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私が扱うアンティークの中で、一番の売れ筋は、『アンティークジュエリー』だ。基本的に、100年をめどに、その前後に(1850年位から1950年位が主な取り扱い範囲)作られたジュエリーは、当時の職人や、ジュエリーデザイナーの意気込み、思い入れ、手間のかけ具合がひしひしと伝わってくるような逸品ばかり。
とくに、鑑賞するだけでなく、実際に身につけられる、というのも、人気のひとつの理由だろう。 ジュエリーの中でも、群を抜いて人気があるのは、『ダイヤモンド』のジュエリー。太古の昔から、ダイヤモンドはあらゆる女性、人間を魅了してきた。ダイヤモンドの逸話は、いくつもある。なかには、所有する者すべてを死におとしいれるという、いわくつきのダイヤモンド、なんていうのもあるらしい。 今日の朝日新聞に、ダイヤ取引についての記事があった。 『ダイヤモンドは、永遠の輝き。 デビアス』とかいうキャッチコピー、結構耳にしたことがある人が多いのではないだろうか。 この「デビアス」なる会社、世界で最大のダイヤ鉱山のある南アフリカの、ダイヤ原石卸の最大手の会社だ。 かつて、世界のダイヤ鉱山の9割をもおさえていた。そして、この会社こそが、ダイヤの「世界一高い宝石」という地位を維持させていたのである。(流出する量をコントロールして、値段を一定に保っているのです) そのダイヤモンドの原石のうちの85%は、ベルギーのアントワープにおいて取引されている。しかも、ほとんどはユダヤ人や、ユダヤ系企業によって。 私たちが、ロンドンやパリに仕入れに行っても、黒い帽子に黒マント、もじゃもじゃの長いひげをはやしたユダヤ人のおじさんたちが、薄汚れた台の上に、黒い布を広げ、小汚い袋の中からおもむろにジュエリーを『ジャラっ』と出す光景にしばしば出くわす。 彼らは、放浪の民であるため、現金や貯金は持たず、基本的に持ち物を貴金属に変える。金やプラチナ、宝石の値段は、全世界共通だから、通貨を両替してるよりは、都合がいい。また、身に着けて一番隠しやすく、略奪されにくい(ナチスのユダヤ人虐殺が一番記憶に新しいのかな)。とにかく、ユダヤ人は、昔から追われる立場で、その中で、自然と生きるすべをみにつけてきた。 とにかく、このダイヤの世界は、ユダヤ人の手の中ですべてが行われていた。今日の記事は、そのユダヤ支配を、インド系の会社が崩そうとしている、という内容だった。 数百年(新聞によると15世紀位からだから、600年くらい!)、ユダヤ人の支配下にあったものが、だんだん崩れていく。 しかも、インターネットによる売買価格の透明化が進んでいるらしい。 う~~ん、、、これも、時代の流れ・・・。安心なような、寂しいような・・・。 私のように末端でダイヤにかかわっている人間にとっても、ダイヤの値段が下がったり、公正になるのは、うれしいけど、なんか、ユダヤ人のあの『ダイヤ屋です』みたいな雰囲気が減るのは、寂しいなあ。 まあ、アンティークのダイヤの価値は変わらないから、現代のダイヤの値段が、あまり暴落しないことを祈ります。 本日の教訓: ダイヤモンドは永遠の輝き、、、、でも、その輝きに惑わされてはいけないわ!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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