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カテゴリ:お遍路
【5月18日】
午前2時。仔犬が顔を舐めて起こしにくる。 時計を見て「勘弁してくれよ」と独りごち、再び横になる。 午前5時、起床。 荷物をリュックに詰めようとしていると、机の下に黄色い線があるのを発見。 よく見ると仔犬がオシッコをした跡だと判明。 ゲッ!起こしに来たのはこれだったのか!と今更解っても後の祭り。 とにかく処理せねば。。。 食事を終え、午前7時出発。今日は土佐最後の寺、39番延光寺へ。 そして、そのまま宿毛市内へ入り仔犬を預かって貰えるという、 《道の駅 宿毛のもくもく屋さん》へというコース。 愛媛のおばちゃんと一緒に歩く。 相変わらず仔犬を抱えて歩くので、気を使うのと重さで途中の休憩が多くなる。 仔犬はよく上を見上げて何か言いたげに見つめてくる。 そんな顔をされると、情が移るからやめて欲しいが、なにしろ可愛い(*^_^*) しばらく歩いていると仔犬が「キューッ!」と哭くので、オシッコかなと思い下ろしてやる。しばらく歩かせるとやっぱり。 この子、ひょっとしたら賢いんじゃないか?その後もウンチも事前に知らせる。 しばらく歩いているうちに、愛媛のおばちゃんと休憩のペースが合わなくなってきたので、 先に行ってもらうことにする。 途中、仔犬を連れたお遍路が珍しいらしく(当然かf^_^;)、 犬好きの人が車を停め事情を聞きにきたり、休憩中に話しかけられたりするので、 その都度飼ってもらえないかとさりげなく聞くが、即決には至らず。 《道の駅 宿毛のもくもく屋さん》に預かってもらうので、 もし飼えそうだったら、そちらに連絡してもらえるようにと告げる。 午前10時半、延光寺着。 お参りを済ませ、ベンチで休んでいると、一人の青年に 「犬の事を伺っても良いですか?」と話しかけられる。 彼の名前は由良君。東京から来た22歳の爽やか青年。全て野宿で回っている強者だ。 僕が出逢う野宿の若者はみな男前で爽やかだ。 彼はペットショップでバイトをしていたらしく犬の扱いに馴れている。 仔犬は安心して由良君の脚の上で熟睡(笑) 由良君と僕はどちらともなしに、お互いの話をしだす。 彼はサウスポーのプロボクサーで、今は利き腕を痛め、我慢の時期であるらしい。 スーパーフェザー級 戦績は3勝1分。 男前で物腰が柔らかく、しかも強い。性格も純粋で頼りがいがある。非の打ち所がないぞ(笑) その彼がどうしてお遍路を? いろいろ話していると、お遍路に来た理由が僕のそれと酷似している事にお互いビックリする。話せば話すほど、「なんなんだ?この出逢いは!」と二人で不思議がる。 つまるところ、結局《縁》だなあとなるのだが。 彼も、お遍路中普段ならあり得ない事が起こっているという。うーん。 「これは、帰ってから人に言っても信じてもらえないかもなあ」と。 彼は野宿なので、今日僕が泊まる予定の《道の駅 宿毛》に一緒に行こうということになり、のんびり向かう。 歩きながら、中身の濃い話を続ける。いろんな事を話していると、考え方まで似ている事に驚きを通り越し、なんだかもう、それが当然だという気すらしてくる。 休憩中、由良君が「仔犬に名前をつけませんか?」と提案。 僕は情が移るのを恐れて、名前をつけてなかったのだが、それもいいかもなと自然に思う。 「メスなので〔くもも〕ちゃんでどうですか?ちょっと簡単すぎるか」と彼が言う。 「いや、初めに閃いたのが結局良かったりするやん。それで行こ。語感もいいし。」 なんかぴったりな気がする。 仔犬の名前は〔くもも〕に決定! ゆっくり歩いて、道すがら〔くもも〕がオシッコを伝える事に、 ペットショップで働いていた由良君はビックリする。 この時期の子はそんな事出来ないという。 なんだかんだ話すうちに《道の駅 宿毛のもくもく屋さん》に到着。 つづく 写真は僕の脚に頭を突っ込んで寝るくもも。 犬は寝るのが仕事! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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