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Aug 3, 2011
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カテゴリ:美術館・画廊メモ
アートフェア東京に行ったのは、はじめて。これまで行かないでいたのは、人生の損失だった。

いまパンフレットで数えたら、129もの画廊がブースを構えていたらしい。
3時間あまりでひととおり回って、同じ通路を何度か行き来したので、あらかた見終わったものと思ったが、帰宅して資料を見るとあきらかに行ってないブースもある。
後悔しそうで、丹念にチェックするのがおそろしい。
来年は体調を整え、時間をたっぷりとってアートフェアに臨もう。

日展や二科展のようなトップクラスの公募展も、ゆっくりと名品に対面できて大好きだけど、アートフェアはそれを上回る快感を与えてくれた。

狭い場所に観覧者が わんさといるので落ち着いて鑑賞しにくいのは、アートフェアの残念なところ。
だけど、世の中に売り出したい作家の作品を各画廊がプライド+ビジネスの視点で選んでいるから、退屈な ひとりよがりの作品がない。心を惹きこむ作品で満ちている。

「疲れをしらない子供のように…」
という歌そのままの状態にトリップしてしまった。



秋華洞のブースに、阿部清子さんがいた。
彼女の描いた女性画 「残響」 はぼくの大層のお気に入りで、ぼくの部屋の扉の真ん前の廊下に飾ってある。
(アートフェアでも阿部清子作品は3点とも売約済になっていた。)

阿部さんが
「何か収穫がありましたか」
と聞く。

「この絵と一緒に過ごせたら」 とぼくが思った絵を言えば、

・ 齋藤ナオさん (岸本画廊) 「オッペルと象」

  宮沢賢治作品に取材した10点ほどの油画のなかでもこの絵は、オッペルと象のそれぞれの目がじつに優しく、心にしみいる。フレスコ画を思わせる彩色も、飽きさせない。
  売約済になっていなければ、名乗りをあげるべきか相当悩んだはずだ。
  齋藤ナオさんがブースにおられたので、称賛の気持ちを申し上げた。

・ 笹本正明さん (千代春画廊) 「Cosmo-Radio」

  蠱惑(こわく)の目の女性を配し、クリムトを思わせる華やかなる闇の装飾。日本画。
  笹本さんの幻想画はぼくの好みで、まず絵葉書と卓上カレンダーを購入しました。幻想女性画の ど真ん中をついた絵が並ぶなかぼくが注目したのは、妖精が閉じ込められた3本の真空管からなるアンティークのラジオの絵。
  最近財布をしぼっているので予算オーバーだったのだけど、リトグラフにしていただければぜひ手元に置きたかった。
  笹本正明さんがブースにおられて、Cosmo-Radio に隠された意匠について説明してくれました。

・ 卯野(うの)和宏さん (ギャラリー銀座アントン) 「明日を待つ」 「雲間の呼吸」

  まさにトレンディな細密写実の女性画。ことにこの2作はモデルさんがぼくの好みです。
  彼女の凛とした美しさを引き出して、肌の透明感まで表現することで いのちが吹き込まれている。人気作家なので当然売約済作品です。
  小画集はさっそく買い求めて、卯野和宏さんのサインをいただきました。2年でも3年でも待つから注文画をおねがいしたいと、画廊のかたに申し上げましたが、小さいサイズを前提にした ぼくの予算がいささか低すぎた印象。
  たしかに、いいモデルさんに時間をもらい、丁寧に顔を描き込むのに心血を注ぐわけだから、あるていど以上のサイズの絵にしないと引き合わないのでしょう。



会えて話せてうれしかった画廊オーナーといえば、Gallery Suchi の須知吾朗さん。このかたとは、とても波長が合いますね。作家をだいじにし作品をいつくしみたい思いを、共有しているのが分かるのです。

展示は、渡抜 亮(わたぬき・りょう)さんの細密写実の女性画で、質感の再現に加えて光と影にドラマがある。
ことし春に画廊のほうで見せていただいたものでしたが、あらためて会場で作品に会えてこころに灯がともる思い。

Megumi Ogita Gallery のブースは、Julie Heffernan さんの 描きに描き込まれた幻想画。
ひとつひとつのパーツの意匠は泰西名画由来の趣きですが、全体構成はファンタジー映画を1枚の絵に展開してしまったような遊びに満ちた豊饒さ。

オリジナルが見られてよかったとしみじみ思った作品群でした。
Julie Heffernan さんは昭和31年イリノイ州生まれ、北部カリフォルニア育ち。

アートフェアへの恋文はいくらでも書きつづけられますが、この辺で。





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最終更新日  Aug 3, 2011 08:11:27 AM
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