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「都市鉱山」。
携帯電話をはじめ、家電製品などに含まれている様々な稀少金属の資源価値を言ったものだが、具体的にどうやって取り出すのだろう。 『日経産業新聞』 の特集企画記事 「持たざる国反撃」 の第2篇 「廃家電こそ鉱山 ― 秋田にリサイクル工場群」 を読んで認識を新たにした。 ≪ピカピカの新しい炉が二十四時間もくもくと煙を上げている。 秋田県北部の小坂(こさか)町で140億円を投じて、DOWAホールディングス子会社の小坂製錬(こさかせいれん)が今春稼働した新製錬設備。 ベルトコンベヤーで次々と炉に投入されるのは鉱石ではなく、3センチ角に破砕された携帯電話、工場から出たリードフレームなど電子部材、他の製錬所からの粘土状の残渣物(ざんさぶつ)などだ。≫ DOWAホールディングス という社名を知らなかった。 グループの総従業員数 4,166名。 「同和鉱業」 (こちらは聞いたことがある) が平成18年に改名した。 「せいれん」 といえば専ら 「精錬」 と思っていたが、今頃になってようやく学んだ。 鉱石からまず 「製錬」 して金属を取り出し、それを 「精錬」 することで純度を上げる、のであった。 小坂製錬株式会社 は従業員182名の会社だ。その会社が ≪インジウムやビスマスなど希少金属(レアメタル)を含め現在 17種類の金属を回収する。 回収量は年間金7トン、銀800トンを計画し、銀では国内需要の約3割を供給する。 同様の施設は世界でベルギーのユミコア社などまだ数例という。 だがDOWAの構想はそこにとどまらない。目指すのは世界に類をみない 「リサイクル・コンビナート」 の構築だ。 小坂町から車で約 40分の秋田県大館(おおだて)市。 ソニーなどの電機メーカーと共同出資したエコリサイクル社では、倉庫いっぱいに使用済みのエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が置かれる。≫ 株式会社エコリサイクル は、DOWAグループが60%、家電メーカー6社 (三洋電機、シャープ、ソニー、日立アプライアンス、富士通ゼネラル、三菱電機) が40%出資している。 ≪「この部分は銅分が多い」 「こっちは鉄だ」。 作業着姿の男たちがドライバーなどの工具を手に黙々と廃家電を解体する。 冷蔵庫は銅パイプやアルミ製の熱交換器など10〜15の部品に分類。 銅やアルミなどの金属分は小坂製錬に運ばれ、地金に生まれ変わる。鉄スクラップも製錬工程で脱酸材として活用する。 さらに廃家電から出るウレタンやフロンガスを隣接するグループ会社、エコシステム秋田社に運び焼却。 焼却灰は大館市と小坂町の自社の最終処分場で埋め立てる。≫ エコシステム秋田株式会社 は正社員67名の会社。サイトを見ると、じつに様々な廃棄物の処理を手がけている。 ≪廃棄物に含まれる金属資源を指す 「都市鉱山」 では日本は資源大国だ。 物質・材料研究機構によると日本には世界埋蔵量に比べ、金が 16%、銀は 22%、レアメタルもインジウムの 61%が製品や廃棄物に存在する。 金や銀は世界消費量の2〜3年分が眠る計算だ。≫ “都市鉱山” でいまグーグル検索すると 66,000件が出た。英語の “urban mine” は3,030件。 “廃家電” は 83,400件。ちなみに “廃車” が 5,270,000件、 “廃船” が 49,700件。 たぶんこれから 「廃家電」 の検索件数は 「廃車」 並みに激増するはずだ。 ≪これを掘り起こす技術も持つ。 DOWAの前身、藤田組が1884年に政府から払い下げを受けた小坂鉱山は、多種多様な金属を含む 「黒鉱」 と呼ばれる鉱石が主体なのが特徴。 耐熱温度などの異なる各金属の効率的な回収に 「丸1世紀努力を積み重ねてきた」 (小坂製錬の山田政雄社長)。 鉱山は1994年に閉山したものの、蓄積した技術を廃家電からの金属回収に生かした。≫ こうして日本の本領(そこぢから)が都市鉱山の採掘へも生かされる。 ぞくっとする。 ≪天然鉱石のほぼ全量を海外に依存する日本にとって国内資源の活用は生き残りの道でもある。 日鉱金属は来年3月までに約100億円を投じ茨城県日立市に 16種類の金属回収工場を建設する方針。 三菱マテリアルや三井金属もリサイクル原料の比率を高めている。 最大の課題は原料の安定調達。 秋田県ではデジタルカメラなど小型家電の回収実験を開始したものの、家庭などに滞留する家電はまだ多い。 秋田県北部が 「世界最大の鉱山」 となるには、 「まだ発展途上」 (DOWAの河野正樹社長) のリサイクル技術や回収網の構築などの革新が不可欠だ。≫ 稀少金属の意図的な輸出制限を、遠からず中国が外交の武器にするに違いないから、稀少金属の備蓄と社会的な再利用システムの確立は国家的課題。 そこに、1世紀に及ぶ日本の産業界の技が生かされるというのは、とてもいい話だと思うのだ。
素晴らしい発想ですね。 秋田の寒村にそのrecycle工業団地が出来ているとはオドロキです。 非資源国 日本の一つの明るい指針になりましょう。 小生はタイに在住ですが、Cambodiaへの国境に行くと、大量の古紙や古タイヤがタイから”輸出”されています。 きっと彼国で重宝されているのでしょう。 将来は、日本は廃家電を海外から”輸入”するのでしょうか? (Dec 16, 2008 01:12:23 PM)
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