光さんの書かれたショートエッセイはどれも 思わず頷いてしまうものばかり・・・ そのなかで、表と裏の顔について、無理のないトークで繋げられる事を前提に この作品に決めたのだ。 人は、話してみて付き合って見なければ、その人の本当の良さは わからないものだと言うお話・・・ ヴィオロンのレトロな空間に、嵌まってのう・・・ ええ感じで語らせて頂きました。 そして、そのまま簡単に衣装チェンジをして・・・ もう一つのお話。 がらっとテンション変えて・・・ 3------------------------------------------------------------- ここでサンダルを脱ぎ捨て裸足になって・・・ ストーリーテリングではお馴染みの作品 【エパミナンダス】を披露。 V.I.Pのケラさんが紹介してるからご覧あれ これは究極の、裏表のないおめでたい、あほんだらチックな男の子と お母さんの根比べがおかしいお話や。 2作品披露の後、休憩。この後、いよいよ第二部 『二十歳の原点』を上演 ~ つづく ~ ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆♪☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆♪☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆ 【繋ぎ】 思慕の念でつながれて・・・ 阿佐ヶ谷悦子追悼ライブにお越し頂いた方が 公演の感想日記を書いてくだすったようで・・・ 二部更新までの間、興味がございましたら 今回の公演がらみの日記を閲覧くださいまし。 【hal(泣くやー)さん】 【豊田基さん】 【ポテコロ♪さん】 【kei1830さん】 さらに、お時間ございましたら・・・ 今回の公演をより掘り下げてみたい方は・・・ これまで、吾が書き連ねた日記をどんぞ~ 【悦子に寄せて】 【吾の心、吐露日記】 【稽古日誌vol.3】 【阿佐ヶ谷追悼ライブ・繋ぎ】 【飯能公演・後記】 相方・玲の公演後記は【こちらから】 今日は玲と二人で、悦子追悼の会。行ってきます。 完:6月24日未明 [晴れ32.8/21.4:42.5/8.9/1073/36.4] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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