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「一石州御運上銀、今未ノ刻御着、笠岡や蔵ニ入御符印被成、鎰ハ笠岡屋へ御置被成候 合 灰吹銀三百弐貫三百五匁六分壱厘 丁銀弐百四拾九貫八百五拾七匁壱分弐厘 此箱数五拾六箱 御宰領衆弐人 勝岡久左衛門様 川井喜田右衛門様 一馬四拾七疋 市村より尾道迄 内 弐拾八疋 御銀馬 弐疋 皆具馬 弐疋 乗掛馬 拾疋 中荷馬 五疋 余慶馬」(宝永二年(1705)九月十三日、「十四日町年誌」) 石州御運上銀が今日午後2時頃到着した。笠岡屋の蔵に入れて封印し、鍵は笠岡屋へ預けられた。荷物は、灰吹銀が302貫305匁6「分」1厘、丁銀が249貫857匁1「分」2厘。箱数では56箱。御宰領衆は2人(勝岡久左衛門様・川井喜田右衛門様)。市村から尾道までの輸送に使つた馬は合計47疋(御銀馬28疋・皆具馬2疋・乗掛馬2疋・中荷馬10疋・余慶馬5疋)である。 石州御運上銀については 「石州御銀」と題してブログの記事(2008/09/17)にしました。同様な内容ですが、今回は銀の単位「分」に焦点を当てます。 【分】ふん。(『広辞苑』) (1)尺貫法で、1匁の10分の1。 「灰吹銀……五匁六分……」は重量単位ですから、「五匁六分(ぶ)」と読まないで、「五匁六分(ふん)」と読むことが分ります。 【分】ぶ。(『広辞苑』) 江戸時代の貨幣単位。(1)金1両の4分の1。 金貨の方は、「七両三分(ぶ)の春駒春駒」のごとく「分(ぶ)」と読む……と理解して、ブログ「三分」(2008/03/01)を書きました。 「慣用音として「分」を「ぶ」と読むときは一両の4分の1、一朱の4倍を示す。金一両は銀六十匁に当たるので、一両の4分の1の銀一分(ぶ)は銀十五匁に当たる。「分」を「ふん」と読むときは、銀一匁(そう)の10分の1、一りの10倍のことである。銀六十匁が金一両に当たるので、銀一分(ぷん)は一両の600分の1である。」(「古銭語事典」(国書刊行会)、「レファレンス協同データベース」) ところが、 【分】ぶ。(『広辞苑』) (2)銀1匁の10分の1。 との“怪しい”解説がありますが、これは一体どうした訳でしようか? 次に「皆具馬」について考えました。 【皆具】かいぐ。(『広辞苑』) 装束・武具・馬具などの、各部分の一揃い。一式。 と、ピントの外れた説明です。『広島市史』で見つけました。「皆具馬(鞍を置いた馬)」でした。 「皆具馬」は、「石州御銀」のブログの「御乗馬」に相当するものでしょう。宰領は2人いますから、「皆具馬」は「弐疋」です。「乗掛馬弐疋」は中間が2人がいることを示唆するものと思つています。「御銀馬」は1疋の馬が2つの箱(20貫)を載せていたことも分ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009/06/06 08:05:31 AM
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