|
|
|
|
| ホーム | 日記 | プロフィール | オークション | 掲示板 | ブックマーク | お買い物一覧 |
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |
「海水からウランを採取する」 という、神様からの贈り物みたいな技術の研究が進んでいる。
産経6月29日の1面記事で見て、勤務先の商社に入社したてのころ直属のT課長から聞いた話を思い出した。 昭和50年代後半。 サウジアラビアに納入した海水淡水化プラントが動きだしていた。 (サウジアラビアでは燃料が安いので、減圧蒸留方式、つまり海水を減圧室で加熱して効率的に水蒸気を生み出し、これを冷やして蒸留水に変える方式です。) T課長の上司が思いついた。 「海水には金(きん)などの希少性の高い金属が溶け込んでいる。普通の海水から採取しようとしたらコスト高になるが、海水淡水化プラントからの排水なら、水をかなり取り去った濃縮状態の海水だから、金属採取が効率的にできるのではないか」 T課長の上司のすごいところは、思いつきを即座に行動に移したことだ。 「ただちに、海水淡水化プラントからの排水を取り寄せて、金属採取が可能か確かめよ」 と指示を出し、実験させた。 結果は 「金属採取は、とても無理」 ということで、それっきりになったのだけど、絵に描いたような商社マン像で、若いころ聞いて以来わすれられない話になった。 * 海水からウランを採取する本格的実験の実施場所として、沖縄が候補地になっている。 水温が高いほど化学反応が起きやすく、ウラン採取の効率が増すそうだ。 7月4日付け 『沖縄タイムス』 の 海水から原発用ウラン採取/沖縄候補地に検討 開発機構 という報道を転載します。 ≪【東京】 独立行政法人 「日本原子力研究開発機構」 が原子力発電に使用するウランを海水から捕集する実験を沖縄で行うことを検討していることが3日、分かった。 同機構は内閣府が公募する最先端研究開発支援プログラムに研究費90億円の補助申請を予定しており、具体化すれば2009年度中に5年間で100キログラムのウランを捕集する実験計画に着手するという。 国内の原子力発電で使用するウラン 8,000 ~ 9,000 トンのほとんどは海外からの輸入に頼っているが、今後価格の上昇が見込まれるため、国内でのウラン採取が課題となっている。 同機構はポリエチレンを加工して海水に化学反応を発生させ、ウランを吸着する捕集材を開発。2001年から3年間、恩納村沖で実験した結果、30日間海底に沈めた1キログラムの捕集材で 1.5 グラムのウランを吸着するデータを集めた。 今後の実験では海底に捕集材を60日間沈め、陸地の施設内でウランを取り出す作業を行う。 1回の実験で捕集するウランは約2グラムと予想している。 同機構は恩納村での実験について 「黒潮が流れる沖縄は水温が暖かい。水温が高いほど化学反応は起きやすい」 と説明。 新たな実験場所として沖縄のほか、九州や四国を候補地に挙げているとした上で、「採取したウランが自然の放射量を超えることはない」 と安全性を強調した。≫ * 産経新聞6月29日1面報道も転載しておこう。 実用化の目標は8年後というから、たのもしい。 ≪国産ウラン、現実味 低コストで海水から採取 原子力機構 原子力発電の燃料となるウランを海水から採取する技術が実現に近づいている。 日本原子力研究開発機構は、最大の課題である採取コストをウランの実勢価格の3倍弱に引き下げる技術を確立した。 さらにコストダウンを進め、平成29年の実用化を目指す。 日本には年間8千トンのウラン需要があるが、全量を海外に依存している。 実現すれば、国産ウランに道を開き、日本のエネルギー安全保障にとっても朗報となる。 ウランは海水1トンに 3.3 ミリグラムの割合で溶け込んでいる。 海水中のウランを合計すると、ウラン鉱山の埋蔵量の1千倍にあたる 45 億トンに上るとみられている。 同機構は、放射線を当てることで素材にさまざまな機能を付加するグラフト重合法の応用を進めてきた。 その結果、布状のポリエチレン製捕集材を海中に漂わせるだけで、ウランを取り出す技術を確立した。捕集材1キログラム当たり4グラムのウランを採取できる。 最大の課題であるコストは捕集材を8回繰り返して使うことで低減し、ウラン1キログラム当たり 32,000 円程度に引き下げた。 ウラン価格は1キログラム= 13,000 円程度で推移しており、採取コストは3倍弱。 耐久性の面で、これ以上、捕集材を繰り返して使えないが、捕集材の改良などでさらにコストを引き下げられるとみている。 同機構では90億円の費用をかけ、来年からの5年間で100キログラムのウラン採取を目指す実証実験を沖縄で行う計画だ。 <注> 【グラフト重合法】 繊維や布などの素材に放射線を当てることで、接ぎ木(グラフト)のように、さまざまな性質を付け加える技術。 特定の有害物質を付着することもでき、クリーンルーム用のケミカルフィルターなどがこの技術でつくられる。 日本原子力研究開発機構はポリエチレン素材にウランを吸着する性質を持つアミドキシム基と呼ばれる機能を付け加えた。≫ [科学技術に驚く]カテゴリの最新記事
これら技術は私自身が学生時代の前から、長年研究されてきたものの、ウラン価格・需要の長期的な低迷によって基礎研究から発展できなかったものです。
今回の実証実験によってコストは度外視しても、すぐに実用化できる物ではなく、様々な課題が現れることと考えます。 しかし、これら課題の地道な解決が重要なのであって、希少資源(ウランに限らないことが肝要ですず)確保の有効なオプションとして開発保持する意義は大きな物と考えます。 <もっとも原子力発電コストにおける核燃料の割合は低く、ウラン確保コストも影響しますが、その後の濃縮、加工他のコストが大きなことも指摘すべき事実です。 そのため、本技術の無制限なコスト度外視は出来ませんが、それにこだわりすぎるのも不適であり、現時点では地道な実証研究開発が重要と愚考します。>(Jul 5, 2009 04:15:05 PM)
二十数年前の学生時代、卒研のテーマが海水中のウラン捕集でした。佐渡島での実験が懐かしいです。
化学処理した樹皮により選択的に捕集、濃縮する方法で、3ppbを100倍に濃縮する程度でした。 この記事を読む限り、素晴らしい成果といえます。(Jul 7, 2009 01:53:28 PM)
試験の候補地から恩納村ははずしたほうがいいでしょう。
去年隣りのうるま市のホワイトビーチで米軍の原潜が放射能漏れを起こした時、微量で自然の放射能量の範囲内にもかかわらず、魚が売れなくなるとか体に異変が起きたとか数ヶ月騒いでいました。 恩納村は観光地なので反対運動が必ず起こるでしょう。補助金目当てでしょうが、 それより政府からの援助の少ない奄美のどこかで試験を始めたほうがいい。 この恩納村に大学院大学が出来るそうですが、わざわざ研究者が来るのでしょうか? (Jul 7, 2009 04:54:07 PM) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
|