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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 17

平成24年7月9日~9月6日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。(画廊展はほぼ2件に1件の割合で、これはというもののみ記録しました。)

このひとつ前の 平成24年5月9日~7月8日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 16 にあります。
このひとつ後の 平成24年9月7日~11月10日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 18 にあります。

240906 アラブ・エクスプレス展: アラブ美術の今を知る (~10/28) @ 森美術館
(耽美的なものが少なく、ジャーナリスティックな視点で理屈をこねた作品が会場を占めていて、ちょっとがっかり。)

240906 Summer Group Show 小野さおり・大久保如彌・小橋陽介・篠原愛・高橋涼子・中矢篤志・福島淑子 (~9/21) @ Gallery MoMo Roppongi (六本木六丁目)
(銀座三越の山本冬彦セレクションより、ぼくは MoMo Roppongi のグループ展のほうがいいな。スリルがある。どきりとする。それがアートじゃないの? 篠原 愛ちゃんの新作鉛筆画。高橋涼子さんの人毛をつかった照明セットの そこはかとない おどろ。)

240906 鈴木弥栄子展 少女蜜室 (~9/8) @ Fuma Contemporary Tokyo (中央区入船一丁目)
(少女を描くが、顔を描かない、とくに、目を描かない。まぁ大久保如彌さんとか大坂秩加さんとかもそうなんですが、見る側としては不完全燃焼なんですねぇ。せっかくこれだけうまいのに。)

240905 悪夢予報 ―川崎 瞳 個展― (~9/9) @ The Artcomplex Center of Tokyo, 2F ACT3 (新宿区大京町)
(おどろかわいいペン画。いまは欲張り過ぎて焦点が定まっていない気もするけど、もうすぐ臨界点が来そう。)

240905 Jinen's Art Studio presents Vol.002 Cabinet of curiosities (~9/9) @ The Artcomplex Center of Tokyo, 2F ACT1 (新宿区大京町)
(4人展。うち、足立篤史(あつし)さんの、“廃墟” と化した飛行機へのレクイエムとしてのケント紙立体作品 「記憶 ~Shinden(震電)~」 に惹き付けられた。)

240905 アーティスト・イン・レジデンス プログラム2011 修了報告展 (~9/8) @ 千鳥ヶ淵 ギャラリー册 (九段南二丁目)
(福島かほりさんの陶の幻視人物像。ぎょろ目作品から一転、目と口がくりぬかれた、じつに味わい深い新シリーズ。買いたくなり、かなり迷った。ギャラリー册さんは、作品展示+図書の贅沢なスペースだ。)

240905 山本冬彦が選ぶ珠玉の女性アーティスト展 (~9/11) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目)
(大槻香奈さん、田中千智さん、金子奈央さんら26人展。豊澤美紗さんの幻視メトロポリスが求めやすい小品として出ていて、いいなと思った。大谷郁代さんも人物写実油画の作家として伸びそう。山本冬彦さんから松山三越の美術担当の二宮真理子さんを紹介されて立ち話しした。)

240904 李明維 澄・微 Lee Mingwei: Visible, Elusive (~10/21) @ 資生堂ギャラリー (銀座八丁目)
(体験型インスタレーションを標榜するとはいえ、これはないんじゃない? ラーメン屋に行ったら、コンロと鍋と即席麺の袋があって、「これを料理するのがアートだ」 と言われた、みたいな。)

240904 高 歌 個展 (~9/10) @ Niche Gallery (銀座三丁目)
(高歌さんは昭和59年生まれ、北京在住。うーん、女子美卒の子の幻想洋画に水墨画の線描きの味を足したような。写実をもうちょっと訓練しないと、絵がちょこまかしてるのが難。彼女をプロモートする上海の画廊のマネージャー (このひとも若い女性) が来ていて、西村冨彌さんがお持ちの扇子の文字の解読に、楽しい時間を過ごしました。)

240904 Sanctuary of darkness ―闇の聖域― Toru Nogawa exhibition (~9/15) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(丁寧な写実の腕に支えられた、華麗な闇。モデルさんの顔をあまりに忠実に写実してしまったためか、絵の好みは多分にモデルさんへの好みに左右されるでしょうな。)

240903 水と土の藝術祭2012 (~12/24) @ 新潟市万代島旧水揚場ほか、新潟市内各地
(美樂舎の澤登丈夫さん・北林憲次さんに誘われて、遠出してまいりました。詳細はおってブログに書きます。)

240901・02 大地の藝術祭 越後妻有アートトリエンナーレ (~9/17) @ 新潟県十日町市とその周辺
(美樂舎の澤登丈夫さん・北林憲次さんに誘われて、遠出してまいりました。詳細はおってブログに書きます。)

240831 田村彰英(あきひで) 夢の光 (~9/23) @ 東京都写真美術館2F
(米軍基地を、政治玩具臭の報道写真としてでなく、純粋存在としておもしろがるアート写真として撮った藝術魂はさすがというべき。)

240831 平成24年度東京都写真美術館コレクション展 自然の鉛筆 技法と表現 The Pencil of Nature: Technique and Style (~9/17) @ 東京都写真美術館3F
(紙に画像を焼き付ける技に、先人たちがいかに腐心してきたか。その営為を支えたのは瞬間への哀惜だったのだと、名高い実作品でしみじみ知らされた。)

240830 中川雅登(まさと)日本画展 (~9/2) @ 西邑画廊 (八重洲二丁目)
(野の花を華麗なまでにしっとりと描く。ヴィヴィッドなところと朦朧としたところのメリハリをきかせる作風。背景の陰影が絵をひきたてる。昭和43年生まれ、愛知県立藝大日本画卒。片岡球子さんの門下。)

240830 戸村次男(つぎお) 夢の遺跡展 Remnants of Dreams (~9/2) @ Oギャラリー (銀座一丁目)
(カラフルな “卍” を散りばめたデザイン版画から出発し、立体の 「卍ブロック積み木」 (3方向いずれから見ても “卍” になっている) を発明して平成23年に遊具として特許まで取得した。その版画とブロック積み木の展示。)

240829 山下和子展 (~9/9) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(オメデタだそうで、おめでとうございます。このひとの油画は色を追うだけでうきうきさせ、そして絵に話のタネが蒔いてある。「リリー・ガーデン」 は、まえに二科展で見たね。女子美から金沢藝工大で博士号をとり、ドイツへ留学、その後もトルコなどで色彩を吸収してきたひと。)

240828 The Posters 1983-2012 世界ポスタートリエンナーレトヤマ受賞作品展 (~8/28) @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (銀座七丁目)
(見ながら思った。ポスターの名品は、ぎらぎらせずに、でも目を引くんだね。目を引くけど一目では何のことかわからず、しげしげと眺めるんだね。そして、お~~~っ という瞬間が来る。)

240828 第7回 1_WALL 展 [グラフィック] (~9/13) @ ガーディアン・ガーデン (銀座七丁目)
(審査にのこった6名の展示。8月30日が最終審査だそうだ。ぼくは大嶋奈都子(なつこ)さんを評価するね。都内の67ヶ所の駅周辺でサラリーマンの全身横姿を写真に撮り、そこから396個の人物ハンコをつくり、それをぺたぺた押して大きなサラリーマン像を浮き出させた。その作品と、長城のように並べたハンコ群。方法論が今後の可能性を示唆し、さまざまなヴァリエーションが生まれそう。昭和59年生まれ、武蔵美視覚伝達デザイン卒。)

240825 福山竜助|薄明かりの風景 (~8/26) @ トーキョーワンダーサイト本郷3F (本郷二丁目)
(劇団角笛の影絵を連想する。もともと版画をやってきたひとだが、今回はその感性を油画で表現する。)

240825 齋藤春佳|思い出せる光景と思い出せない光景を見た 地球から見える星も見えない星も公転しあっている、地球含め (~8/26) @ トーキョーワンダーサイト本郷3F (本郷二丁目)
(平成22年5月に Gallery b. Tokyo で一筆描き作品に集中していた、当時 多摩美油画4年生の春佳さんでした。今回は一筆描きではないですが、やや厚めのロール紙にフェルトペンで線画を描きこみ、裏映りした大小の点を星に見立てているのです。これをどう商品化したものか、ひとごとながら考えてしまったのでした。ご家族の愛情に包まれているのを感じさせてくれる、次の展開が楽しみなひと。)

240825 村上佳苗|うみやまのあいだ (~8/26) @ トーキョーワンダーサイト本郷2F (本郷二丁目)
(平成23年5月に木之庄企畫での個展を見た、愛媛県大三島出身の作家。今回の入選はとりわけうれしく思えた。作品の間の白壁にも描きこんで、祭りをつなげて瀬戸内の土と海の空間をつくった)

240825 Upskirt Voyeur: The Sexy World of Japanese Girls 村田兼一写真展 (~8/30) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(美少女のちらりずむ、絵画性の高い写真作品。テーブルの上のファイルも見たかったんですが、次々とファンが坐るので断念…。)

240825 野田朗子(あきこ)硝子展 ―光と影― (~8/29) @ Gallery 枝香庵 (銀座三丁目)
(「古い月を抱く新しい月」 シリーズ 8作のうち、金粉を散らした鬱金(うこん)色の平皿を買った(kvin mil)。新作の “Everlasting Time” は、宇宙のひだと泡立つ光を封じ込めた意欲作。野田さんとは、東京藝大の修了展で蓮の花びらの大作を拝見しているときにお会いした。その蓮が、今回は踊り場の小部屋で環境展示されていた。)

240825 阿部哲男銅版画展「真夏の夜の幻想」-メゾチント、その深淵なる闇と光の創造- (~9/1 金・土のみ開廊) @ Galerie Or・Terre (京橋一丁目)
(薬缶の側面に映る鶏人間。ディナーは、ピストルを輪切りに。ひねりのある幻想版画の数々。うち、「シャボンの香り」 を購入(tridek mil)。隠微な脚の美しさに惹かれたところで、画廊オーナーの井関 周さんの版画技術論を拝聴して、背を押された。)

240824 トモウエスギ展 “Over Work” (~8/25) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目)
(ゆったり横長のソファに坐るのっぺら顔の人物をひたすら描く。ぱっと見、ふつうの絵だが、その前に立つと不思議な広がり感があり、まるで目に なにかレンズをはめたような気分。空間の切り取り方がうまい。いい素質だ。彩色を丁寧にすれば、いい絵になる。サンディエゴ州立大藝術卒。)

240824 工藤和江写真展 -中央線植生ー (~8/25) @ ギャラリー La Mer (銀座一丁目)
(鉄道沿線の生活感。題材選択は いい線いってるのだが、ショットの切り取り方にスパイスがもう一振りほしい。バルセロナの気になる日常を撮った写真葉書を2枚購入。)

240823 坪井麻衣子展 (~8/25) @ Galerie Sol (銀座六丁目)
(一見、いまどきよくありそうな油画だが、たらたらと絵の具を流すゾーンと、オーソドックスに描くゾーンを分けたのが、想像を刺激するいい効果をあげている。日藝から東京藝大 院修了。)

240823 パリ×ベルリン発 レズビアン&クィア・アート写真展 Emilie Jouvet x Goodyn Green Photography Exhibition (~9/1) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目)
(展示会のお題をみると、オオッ! と思われますが、ふつうのお写真です。いい意味で。ぼうっとした黒人女性とか、煙をふぅっと吐く写真がよかったな。)

240823 デザインとアートの現場から (~9/2) @ 東京国際フォーラムB棟アートショップ内ギャラリー (丸の内三丁目)
(グループ展。うち、サトウアサミさんのイラスト作品は、心やさしくもポップな世界を太目の筆で力強く描き出していて、好感。)

240821 『Another』 へのオマージュ ―眼球と少女たち― (~8/29) @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目)
(恋月姫さん作りおろしの美少女人形たち! DM葉書そのものが写真プリントの藝術品! Bunkamura G. らしい企画展です。)

240821 藤田嗣治と愛書都市パリ ―花ひらく挿絵本の世紀― (~9/9) @ 渋谷区立松濤美術館 (松濤二丁目)
(林洋子著 『藤田嗣治 本のしごと』 と響き合う企画。ぼくが好きなのは やはり、こどもにさまざまの職業をさせてみせるオシャレなカタログふうの作品群。)

240819 開館25周年記念 古茂田守介ふたたび、蘇った絵画展 + 古茂田美津子のワンダーランド (~9/2) @ 目黒区美術館 (目黒二丁目)
(松山市道後出身で、猪熊弦一郎さんが才能を認め、大蔵省に勤務しつつ絵画研鑽。奥さまの美津子さんの勧めで画業に専念を決めるも、42歳で病没。その後アトリエ火災で被災するも徹底した修復で蘇った秀作群と、本展で対面できた。ふたつの生涯のドラマが交錯する。守介さんの静謐と、美津子夫人の明るい幻視。なんとすばらしいご夫婦。あまりにも辛い試練を乗り越えた作品群だ。)

240819 生誕100年 船田玉樹(ふなだ・ぎょくじゅ)展 (~9/9) @ 練馬区立美術館 (練馬区貫井一丁目)
(「花の夕」 が日本画アヴァンギャルドとして突出して有名だが、船田玉樹さんは自己模倣をしないひとだった。展覧会の惹き文句に 「異端にして正統、孤高の画人生」 とあるが、速水御舟と小林古径に師事したひとを異端・孤高と呼ぶものだろうか。近代日本画のストライクゾーンをひとりの手で示し尽くせた偉才というべきだろう。)

240818 ワンピース倶楽部展 Vol.5 「はじめてかもしれない」 (~8/21) @ Megumi Ogita Gallery (銀座二丁目)
(華やいでいて、たのしかった。けっきょく第2会場の Takuro Someya Contemporary Art に行けなかったのが残念でした。)

240815 東京こだわりの風景画展 緑のある街を再発見 (~8/16) @ 丸善・丸の内本店4階ギャラリー
(水彩画・ペン画の15人展ですが、風景の切り取り方がシャープな杉山八郎・浩一 親子の作品が別格。「陰影にちからがある」というと言語矛盾のように思えますが、ほんとに陰影にパワーを感じさせる、生命感のあるモノクロのペン画。)

240814 Mitsukoshi×東京藝術大学 夏の藝術祭2012 次代を担う若手作家作品展 (~8/14) @ 日本橋三越本店本館6階美術フロア
(絵画とオブジェの全149作品。なんか拍子抜けしてしまった。個人が買えるお手頃作品が揃ってはいるんですがね。ひとつ選べと言われたら、西ノ宮佳代さんの立体モザイク 「猫之姫 ― 五福梅花」 だ。)

240811/13/18 美樂舎 第21回 マイ・コレクション展 (~8/18) @ K's Gallery (京橋三丁目)
(19名が28作品を展示。ぼくも、嵩居伽子さんの 「中和」 と 「じゃらされたい」 を出展し、昨年来の思いをまたひとつ実現しました。見に来てくださった皆さま、ありがとうございました!
出展作品で好きなのは、岩井昌代さん出展の自作 「エルサルバドルの小学校で」、イキイキと子供たちが駆けてくる。高木瑛子さん出展の百瀬恒彦作品 「パリの街並」 は、アニメ 「メトロポリス」 の一場面めいた写真。)


240810 辰野登恵子(たつの・とえこ)・柴田敏雄「与えられた形象 Given Forms」 (~10/22) @ 国立新美術館 企画展示室2E (六本木七丁目)
(宣伝がヘタなんだよ。ビラやポスターに使った作品が、よりによって地味すぎ。辰野さんの抽象大作群は、色彩ゆたかで深みあり、変化自在で楽しめた。若い頃の具象作品も好き。すぐれた作家に共通することだが、人生を2度3度生きているひとだね。柴田さんの写真も、土木の極限美をこれでもかこれでもかと捜し歩いた執念が伝わる。)

240810 原神一 展 「New Spirit Face」 (~8/12) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(音楽界のスターたちのロゴマークも手掛けるグラフィックアーティストの絵画。時代に入れ墨だぜ! ある意味、こどもみたいに欲張りなひとで、垢まみれのロゴマークまでぽんぽん並べちゃうんだ。)

240810 樋口愛子展 ―The Naked Lunch― (~8/12) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(DM葉書絵の題材がポップなので期待しましたが、現代アートというジャンルそのものに媚びたかのようなゴキブリやゲジゲジに辟易してしまった…。なんとなく煮詰まってるんだなぁ。演劇とか観て、世界を広げて! 才能はあると思う。女子美日本画 院修了。)

240808 古川幹広 個展 (~8/10) @ Niche Gallery (銀座三丁目)
(細密写実画なのだが、装飾画の趣きなのはなぜだろう。背景をあえて一様に塗り、立体感の表出を拒否しているからだ。画廊の西村冨彌先生と美術論を楽しんだ。)

240806 幻視怪獣展 (~8/18) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(開田裕治怪獣画個展。イラストや挿絵のジャンルに整理するにはあまりに高度な開田作品。一角獣やドラゴンが洋画モチーフになるのであれば、怪獣画もアートとしてジャンル解釈を昇格するのが真っ当だ。)

240806 エンク・デ・クラマー展 (~8/12) @ Oギャラリー (銀座一丁目)
(一点ものの版画作品で勝負するオランダ人 Enk de Kramer さんの恒例の個展。大判の画集 「形態と内容が織り成す偶然」 は 4,800円でも高くないと思った。いい作品ではあるが、抽象度がぼくの好みの範囲外なのでごめんなさい。)

240805 インテリアにしたくなる 「書」 キャレモジ展 (~8/12) @ Bunkamura Gallery (道玄坂二丁目)
(Carre MOJI. コンクリート・ポエムとしての書、と言い換えてみようか。現代洋式空間にもフィットする書と表装の提案だ。)

240805 寺山修司幻想写真館 『犬神家の人々』 (~9/2) @ ポスターハリスギャラリー (道玄坂二丁目)
(寺山修司さんの偉大さをさらにまた再認識させられた。荒木経惟さんに弟子入りして写真を学び、「実在しない怪奇映画のスチール写真」 シリーズなど、いまも新鮮度100%の作品群を残した。賞讃の気持ちに満ちて、『写真屋・寺山修司』 など4冊を購入。)

240805 Good Art Goods Shop ― "お気に入り" を見つけるアートグッズのお店 (~8/6) @ 西武渋谷店A館7階
(日笠隼人さんの、青ペンに赤ペンのアクセントを交えたイラスト画。O Jun さんを連想させるものも。画集を見たら、いい絵を描くひとだ。
平田八荒(はっこう)さんは、切り取った影をコラージュする。万華鏡ボックスも、趣向がおもしろい。2人は、セツ・モードセミナー卒の同期。)


240805 杉山智佳子展 ―献華と蛙― (~8/5) @ 西武渋谷店B館8階
(蛙と花をあしらった作品は、美とグロテスクの落差がおもしろい。色を練り込んだ粘土を捏ねた花びらは、ウェッジウッドのジャスパーウェアをより多彩にしたような風合いだ。パーツを焼いてつないだ総重量400キロ以上の巨蛙献華に納得。多摩美工藝卒。)

240804 岡田裕子(ひろこ)展 「No Dress Code」 (~8/11) @ ミヅマアートギャラリー (銀座四丁目)
(岡田裕子 × O JUN トークショー&ライブ上映 「サロン No Dress Code」 に参りました。2時間ぶっ通しのトーク。途中、田中啓介さんの音楽つきの映像作品上映と、クレヨンナイフ・クレヨンフォークで丸皿にお絵かきの時間も挟んで。会田誠さんの奥さまだったとは! 岡田さんの演劇・映像志向に、林千歩さんの世界もきっと通じているんだな。O Jun さんも、国立新美術館などで作品を拝見し、大好きな作家さん。近くからおふたりに会えてよかった。話しかける勇気がない自分が、ちょっと悲しかったんですが。名声を得ている作家さんの前で、今さら作品を褒めてもね、と思ってしまうわけで。)

240804 INSIDE 坪島悠貴展 金属による造形作品の展示 (~8/4) @ Gallery 銀座フォレスト (銀座一丁目)
(蚤や猛禽、鶏を、可動部分つきのお手頃サイズの金工作品に仕立てる。抽象に踏み込む作品もあったが、具象作品のほうが需要に応えていると思うけど。武蔵美金工 院在籍。)

240804 梨本柚子展 London Eye (~8/5) @ アモーレ銀座ギャラリー (銀座一丁目)
(Facebook で語られる思いが熱くて、これは見なければと出かけた。風景を適度な抽象仕立てにした水彩画・油画で、好感。エレガントな傘の商品化もすてき。ギャラリーオーナーの女性、江波 信(こうは・しん)さんが元気がいい。)

240802 The Los Angeles County Museum of Art (LACMA) @ 米国ロサンゼルス Wilshire Boulevard
(3度目の LACMA です。Hammer Building の朝鮮・中国の展示は、ガラクタの巣で目を覆うばかり。中東美術も充実には程遠い。Pavilion for Japanese Art は、入口近くの近代根付の展示はよかったが、本展示は墨の掛物ばかりで無味枯淡。Art of the Americas Building は、そこそこ楽しめたが、Edward Hopper が一作もないなんて! いちおう、LACMA の全貌は把握できた。現代美術は新鮮だし、泰西美術コレクションはすばらしいが…。)

240801 Bleicher/Golightly Gallery @ 米国サンタモニカ市 Ocean Avenue
(Hamilton Galleries と共にひとつの部屋を仕切って設営されたスペース。筆を使わずパレットナイフで印象派風景画を描く女性 Gay Summer Rick さんの個展 "Series in Sand and Sky" をやっていた。)

240801 Hamilton Galleries Contemporary Art @ 米国サンタモニカ市 Ocean Avenue
(Jeanie Madsen Gallery の隣りにある画廊。Warren Long さんの油画が、とぼけた味があってよかった。)

240801 Jeanie Madsen Gallery @ 米国サンタモニカ市 Ocean Avenue
(仕事のあと、駐在員がサンタモニカの Ocean Avenue Seafood Restaurant & Oyster Bar に連れて行ってくれた。他の人たちが買い物をしている間に、すばやく画廊を見つけました。若いアーティストの現代アート。シャイな韓国人 Mimi Yoon さんの少女たち。パワフルなレリーフコラージュは Jennifer Verge さん。)

240729 The Los Angeles County Museum of Art (LACMA) @ 米国ロサンゼルス Wilshire Boulevard
(2度目の LACMA です。今回は 3時間ありましたが、どうせ全部は見られないのだからと思って、じっくりモードで見すぎてしまった。もう少しハイペースで回ればよかったな。Broad Contemporary Art Museum へ行き、目下の企画展を観てから、Ahmanson Building の展示をひと通り。日本に持ってくれば柵とガラスと人だかりでゆっくり見られない名品が、貸切り状態のホールでキスができそうな近さで見られるのは最高。)

240727 バーン=ジョーンズ展 ― 装飾と象徴 (~8/19) @ 三菱一号館美術館 (丸の内二丁目)
(Edward Burne-Jones の、怪奇の色を帯びた神話のグワッシュ+チョーク画。現代につながるジャンルだ。登場する女性たちの顔に表情がないのが、神話の所以なのかもしれないけれど、ぼくには物足りない感じがする。)

240727 わたしの中の小泉八雲 ―イメージと創作― (~7/30) @ Gallery 枝香庵 (銀座三丁目)
(7人展。古茂田杏子さんの銅版画は、闇にも柔らかな光が見えて、ぼく好み。阿部清子さんが、怪奇な風のただよう作品を3点。こんな境地の絵も描かれるとは。)

240727 新世代への視点2012 伊藤 航(わたる)展 (~8/4) @ ギャラリー58 (銀座四丁目)
(東京藝大で漆芸を学んだひとの、紙細工。企画展図録に掲載の水上空港紙模型を楽しみに4階まで階段を上がったら、それは去年の展示物だったんだって! がっくり…。)

240727 平島毅作品展 (~8/12) @ 東京国際フォーラムB棟1階フォーラム・アート・ショップ内ギャラリー (丸の内三丁目)
(染色の技を生かした混色の妙。絵画手法でいえばステイニングの感じを出しつつ、プリミティヴな動物キャラの絵画を多数の小品で展開する。)

240725 新世代への視点2012 永井 優(まさる)展 (~8/4) @ ギャラリーQ (銀座一丁目) 
(エレキギターをかけて はにかむ赤い靴の少女の顔は能面で隠されて。能面の現代群像シリーズ。日本画の味わいの色調を油画で現出させる腕前は確かだが、肝心の能面に入魂が足りない作が散見するのは惜しまれる。多摩美油画 院修了。)

240725 新世代への視点2012 杉浦 晶(あきら)展 (~8/4) @ ギャラリーなつか (京橋三丁目) 
(たしかな幻視写実でトリップさせてくれる、ぼくが好きなジャンルのド真ん中。赤箱黒服男の連作は、戯曲へと再構成したくなる。横長の室内パノラマ画は、右から左へ彩りよくハプニングが展開する。演劇や映画から新たな肥やしを得て、さらに跳んだらどうなるかしらん。学習院大で美術史修士、その後 筑波大で洋画を学ぶ。シャイな美女である。)

行きたかったのに! 清水智裕展 “道の向こうに見えるもの” (~8/24) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目) 
(会期を間違えて行きそこね痛恨の思い。DM 葉書の少女のさっぱりとしたところが、ぼくの長女を思わせて、見ているだけで胸が苦しいほど愛しくなる。清水智裕さんの作品は、ぜひうちに飾りたいと思う。行けなかった個展のことを、画廊メモにはじめて書きました。)

240723 新世代への視点2012 友成哲郎(ともなり・てつろう) 「鳥獣飢餓」 (~8/4) @ ギャルリー東京ユマニテ (京橋二丁目) 
(五美大展の、煙突のてっぺんで走りめぐる人間鶏は、造形大の作品のなかで突出していた。それを見た佃 舞衣さんが ULTRA004 展では檻の人間兎ちゃんを、そして今回は素焼き彩色の人間モグラちゃんたちをキュレーションした。今回は公開されてませんが、飴人間を水に溶解させて逆回しした3分間の映像作品もあるそうで、いつか見たいものです。)

240722 胃画廊展 (~7/31) @ ポスターハリスギャラリー (道玄坂二丁目) 
(市場大介さんの じょぼじょぼとワイルドな女性のドローイング。玉野大介さんの謎解き油画。)

240722 伊集院真理子陶展 Soundscape (~8/1) @ Bunkamura Box Gallery (道玄坂二丁目) 
(リズム感のある造形と描線、彩色。このスタイルの陶で一日を過ごせれば、きっと楽しいだろう。)

240722 渋谷区制施行80周年記念 田渕俊夫展 ~いのちの煌めき~ (~7/22) @ 渋谷区立松濤美術館 (松濤二丁目) 
(銀座六丁目のギャラリー長谷川で田渕俊夫作品に出会い、パリ展の図録もいただいたことがある。田渕さんの、月が好きだ。装飾性ゆたかで、丹念な仕事。日本画の世界の王道を見る思い。今回は、水墨画の大作群も見せていただいた。)

240720 ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年 (~9/17) @ 国立西洋美術館 
(マウリッツハイス美術館展よりも2段くらい格上の展覧会だった。ルーカス・クラーナハ父の 「ルクレティア」 やグレゴリオ・ディ・ロレンツォの女性の胸部肖像 (舟越 桂さんの木彫を思い出しつつ鑑賞) と、閉館前の至福のときを分かち合った。展覧会前半は絵画と彫刻作品を混在させて、回遊性のある動線の、好ましい展開だ。残念ながらフェルメールの 「真珠の首飾りの少女」 の前は閉館まで蠅のような人だかり。)

240720 第6回大学版画展受賞者展 ―第36回全国大学版画展受賞者による作品展― (~7/24) @ 文房堂ギャラリー (神田神保町一丁目) 
(30人展。レベルは高いのですが、ストーリーを紡ぎ出す作品に出会えなかったのが残念。ぼくの側に、それを読み取る姿勢が足りなかったかもしれないけれど。)

240719 フランス海軍の公式画家たち Official Painters of the French Navy (~8/1) @ Reijinsha Gallery (銀座六丁目) 
(Paul Ambille, Michel King, Francois Bellec の3人展。海と船を中心テーマにしたすがすがしい彩色の作品。彩色のセンスは共通しつつ、筆致の異なる3人だ。Michel King さんの、朱色にきらめく帆の群れる 「大帆船」 が気に入った。)

240718 Katayama Joe 片山穣展 ―誰でも心は― (~7/29) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目) 
(蝋纈染めのエッチング手法で染色ではなく 「脱色」 させることにより、油画や版画では生み出し難い黒地に薄色の描線を実現。現代人心理の葛藤を新鮮な描線に託す。昭和60年生まれ、東京藝大工藝科染織卒。)

240718 MY duo 2012 深沢軍治 西田弘英 (~7/29) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目) 
(ベテランの2人展。西田さんは、点描画ならぬ 「泡描画」 とでも言うべき、リアルに再現した細かな気泡で顔を描く。本業はお寺の住職さんで、本格的な個展は初めて。昭和36年生まれ、京都精華大卒。
いっぽう深沢さんの油画は、版画出身のひとと知って納得する、軽やかな静寂。昭和18年生まれ、東京藝大版画 院修了、京都市立藝大教授。)


240718 大竹夏紀展 (~7/21) @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目) 
(キュートなアイドルガールを蝋纈染めの手法で極楽色に切り取る。大竹さんの個展を見るのは3回目。キュートさアップ! 前回までテキスタイルの切り取りパーツを壁に貼り付けて完成させる大作ぞろいだったので、「額に入った、コレクターが買える作品があればいいのに」 と画廊オーナーの小林 勝さんに話していたところ、今回は額入り作品も。お手頃価格の2点は初日完売でしたと。)

240718 木村浩之展 はっけよい ―相撲人形と墨絵― (~7/21) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目) 
(七輪をつかって焼いたテラコッタ人形に味わいあり。墨絵も相撲取りの豊かなからだを的確にとらえる。)

240717 BANG 東京藝大13人展 (~8/15) @ NOS ORG (宇田川町) 
(渋谷のダイニング・バーでのイベント。東京藝大油画修士2年の映像作家・林 千歩(ちほ)さんの、身を張った作品のダイジェストが、こういうスペースにはよく合うね。千歩さんとともに出演した多摩美情報デザインの変装作家・大坪ゆりさんもいて、お話しできました。林千歩さんの構想油画小品 「それはとても綺麗で、光に反射してキラキラとしていた」 を購入 (tridek mil)
ほかには藤江いづみさんの麻の二重織作品 “The Deities' Marriage” がよかった。テキスタイル作品ではじめて 「欲しいな!」 と思った。予算オーバーでしたが。昭和62年生まれ、東京藝大工藝科のひとです。)


240714 唐仁原 希(とうじんばら・のぞみ)「さよならのあと」 (~7/29) @ トーキョーワンダーサイト本郷3F (本郷二丁目) 
(猫目キャラの人魚や人蛇や泰西名画パロディなど。人魚8名の入浴の図 「memory (幸せだった気がする)」 や、支那骨董の部屋にガラスケース入りにされた人魚の図 「寂しいと言わないで」。昭和59年生まれ、京都市律藝大 院修了。筆致にまだ雑なところがあるけれど、ファイルを拝見すると年を追うごとにぐんぐんうまくなっている人なので、今後がとても楽しみです。)

240714 あべゆか 「欲望の国」 (~7/29) @ トーキョーワンダーサイト本郷2F (本郷二丁目) 
(本人を前に批評をしようと思って出てきた言葉は 「フェミニンな桑久保徹」 でした。大作が映える厚塗り。色彩は、こころよい酔いさえ感じさせます。昭和61年生まれ、東京藝大油画 院修了。)

240714 伊藤純代(すみよ) “Her memory” (~7/29) @ トーキョーワンダーサイト本郷1F (本郷二丁目) 
(リカちゃん人形を分解切断し、顔や金髪をホットグルー付けして、実物大少女人形のインスタレーションにしてしまった。昭和57年生まれ、武蔵美彫刻 院修了。)

240714 東京藝術大学デザイン科描画系 ShinPA!!!!!! 東京展 (~7/16) @ 佐藤美術館 (大京町) 
(26人展。小松冴果(さえか)さんの陶の造形 “me myself” が新鮮。淡い色付けもいい。買いたいです!
小柳景義さんの「阿吽」は、超巨岩を舞台に対峙する武士団を描き、人物だけ見ていると池田学さんを連想するが、相変わらず絵全体ががら空きで物足りなさが残るのは、なぜ?
押元一敏さんは今回も 「トルソ」 シリーズ。しかし、ぼくとしてはトルソのフォルム抽出のもととなった人物デッサン群を見たい。一生懸命に描かれたであろうトルソのフォルムには、まったく興味が湧かない。)


240714 藤井勘介展(「介」は土へん付) (~7/14) @ ギャラリー広岡美術 (神田駿河台三丁目) 
(芥子の花から よれよれの葉まで。あるいは、猿。写実の目が透徹するとき、いのちの姿は何と味わい深いことか。)

240713 マウリッツハイス美術館展 (~9/17) @ 東京都美術館企画棟企画展示室 
(江戸幕府成立後半世紀ほどのオランダに、今日の写実油画にそのままつながる光と影のモダンがあったことに、改めて驚嘆する。金曜夜の特権で、フェルメールの 「真珠の耳飾りの少女」 の前も常識的な混みぐあい。レンブラントの 「スザンナ」 「シメオンの讃歌」 そして晩年1669年の 「自画像」 がすばらしい。)

240713 魂の放浪者 村上肥出夫展 (~8/31) @ 兜屋画廊 (銀座八丁目) 
(兜屋画廊さんに初めて来た。昭和8年生まれの村上肥出夫さんの昭和39年作品 「夜空 (ニューヨーク) 」 の変幻を秘めたワイルドな濃い紫の空に打たれた。昭和36年作品の「お化け煙突」は、ぜひ足立区長室に飾ってほしいものだ。)

240713 仲條正義展 忘れちゃってEASY 思い出してCRAZY (~8/12) @ 資生堂ギャラリー (銀座八丁目) 
(昭和8年生まれ、東京藝大図案科卒後、資生堂宣伝部に入社、4年後にはフリーとなるも、『花椿』誌のアートディレクションなどで活躍された。今年79歳の仲條さんの本展のための新作デザイン展。毒を秘めたモダン。)

240713 杉山実展 巨少女 (~7/21) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目) 
(無表情な美少女キャラの戦闘機械は、マンガ越えしてる。昭和48年生まれ、多摩美 院修了。)

240712 東京画廊60年の表現 ― 関根美夫(よしお) (~7/18) @ 東京画廊+BTAP (銀座八丁目) 
(そろばんからデザインを紡ぎ出し続けた関根さんの作品、画廊コレクション展。大正11年生まれ、平成元年死去。)

240712 Prologue VIII シェル美術賞展2011入選作家による選抜8人展 (~7/20) @ Gallery Art Point (銀座八丁目) 
(大きめの想像昆虫フィギュアのヴァラエティで楽しませてくれる川越ゆりえさんがテーマ設定で楽しませる 「分裂」 と 「弱虫」 の箱。カラフルさが売りでもあるだけに、すべて黒にして新境地を狙った 「影」 には疑問符。鈴木 圭さんの、漆喰にしめやかに描かれたような絵もいいし、イタリア・米国で修業した Yogyami さんの街夜景 「Lalalala ライト」 もいい。)

240711 本橋松二 写真展 「馬の名前」 (~7/17) @ マキイマサルファインアーツ2F (浅草橋一丁目) 
(広い帯状の印画紙にワイルドに現像させた、繊細な陰影の写真。)

240711 吉田晋之介 Unknown Future and Forgettable Past (~7/28) @ Gallery MoMo Ryogoku (墨田区亀沢一丁目) 
(浮遊する四角い枠構造物が、時空にふしぎな現実味を与える。なにげなく散らしたように見える色の飛沫が、そこにある水面を実感させるのは、なぜだろう。昭和58年生まれ、東京藝大油画技法材料 院修了。)

240711 北 彩子 「私の知らない物語」 (~7/14) @ Fuma Contemporary Tokyo (中央区入船一丁目) 
(木彫にアクリル樹脂の胴体あるいは、こぼれた水。一見して無表情な少女の表情は、空間に浮遊している。多摩美 院修了。)

240711 松元久子展 ジンク ―神供― (~7/14) @ Fuma Contemporary Tokyo (中央区入船一丁目) 
(去年 INAX で 「陶 Crocodile Body」 を見た。東京藝大彫刻の修了展の案内も下さり、今回も。焼きの、いい味。手首を文字通り絞りきった 「手」 の陶作品も印象に残った。)

240711 田口雅巳遺作展 鳥獣戯画―北齋漫画―河鍋暁齋―田口雅巳 (~7/28) @ 東邦画廊 (京橋三丁目) 
(初めて足を踏み入れた画廊。平成22年に74歳でなくなった田口さんの諧謔カラフル。画廊オーナーの中岡吉典さんは、かつてぼくの勤務先に絵を納入していたこともあったという。)

240711 神山玄(はるか)絵画展 (~7/14) @ 翠波画廊 (京橋三丁目) 
(羅針盤などで何度も拝見した神山作品。古びた自動車を日本画で描かれると新鮮なので、好き。蝶の脚がどうもうまく描けないみたいだねぇ。)

240711 みやかどちあき (~7/14) @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目) 
(色鉛筆とアクリル絵具で、おかしな女の子の、おかしな独り言。「キャベツ食べるだけの人生ってあるの?」 多摩美テキスタイルデザイン出身で、絵は上手とは言えないけれど、忘れがたいインパクトを残してくれる。宮角千明さん、次の個展も楽しみにしてるよ!)

240709 中田真央(なかだ・まお)展 ~melancholic~ (~7/21) @ Galleria Grafica bis (銀座六丁目) 
(去年6月に中田真央さんの描く美少女と蛸のからみを見た。浮世絵のテーマだ。気になる存在。もともと木版画から出発したひと。今回は美少女がさらに明るい。昭和56年生まれ、名古屋藝大卒、多摩美 院修了。)

240709 Landscape of the Beginning 毛塚多恵×三原奈津子 (~7/18) @ ギャラリー日比谷 (有楽町一丁目) 
(女子美洋画 院修了のふたり。毛塚さんの木彫+αの個展を見るのは3度目。ものともののスケール合わせに留意がほしい。三原さんのヴィヴィッドな色彩のレリーフとインスタレーションは期待以上の出来。発泡スチロールに寒冷紗、石膏で木彫の感じが出ている。昔はほんとに木でつくったため、殺人的に重かったそうだ。)

240709 The Light 「光の肖像」 展 (~7/20) @ 永井画廊 
(予想を大きく上回る必見のグループ展だった。広島市立大油絵専攻生たちが被爆者・被爆2世・3世の肖像画と本展のための自由制作作品1点をそれぞれ展示。それぞれ一流のリアリズム作品に仕上がっていて、東京藝大越えしている。三木はるなさんの、血色のいい美少女画 「月を食べる」 が、よほど欲しくなった。)

240709 浅井飛人(ひっと) greed + greed (~7/21) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目) 
(コミカルな木彫の顔や手に、鍛金の胴体や帽子を組み合わせた、浅井ワールド。ギャラリーがテーマパークに変わる。多摩美彫刻 院修了。)

240709 井澤由花子(いざわ・ゆかこ) creation of your world (~7/21) @ Gallery Tsubaki/GT2 (京橋三丁目) 
(思いきり水をふくんだ水彩で、子の誕生前から育みに至る心境変化を幻想風景に展開する。多摩美油画卒。)

240709 松本慎吾日本画作品展 (~7/14) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目) 
(エンジンを組み込みクレーンで触角を代替し鉄骨や鋏で手脚をあらわすリアルな魚介図。羅針盤、煉瓦画廊で個展を見てきた注目の作家。今回、ザリガニに大作は奥行感もあって別格。多摩美日本画 院修了。)


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