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言葉を“面白狩る”

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2010/07/21
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「イツゾヤ(紀州)南遊同道候同郷漢、此節滞坂、金をつかひ、其禍逮及寒儒襄、コマリ居申候(自注-ウソを言テ、僕に金五円を借、而五覇之信義と相成居候)。為御心得申上置候」(文政9年、篠崎小竹宛頼山陽書翰)
以前、紀州旅行の際に同道した同郷の男が、この程大坂に滞在して金を使い果し、そのため被害が寒儒の私(襄)にまで及び、困っております。その男、嘘を言って私から金五円を借り受けて「五覇之信義」となっています。御心得のため申上げます。


貸した金額「五円」とは何のことか、「円」は明治4年に制定された通貨単位のはずなのに、頼山陽はすでに文政9年に使っている……。

「古事類苑」にその答がありました。


「又一両ヲ一圓ト云ヒ、一分ヲ一方ト云フガ如キハ、徳川時代、漢学書生間ノ通語ナリキ」(「古事類苑」泉貨部)

「五円」とは「五両」のことでした。「漢学書生」が得意げに使っていたのなら、中国から入ってきた言葉でしょう。「一方」の用例は知りません。









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最終更新日  2010/07/21 02:54:06 PM



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