美術館・画廊メモ 8平成23年2月24日から4月1日までの美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。各項冒頭の6桁の数字は日付です (例: 220108 = 平成22年1月8日)。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。 このひとつ前の 平成23年1月1日~2月23日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 7 にあります。 このひとつ後の 平成23年4月2日~5月21日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 9 にあります。 230401 MY Harmonious Exhibit 2011 石橋ユイ 小岩敬之 真条彩華 @ Shonandai MY Gallery (1年ぶりにお会いした真条彩華さんの新作 「還(かえ)る」 を破格のお値段でわけていただいた。Kvardek mil enoj. きょうはオープニングパーティーで、3人+1人の作家、それから画廊オーナーの山本ご夫妻とも楽しくお喋りして、最高の晩になった。) 230401 山本晃代(てるよ)展 @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目) (和紙で油彩とは…。油絵具は当然に裏映りする。作品は、その裏映りを鑑賞する。山本晃代さんのオリジナルの手法。絵を和紙でサンドイッチにし、ガラスに挟む。両面から、微妙に違うふたつの絵を楽しむのです。) 230401 無題に遊ぶ 滝口和男展 @ 日本橋高島屋8階美術画廊 (トルソのデフォルメのようにも見える黒い陶の花瓶群。無題と言いつつ各作品を、躍動する書とセットで展示。じつは無題ではないのよね。) 230401 岸野圭作展 @ 日本橋高島屋8階美術画廊 (六曲一隻の屏風3点をはじめ、みずみずしい色彩の日本画。) 230331 激凸展 @ unseal contemporary (日本橋堀留町一丁目) (21人展。ちょうど、東京藝大油画出身の湯真藤子(ゆま・とうこ)さんが頸なし鶏の羽に筆を入れているところだった。泰西名画の腕前で、3羽の鶏の血をワイングラスに受けるヴァンパイアを。ファイルを見ると、遊び心にあふれた作品がいろいろ。 もうひとり、松山 賢さんの作品も大好き。去年11月6日に Galerie Sho で新作を見たばかり。賢さんの描くヌードはあっけらかんと美しくエッチ。ヌードの周りの空間装飾にも120%の手をかけて全力投球するから、一作一作がみごとなアート。 unseal contemporary は初めて来ましたが、これからは展覧会ごとに通いたいな。) 230331 菫色の文法 vol.1 ルネ・ヴィヴィアンの寝台 @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目) (長岡恵美さんのキュレーションで、いつもの画廊スペースがおとぎの邸宅の一室にグレードアップした。女性9人展は、ベル・エポックの巴里に生きた夭折の詩人ルネ・ヴィヴィアンへのオマージュだ。) 230331 阿部アヤ展 膠彩画 @ ギャラリーなつか (銀座五丁目) (熱帯原産のユリ科のグロリオーサの変化に富んだ花に向き合い、グロリオーサが育ち行く月日に向き合い。) 230330 齊藤美香子展 おはなし Vol.1 @ Gallery Camellia (銀座一丁目) (毒林檎をかじった白雪姫の鼻から一すじの血、瞳に魔女の影。ガラスの靴が合致して、肉感的な笑みをうかべるシンデレラ。耳年増のリカちゃんみたいな妖艶な赤頭巾ちゃん…。おとぎ話に取材した色鉛筆画は、それぞれに楽しい趣向が。絵葉書を7枚購入。) 230330 Woman 展 @ ミレージャ ギャラリー (銀座二丁目) (9人展。レベル高し。中でも、渡辺友香(ゆか)さんの水彩画は、思い切りのよさと繊細さを併せもつ秀作ぞろい。青い着衣をはだけた横向きの女性の絵に、ぞくぞくするほど惹かれた。やばい!) 230330 ポーラ ミュージアム アネックス展 2011 ―早春― @ ポーラ ミュージアム アネックス (銀座一丁目) (レベルの高い4人展。 英(はなぶさ)ゆうさん: 寄り集まった小さな花による造形描出や、木彫の質感をたたえた半人半獣の絵にタイ国を感じたが、なるほどこの10年間くりかえしタイ国を訪れては描いてきたのだそうだ。昭和48年生まれ。 小笹彰子(おざさ・あきこ)さん: 2~4色の糸とミシンで創る線描画。ひとの顔の集合体としての掌、人体の集合体としての戦闘機…。昭和56年生まれ。 長瀬香織さん: 中国・紹興の市井の姿を日本画で丁寧に描く。いつまでも見ていたくなる。平成21年には中国・杭州で「長瀬香織日本画展」を開いている。昭和51年生まれ。 田口一枝(かずえ)さん: 光を巧みに妖精のように躍らせる壁面インスタレーション。昭和50年生まれ。) 230329 多摩美: 玉木久也さん銅版画 「擬態」 + 三上春菜さん銅版画 「星空散歩~クラウンの道」 (3月3日に多摩美大院修了制作展 (版画) で参考展示されていた卒業作品2点が気に入り、購入の意思を伝えてもらっていたところ、1人目の玉木久也さんに会えた。バイオリンに化けたカミキリムシ。他の作品も見せてもらった。才能はあるのだが、作品点数が少ない。院で本格的に修行するそうなので、期待している。 2人目の三上さんともメールで連絡がとれ、作品は送ってもらうことにした。うつくしい青、かわいい心そのままの描画。 いずれもシート kvar mil enoj.) 230328 中野裕一郎展 @ Key Gallery & 青樺画廊 (京橋三丁目) (三つ編みで横を向いた女性はネイティヴ・アメリカンのように見えたが、日英混血のひとを描いたのだという。静かでいながら野性的なまでの意思の強さを感じさせる人物画に、実力のほどを見た。武蔵野美大油絵3年生。) 230328 島崎りか展 ~東京物質主義的女子男子~ @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目) (過剰なまでに宝飾品をあしらった金魚、蛙、甲冑姿…。大阪出身で、昨年 多摩美で博士号をとった。博士課程展の図録を拝見すると、刺青を施した肉体のからみを巧妙に絵にしたシリーズも。丁寧な仕事で、可能性の地平を開くひと。図録に見とれていたら、譲ってもいいと言われたので、それなりのお値段をつけて買い取らせていただいた。) 230328 夏目麻麦(あさぎ)展 @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目) (目鼻を描かず輪郭はぼんやりと幽霊の画像のようでもあるが、確実な存在感のある女性がたたずむ。色づかいのセンスは天才的。昭和46年生まれ、多摩美修了の作家。見たことがある作家だと、ぴんと来た。平成22年2月12日に、旧新橋停車場の 「現代絵画の展望 12人の地平線」 展で。そのときの画廊メモを見ると、12人のうち山田純嗣さんと夏目麻麦さんのふたりに注目している。「"Room 1108" から浮かび上がる女性像にもゾクッとさせられた」 と当時のぼくは書いている。) 230328 松元久子展 ―陶 Crocodile Body― @ INAX ガレリアセラミカ (京橋三丁目) (ワニ革紋様の素足、ワニ革紋様の服飾…。自在な彩色が美しい。昨年、多摩美彫刻を卒業し、東京藝大の院に。くらくらするほど楽しみな作家だ。) 230328 中山明日香展 ―empirical garden― @ INAX ギャラリー (京橋三丁目) (このまま、絵具の量を3倍に増やして同じ絵を描いたら、桑久保徹さんの世界かも…。) 230328 画集出版記念 加藤芳信(よしのぶ)展 @ ギャラリー川船 (京橋三丁目) (79歳でなお元気に活躍中の作家の、1980年代の作品群。まるでエッチング版画のように見える単色の点描画が中心。その後の作品は彩色がやや豊かで、4月28日から紀伊国屋画廊 (新宿三丁目) で 「彩生の源郷」 の副題のもと、加藤芳信展が開かれる予定だ。) 230328 さまざまな黒展 ― 3 @ T-BOX (八重洲二丁目) (6人展。うち、辻野榮一さんの宇宙生物的彫刻オブジェがおもしろい。) 230327 細江英公(ほそえ・えいこう)写真展 ― 写真絵巻とフレスコ画の時を越えた出会い ~ イタリア・ルッカ @ ときの忘れもの (南青山三丁目) (イタリア古都の貴族の大邸宅で行った写真展のようすを撮った、メタ藝術。展示ホールは天井一面に精緻なフレスコ画が施されている。写真展は総延長120メートルの絵巻を壁に貼った。洋紙では巻物にできないので、和紙に写真をプリントしたという。) 230325 山内喬博 個展 @ Niche Gallery (銀座三丁目) (東京藝大油画出身、28歳。一作一作に手法を変えて、パワフルな画面をつくる。フレスコ画に大きく落書きされたみたいな縦長の 「猫」 が気に入った。色彩も、見ていて飽きない。確かな実力。) 230325 「Dream」 黍ねの 人形展 @ Gallery 枝香庵(えこうあん) (銀座三丁目) (ひとりふたりと数えたくなる、そっと眺めて、やがてことばを交わしたくなる布のお人形さんたち。) 230324 押元一敏展 KA・RA・DA @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目) (ミニマルを追求する仕方にもいろいろあって、押元さんの場合は輪郭線を最小限にして、体のフォルムを残す。昨年もお会いした作家。) 230324 仲築間三幸(なかつくま・みゆき)展 @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目) (顔や指の肌のデリケートな陰影が美しい。花とともにいる静謐で幸福な女性たちは、作家の横顔に似ている。) 230323 新藤杏子(しんどう・きょうこ)個展 @ ギャラリー・トリニティ (赤坂九丁目) (一見して、淡い水彩童画だが、じつはパロディや隠し味に満ちている。) 230323 杉山 潤 展 @ Shonandai MY Gallery(六本木七丁目) (すてきな色彩で異次元世界を次々に創造する。大作が多いなか、小品 「星の芽」 は杉山ふう俳画と見た。お買い得の tridek mil enoj + imposto で購入。多摩美油画出身、確実に大きく伸びる作家だ。) 230322 石井直樹写真展 @ ミレージャ ギャラリー (銀座二丁目) (他人も撮っているような写真は撮らないと、風景写真の世界で言い切るのは大変なことだが、日本画そのままの奥秩父の写真ひとつにしても、すべての自然条件が揃って成り立つ稀有な瞬間だという。) 230321 日野之彦(これひこ) ― そこにあるもの @ 上野の森美術館ギャラリー (昭和51年、輪島生まれだったんだね。男の大胆センスで女の繊細に帰結する。) 230321 現代美術の展望 VOCA 展 2011 ―新しい平面の作家たち― @ 上野の森美術館 (VOCA 展って、いいなぁ。死ぬまで、毎年来るからね。) 230319 帰ってきた {りったいぶつぶつ展} 現代作家による立体アート @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目) (国立新美術館の五美大卒展で見た女子美修了の村野実穂さんの作品が陳列されていて、画廊のかたと しばし閑談。村野さんは経歴をそっとしまって、Chapuri を名乗っていた。 山崎龍一さんの 「どうせ誰も助けてくれない」 に惹かれた。発想の独創に加えて、キャラクターの表情が複雑で心を打つ。島津こころさんのスマイルにも推されて、お買い上げ (kvindek mil enoj + imposto)。) 230319 ヴァニタスの果実 上野慶一ドローイング展 @ ギャラリーなつか (銀座五丁目) (ミニマルへと向うベテランの遊び心が横溢。) 230319 水口かよこ木版画展 ―日々譜― @ 純画廊 (銀座一丁目) (「陽の射す場所」 に見とれてしまった。木版画の魅力が存分に。ぼくが買う絵は人物画か哲学的幻画なので、通常から言えば対象外だが、渋いのに華やかな絶品の色づかいに悶絶しそうになった。) 230319 森脇渚/藤巻あやみ ナントカ少女展 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ (銀座一丁目) (マンガ・アニメふう。でも、もう一味の部分がちゃんとあるから、アートだね。藤巻作品の葉書5枚、森脇作品を1枚買いました。) 230319 今福華凛展 @ Gallery 銀座フォレスト (銀座一丁目) (堀北真希さん似の今福さんは東京藝大油画2年生。新作は、解体する折り紙の版画、色ちがい刷り。将来が楽しみな作家です。) 230319 千田哲也展 @ Gallery Q (銀座一丁目) (15日にも来たが、きょうは千田さんの詩の朗読会。パソコンで絵と字幕を流しながら幻夢ストーリーを読んでいく。ぼくの読者イベントに演者として招きたい衝動に駆られるほどだった。詩の朗読の総合藝術として、どこへ持って行っても通用する。) 230319 ヴィーナス達の肖像 ジェフ・コーネル展 アメリカを代表するパステルアーティスト @ The Obsession Gallery (渋谷区猿楽町) (おカネがあれば、3作くらい買ったと思います。お金持ちになりたいなどと、国立西洋美術館で思いはしませんが、手が届かなくもない素敵な作品群に出会うと胸に きゅっと来ます。) 230319 浅見貴子(あざみ・たかこ)展 ―光合成― @ Art Front Gallery (渋谷区猿楽町) (船田玉樹(ふなだ・ぎょくじゅ)の 「花の夕」 の魅力をモノクロで。さりげなく色を加えたものなど、心がぞくぞくとして震えがとまらなかった。よく見れば、地の色と同じ白を塗り重ねてアクセントを作っている。) 230319 斉藤あずさ “まゆだま” @ ギャラリー須知 (日本橋茅場町二丁目) (火山の火口が羊さんになって煙を吹いている。星の王子さまの惑星だね。ギャラリー須知のあるビルはクラシックで、いい感じだ。) 230318 青 秀祐(あお・しゅうすけ)・市川祐司・日比野拓史(たくし) @ アキバタマビ21 (外神田六丁目、アーツ千代田3331) (多摩美日本画3人衆だが、日本画は出発点にすぎない。青 秀祐さんの 「1,000 PAX INVASION」 が楽しい。部屋にぴんと張り渡した何十本もの黒糸に折り紙の戦闘機軍団を乗せた。ちがった角度で見る度に、新たな迫力だ。) 230318 3331 アンデパンダン・スカラシップ展 -前期- @ アーツ千代田3331の1階Bホール (外神田六丁目) (飯沢康輔作品は、英習字ノートなどの最終頁に置いた押し花の輪郭に沿って等高線のように紙をカットして凹みをつくる。手法の発明が冴えている。昭和40年生まれ、東京藝大彫刻卒。 TETTA さんは 「三十三間堂プロジェクト」 と題して、330人に南洋の菩薩のコスプレをさせて写真・ビデオ作品を制作。ゆくゆくは千人をめざして…。多摩美油画 院修了。) 230318 第7回企画展 スピリチュアル・ワールド ~ 存在の表現展 vol. 2: 本間 泉 × 谷本光隆 @ A|A gallery (外神田六丁目、アーツ千代田3331) (谷本作品は前に Galleria Grafica で見たが今回のは別作品で、ポートレートの描線が一層冴えている。アリスとトランプの王様を題材にしたコラージュをよほど買いたくなった。) 230318 平川恒太 “FOX のちから” @ Bambinart Gallery (外神田六丁目、アーツ千代田3331) (多摩美油画を卒業し、東京藝大院へ行くひと。幻想画と社会批評の両立を、肩の力を抜いて飄々とやってのける。油画でありながら、ぼかし塗りや重ね塗りの技も卓越していて、東西の伝統をよく消化している。みごとな才能だ。) 230318 樋口正一郎展 ―四つの次元 2011― @ Gallery 枝香庵 (銀座三丁目) (清澄白河駅のホームアート壁 「20世紀文明の化石」 の創造者が樋口さん。個展作品がまた粋。様々な段ボールの波型を素材に、幾何学模様に切り・貼り・ずらし、方向を違えつつ色のちがうスプレーをかけて、ちょっとした玉虫効果も。ワークショップで一般人がトライしても面白い手法だが、プロが作ればこうなるよというところを見せつけた。) 230318 鈴木由奈展 @ なびす画廊 (銀座一丁目) (足・脚フェティシズムと女性の私室覗きを同時に満足させながらエロではない。ストーリーを紡がせる大画面。) 230317 上沼緋佐子展 @ 日本橋高島屋6階美術画廊 (日本橋二丁目) (朱色・空色のコントラスト。古来の泥釉七宝を再現。西洋のガラス風の七宝が伝わる前は、この木彫のような風合いの泥釉七宝が七宝焼の主流だったという。) 230317 杉浦康益展 ~陶のボタニカル・ガーデン~ @ 日本橋高島屋6階美術画廊 X (日本橋二丁目) (造化へのオマージュだ。向日葵や露草などが生の流転の姿として拡大・写実されて、そこにある。) 230317 春画とピカソと池田満寿夫展 @ 不忍画廊 (八重洲一丁目) (驚きのお手ごろ価格で池田満寿夫さんのリトグラフ作品が売られていた。エロス作品は飾りにくさが理由で売れにくいのだという。まさか! ファントムの夢想を思わせる 「大饗宴」 を購入 (dudek unu mil enoj)。画廊のかたが親切にも不忍画廊 平成14年刊の小冊子 Masuo Erotica をくださった。) 230316 山岸泉琳(せんりん)展 ―春・和を遊ぶ― @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目) (現代琳派の面目は、波や曲折線の意匠に現れる。雪月花の 「雪景」 の1枚が、雪を描かずに雪の絵とした思い切った発想転換。) 230315 長浜友理香展 @ Key Gallery & 青樺画廊 (京橋三丁目) (華の亡び。逆巻く流転。京都精華大を経て多摩美日本画修士2年。「自分の学年はいろいろな大学出身の人が集まっていて刺激が多い」 と。) 230315 千田哲也展 @ Gallery Q (銀座一丁目) (DM 葉書の作品はサルバドール・ダリっぽいが、個展に来て独自のストーリーを紡いでいることが分かった。昭和57年生まれ、多摩美油画。3月19日に詩の朗読があるそうなので、来ようと思う。) 230315 鈴木ひろみ 木版画展 「誰もいない街」 @ ギャラリー ツープラス (銀座一丁目) (渋谷の裏町を描いた横長の版画。香港の場末のイメージに、欲しくなったが横長すぎた。亡びるオブジェとして、VHSテープとミニ・ディスクを題材にした作品もおもしろい。) 230315 モーリス・ユトリロ版画展 @ 翠波画廊 (京橋三丁目) (以前この画廊でシャガール版画展をやっていたとき購入を迷った 『Bernard Charoy 作品集』を買った。) 230315 内藤瑤子木版画展 @ T-BOX (八重洲二丁目) (このひとも、同じ版木で色違い作品をいろいろ作ったり、版画を心底楽しんでいるのが好感。) 230314 田中蓉子メゾチント展 @ 画廊るたん (銀座六丁目) (作家は70代のかたという。静謐。彩色をほどこした幾つかの作品が、とりわけ すがすがしい。) 230314 ~Pier Paolo Pasolini に捧ぐ~ パゾリーニ・オマージュ @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目) (13人展。細部まで丹念なキジメッカさん。豚ちゃんたちとヌードの照沼ファリーザさん。四方田犬彦訳の 『パゾリーニ詩集』、買おうか迷って今日は断念したけど、いつか必ず読まずにはいられないはず。) 230314 草間彌生作品展 @ Gallery Shiraishi (銀座五丁目) (最近いくつもの画廊で見かける草間作品は 「パンプキン」 のばかりで辟易していたのだが、ギャラリー白石の作品群はじつに多彩で、新作家を発見するときの みずみずしい感覚を心に覚えた。草間彌生さんの魅力に、はじめて納得した。) 230314 須崎春代(すさき・はるよ)写真展 「砂の海を越えて」 @ ギャラリー日比谷 (有楽町一丁目) (白いブラジル・レンソイス砂漠、赤いサハラ、黄灰色のタクラマカン。画廊の3つのフロアそれぞれに異なる砂漠を写真で見せる心憎い企画。) 230314 中西 繁 洋画展 光の廻廊 ―欧州の旅II― @ 文芸春秋画廊 (銀座五丁目) (昭和21年生まれ。照明ゆたかな夜の街路の光と陰がとりわけ鮮烈。今回の個展にはなかったが、中西さんには現代廃墟を描く「棄てられた街」シリーズもあり、いつかぜひ見たいものだ。) 230314 ファンタズマゴリア 3 @ ギャラリー松林 (銀座一丁目) (ドイツと日本を往復しつつインスタレーションやオブジェ作品をつくる寺内麻理さんの、ポーク製品の商品パッケージで覆われた豚の壁掛け。ユーモアと風刺がきいている。) 230314 長谷川晶子展 @ 巷房 (銀座一丁目) (鮮烈なにじみで街を描く。絵を見終わったときヘルメットを背中に負った作家が息せき切って入ってきた。家を7時に出て、画廊まで歩いてきたのだと。) 230314 佛淵(ほとけぶち)静子 日本画展 @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目) (阿部清子さんとともに若手日本画の双璧。ため息が出るほどに確かな線描。以前と異なりモデルのポーズから不自然さが薄れて、素足フェティッシュのぼくをぞくっとさせる全身像。) 230310 西村裕之ドローイング展 「妄想ライフ」 @ ギャラリー・トリニティ (赤坂九丁目) (ヘリコプターとキリストのような人物、墓標群…。西村作品 「探して…」 に演劇 「ミス・サイゴン」 の世界を感じて、空虚な廃墟画の 「上空を行き来するのだ」 と合わせて購入しようかと、しばらく考えたが、我慢。) 230310 「分岐展」 大久保如彌(なおみ)・大坂秩加(ちか)・亀山 恵・丸山恭世(やすよ) @ Gallery MoMo Roppongi (六本木六丁目) (東京藝大の卒業・修了展で注目した大坂秩加さんの絵に何としても会わねばと思って行った。画廊オーナーの杉田夫人と久々にお会いし、話が尽きなかった。大坂さんの絵は、ひとつひとつが演劇の舞台性を帯びている。絵解きをしていただきながら、演劇好きのぼくはわくわくしてしまった。彼女の画集が楽しみだ。 大久保如弥さんの絵は、欧州の上質の文化空間を知っていないと描けない絵。とってもおしゃれだ。 丸山恭世さんの大判の顔絵。潤いと透明感のある目の描き方が絶品。) 230310 正能亜衣子(しょうのう・あいこ) 個展のわたし展 @ Gallery 銀座フォレスト (銀座一丁目) (笹本玲奈さんにそっくりの aico さん。見かけはもちろん、仕草や話し方まで。まるで笹本さんと話している気分だった。 作品は、鳥と初老の男性がモチーフのリトグラフ。多様な色彩をうまくまとめている。武蔵野美大の版画卒。てっきり修士修了と思った。みごとな才能だ。横たわる初老の男性に鳥のキウィを配した "leisure" を ses mil enoj で購入。) 230310 「景色」 オーライタロー作品展 @ ギャラリー ツープラス (銀座一丁目) (神田あたりの消え行くモルタル店舗家屋。とにかく、この被写体の魅力が、目を釘付けにする。画文小冊子 「カンダ歩行者」 を購入。) 230309 東北藝術工科大学 卒業・修了展 [東京展] @ 京都造形芸術大学・東北藝術工科大学 外苑キャンパス (北青山一丁目) (午前半休をとって、鑑賞しました。選りすぐりを東京に持ってきているので、まさに粒ぞろいでした。おってブログ本篇に注目作について書きます。) 230308 マーク・デンステッダー (Mark Demsteader) 絵画展 @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目) (木炭とガッシュで描かれた着衣の女性。なのに、この胸さわぎは何だろう。デンステッダーの絵は、これで3度目です。) 230308 ANZ と INO の二人展 ファブリックアート @ あかね画廊 (京橋三丁目) (どの作品を見ても、一定水準を超える出来。才能ある二人だ。 蟹江 杏(かにえ・あんず)さんは肩のちからを抜いた絵本画からオブジェまで。なかでも、「西暦200年の昆虫標本」 というオトナの工作がひどく気にいった。昭和53年生まれ。会話を漏れ聞くと五反野あたりにお住まいのようで、「あっ、ぼく、西新井です」 と声を掛けたくなったが、人気者で次々にお客さんが話しかけているので、話しそびれてしまった。 井野若菜さんは東京造形大 院在籍、テキスタイルデザイン。はっきりした輪郭、うっとりする多彩。) 230308 はちみつ★イラスト展 乙女ゴコロ @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目) (乙女の剣士は、ハートマーク入りの封筒と剣を刺し違え。ファイルのなかのときめき写真が気に入り、tri mil enoj で分けてもらうことにした。) 230307 没後20年 中川一政(かずまさ)展 ―独行此道(ひとりこのみちをいく)― @ 日本橋高島屋8階ホール (若いころは小説の挿絵の仕事なども多い。展覧会は60代以降の絵が中心で、80代、90代になっても奔り出でる色彩のパワーが美しい。一政の画文集 『独り行く道』 も購入。) 230307 藤野麻由羅 展 @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目) (花卉のような異星の存在が搭乗待合室を侵略する。五色沼も異星の存在だ。そんな気分にさせてくれる不思議な画境。) 230307 セックスは女 中野めぐみ・蜂屋未来(みき)・佐野淳子(じゅんこ) 三人展 @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目) (中野めぐみさんの大型モノクロのポートレート、箔のあしらいで背景にひろがりが。蜂屋未来さん、傷跡のような赤い縫い糸、血のようなにじみ。佐野淳子さん、女という肉がポップに、ごろごろふわふわ。) 230307 2011年巡回展 池田実穂 木版画展 …日向雨のうた… @ T-BOX (八重洲二丁目) (版画に登場する女性たちの表情に、作家の芯の強さを感じた。12星座のキャラを単色版画で葉書に刷ったのを1枚千円で販売していて、「獅子」を購入。たてがみのある女性がゆったり坐ってワインを飲んでいる。) 230305 日独交流150周年記念・国立マイセン磁器美術館所蔵 マイセン磁器の300年 壮大なる創造と進化 @ サントリー美術館 (赤坂九丁目) (陶磁器好きのわたしの女を誘って参りました。陶磁器も絵画性と技術性の二面から見てしまうぼくとしては、時代が新しくなるほど興味深い展示でした。) 230304 高橋コレクション日の出 オープニング展覧会 「リクエストトップ30 ― 過去10年間の歩み」 @ Tabloid Gallery (港区海岸二丁目) (日比谷のギャラリーが閉まって寂しく思っていたら、進化再開。Viva, Takahashi Kingdom! 今回は18作の展示。会田 誠さんの 「紐育空爆之図 (戦争画 RETURNS)」 を前は上野の森美術館の壁面に見たが、今回は燦然たる照明で零戦の箔がラメ色に光り、屏風として立っている裏を覗くと、何とこの世界的名作の裏は、ガムテープの切れっ端が貼り付く破れ襖だった! 鴻池朋子さんの 「第4章 帰還 ― シリウスの曳航」 の色彩のうつくしさ。) 230304 和泉奏平(いずみ・そうへい)遺作展 ―「冬紀行」 を中心にして― @ ギャラリー日比谷 (有楽町一丁目) (ぜひとも見なければと思っていた個展。昭和20年5月、松山市生まれ、松山南高工藝科卒の和泉さんは48歳で急逝した。その17年後、奥様が千葉県山武市の自宅を美術館に改造して遺作を展示しはじめた。それを記念しての、東京での個展だ。能登の海の 「濤声」 は、碧緑の波に射す光が遠景の影を奥深くする。2頭の馬と3人の 「家族」 は、やさしさと尊厳をたたえた眼が心にしみる。和泉さんが30代のころ描いた500号の大作 「苦海浄土」 を山武市でぜひ見てほしい、と奥様が言う。いつの日か、きっと!) 230304 第17回 日本の着物の古布に桜・椿を描く 油彩 伊勢崎節子 椿展 @ 松屋銀座7階画廊 (銀座三丁目) (ジャンルとしては 「コラージュ」 ということになろうか。絵柄や紋様入りの帯などの布を板に貼り、大胆に生け花を描き込む。布の絵柄と描き込まれた生け花が、張り合いつつみごとに調和している。) 230304 花岡哲象(はなおか・てっしょう)日本画展 @ 松屋銀座7階画廊 (銀座三丁目) (枯淡の画境に、ごく薄い桃色のヴェールがかかり、なんとも心やさしい心象風景として胸に沁み込んだ。) 230304 Next Art 展 @ 松屋銀座8階大催場 朝日チャリティー美術展併設会場 (銀座三丁目) (ぼくが会ったことのある作家のなかでは、真条彩華さんの 「声」 と森洋史さんの 「お気に入りの場所」 が、注目作としてビラにも写真紹介されている。入札方式の販売なので、真条さんの作品に札を入れようかと、かなり迷う。) 230303 版画の立体展示 (ブック仕様) によるグループ展 @ Gallery Jin Esprit+ (谷中二丁目) (初めての画廊。版画を2つ折りの厚紙に貼ることで、飾るときは二曲一隻の屏風のようにし、しまうときは畳めば本のように。 若木くるみさん、生活感にユーモアが寄り添う。水性木版ならではの色合いが魅惑する。 三好 愛さん、昭和61年生まれ、東京藝大 院 版画在籍中。一見ミニマルな図柄で、ミステリーに満ちたメッセージを発する。一見具象、じつは抽象。奥深し。 宮本承司さん、水性木版のお寿司シリーズ。お寿司がユーモアあるデザインとして楽しめてしまう。 駅からの道の Luce でピザを食す。絶品なり。) 230303 多摩美術大学大学院修了制作展(版画) @ 文藝春秋画廊 (銀座五丁目) (受付にいた、愛らしい泉菜々子さんとお話しました。2階に参考展示された学部卒業生の作品のうち2点が気に入ったので、購入希望を本人に伝えてくれるよう依頼。卒業・修了制作作品集 (1,000円) がまた、センスのいいハードカバーです。) 230303 多摩美術大学より選選(よりより)展 @ Oギャラリー (銀座一丁目) (大久保美里さんの、闇の童画的木版リトグラフがいい。「木(もく)リト」 という新ジャンルなのだそうで、グラデーションも自在。浮世絵の刷り師が泣いてあこがれるかも。) 230302 多摩美術大学工藝学科卒業制作展 2011 「創」 @ スパイラルガーデン (南青山五丁目) (気に入った作家へのメッセージを短冊に書いて小箱に入れられるようになっていた。注目した4つの作品は ―― 島内聡士(さとし)さん 「Rolling Man」: 不安定を体現した <人>。頭は転がりつつ静止したサイコロで、6面に異なる表情のレリーフ。首から腰は3枚の板をくきくきと。脚は写実、あっ、立ってる台が傾いてる。「発想のカタログ」 的なおもしろさ。 長尾幸治(ゆきはる)さん 「ひかりにつつまれて」: 金属リボンを編んだ、跳躍する鯨。ところどころ灼熱で焼いた黒が効果。尾と鰭の水しぶきを、金属リボンをほぐして表わしたのが、うまい。 下薗絵里さん 「トッテンガル幻想曲演奏器」: 銅の胴体造形に、5つのオルゴールが埋め込まれていて、ハンドルを回して出る音が胴内できれいに響く。渋谷あたりの路地裏のバーのマスコットにしたいなぁ。 丸 麻美(まる・あさみ)さん 「群生」: 珊瑚から色とりどりの金太郎飴さんが、にょにょ、にょっにょにょ。) 230302 山崎知佳 個展 「透明な呼吸」 @ Key Gallery & 青樺画廊 (京橋三丁目) (淡い着色ガラスの細工。はっとする美しさの冬空の下の氷も、淡く暗いガラスで再現された。この春、多摩美 ガラス研究修了。) 230302 丹羽由梨香展 ― ここにいるということ ― @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目) (顔、顔、顔、着色センスよし。眼・眼元の拡大写実オブジェは、瞳に人影が…。) 230302 はちす展 @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目) (さすが羅針盤さん。これほど粒ぞろいの日本画俊才を集められると、失神しそうになる。 愛知県立藝術大 院: 足立香織、永田恭子、深尾育美。 多摩美 院: 大嶋仁美、小谷里奈、向井理恵。 東北藝工大 院: 菊池 咲、松崎綾子。) 230302 土屋秋恆(しゅうこう)個展 月暦○花鳥風月 @ 和田画廊 (八重洲二丁目) (現代水墨画。昭和49年生まれ。水墨画の伝統素材に、揚羽蝶や戦闘機の群影が混在すると、俳句でいう 「二物衝撃」 が生まれる。) 230302 酒井抱一生誕250年 琳派藝術 ― 光悦・宗達から江戸琳派 第2部 「転生する美の世界」 @ 出光美術館 (丸の内三丁目) (酒井抱一の六曲一双 「紅白梅図屏風」 を見て、にぶく光る銀箔上の絵の美しさにしびれた。紅梅の、くすんだ海老茶色よ。東洋美術で銀箔は月の光を連想させる道具立てという。 鈴木其一の作品のセンスは現代に直結している。二曲一隻 「芒野図屏風」 は、デザイン化されたススキの繰り返しが現代アートを思わせる。「蔬菜群虫図」 は、実りつつあるキュウリとナスがデザイン化されて、アンリ・ルソーの世界を思い出させる。) 230302 宮田 圭 新作展 ―遥かな刻の流れ― @ 東京會舘ギャラリー (丸の内三丁目) (ごつごつした絵肌を先につくっておいてから、鮮明色彩で分かりやすい絵をかく人。昭和20年横浜市生まれ、東京藝大油画。) 230301 阿部清子展 優しい人非人 @ ギャラリー広岡美術 (神田駿河台三丁目) (阿部清子さんの描く着衣の女性に、ぼくはどんなヌードよりも ぞくぞくしてしまう。昨年末に1枚買っている。買おうと思えば買える値段設定の名品ぞろいなので、とても危険な個展だ。「歌を忘れたカナリアは」 という絵が売約済でなかったら、ぼくは買っていたと思う。少女から女に移ろうデリケートな表情。阿部清子作品は、それぞれに手法の挑戦も感じられて、飽きない。最高の称賛をおくりたい。) 230228 第37回春季創画展2011 @ 日本橋高島屋8階 (いい絵が多かったのに、時間配分を間違えてチョー駆け足になってしまい残念。うれしい驚きは、東京藝大の卒業・修了展で称賛した日本画の佐藤草太さんが 「地下鉄構内」 という絵を出していたこと。この絵にもあの謎めいた女性が…。くすんだ彩色と絵肌。 五十嵐恵子さんの、ぬわりと浮ぶ山椒魚 「ボクはここから出られないんだ」。 戸田康一さんの、具象・抽象のいいバランス 「割れた鏡のハーモニー (IX)」。) 230228 香気燦々 坂口 健(けん) 作陶展 @ 日本橋高島屋6階美術工藝サロン (現代アートの感覚が息づく絵付け。丁寧な仕事に見入っていると、作家の坂口健さんに声をかけていただいた。最初気に入った茶碗は売約済だったが、そのミニチュアとも言うべき ぐい呑みがあり、購入。Ok mil kvincent enoj + imposto. ブログ本篇で作品を写真入りで紹介しています。) 230228 高津戸優子展 ヒトゲノム @ Gallery 坂巻 (京橋二丁目) (色彩感覚が絶品だし、フォルムも既成概念に捉われない。だから、1枚1枚が新鮮。ドローイングの大きさがもうちょっと手ごろなら、1枚買ったかもしれない。東京藝大油画卒、ミュンヘン国立造形美大在学中。) 230225 時松はるな「ライツ、カメラ、アクション!」 @ ギャルリー東京ユマニテ (京橋二丁目) (現代アート的群像。時松さんは手指・足指を描くのがうまく、わざと個性を殺した同じ顔の群像が思い思いの手指・足指の動きを見せて、活性に満ちた絵となる。) 230228 紫舟(ししゅう)展 II 「生きる」 @ ノエビア銀座本社ビルギャラリー (銀座七丁目) (NHK 「龍馬伝」 の題字も書いた紫舟さん。テーマに合わせた変幻の幅の広い人。だから、わかりやすい。) 230228 epitaph たま ~少女主義的水彩画展~ @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目) (「たま」 という名のアーティスト。可憐な少女、うつくしい透明水彩の彩色。流行の、過剰なまでの傷つき画なのだけど、ぼくはもうちょっとあっさりした絵も見てみたいなぁ。) 230226 東京五美術大学連合卒業・修了制作展 @ 国立新美術館 (日大藝術学部・武蔵野美大・多摩美大・女子美大・東京造形大の合同展。25名の作家に注目しました。ブログ本篇をお読みください。) 230225 シュルレアリスム展 ―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による― @ 国立新美術館 (想像よりも、しみじみとした展覧会だった。美しさにしびれたのが、ジョアン・ミロ 「シエスタ」、マックス・エルンスト 「三本の糸杉」、そしてマン・レイの女性ヌード写真。ジャクソン・ポロックがシュルレアリスムのであった頃の初期作品 "The Moon-Woman Cuts the Circle" が興味深い。ルネ・マグリットの素足と革靴の結合画 「赤いモデル」 も新鮮だった。4人合作のイラスト遊戯 “甘美な死骸 cadavre exquis” あそびを、誰かとしてみたいな。) 230225 長岡造形大学視覚デザイン学科2010年度福田研究室卒業研究作品展 @ ギャラリー椿2 (京橋三丁目) (学科の卒展図録をいただく。レベルの高さを称賛したい。G椿2での作品展では、平井英偉人(えいと)さんのポスターが秀逸。テーマに沿って、絵の鹿に銃弾の穴を空けたり、絵の小枝を切り出して折ったり。川口慶子さんの、小鳥との心優しい交流の絵本もすてきだ。倉持至宏(しこう)さん、モノクロの混沌デザインを追究したのだけど、アクセントに色を使えばぐっとよくなるはず。室橋祐輔さん、犬のイラストはプロなんだけど、背景色がミッフィーちゃんの模倣になっちゃったね。) 230225 武田裕子展 「場と記憶」 @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目) (草木の夜、空蝉が月へ這う。枯淡かつ清新。すばらしい日本画の才能に出会った。来れてよかった! と思った個展。昭和58年東京都生まれ、東京藝大日本画博士課程2年在籍。) 230225 鶴川勝一 the Birth @ Gallery 銀座フォレスト/フォレスト・ミニ (銀座一丁目) (山本冬彦さんも褒めた作家。とにかく描き込んで、カラフルに着色。昭和59年生まれ、横浜美術短大専攻科修了。) 230224 Fetish & Bondage Photos SYLVAN Small Box II @ カフェ百日紅 (板橋一丁目) (DM 葉書の作品が、日本間の小さな檻からこぼれ出る、鎖でつながれた美しい女の写真で、ふらふら~と板橋まで。私家版・室井亜砂二作品集 『ヨイ子ハ買ワナイ女犬ノ絵本』 (平成18年) と、室井亜砂二詩画集『~叙情派変態のために~ 悲しい大人の子守唄』 (平成22年) 、富崎 NORI さんの素足フェチの人形画像絵葉書を購入。) 230224 山本竜基展 @ ミヅマアートギャラリー (市谷田町) (落下する学生服男群の絵を、高橋コレクションで見た。今回の大作は、3.6 m x 3.8 m の 「地獄図 (山本版)」。しばらく、ルーペも駆使して楽しむ。「バラバラの自画像」 は人間花火だ。黒・白・肌の 「山本ボール」 は、表面に学生服男ないし裸男を貼り尽くした。) 230224 夏坂冬生個展 ―心の里に会いに行く― @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目) (「春の声」。手前に菫の群生、野には雉の めおと降り立ち、遠景はふしぎに開けて数本の樹木。夢のような構成が忘れ難し。じつは埼玉県の荒川付近の実景と作家は言うが。) 230224 視点<鼎の眼>展 @ あかね画廊 (銀座四丁目) (五人展。うち、井上護(まもる)さんの異郷シリーズは、街に粛然と立つ、きゃしゃでいて意志のつよい裸婦が印象的。) |