「道徳」ということについて書くのに、どうにもなかなか切り口が見つけ出せなかった。

こういう場合、ボーっと考えていて、インスピレーションを待つなんてことをいつもはするのだけれど、なぜかそうはできなかった。

なんか「時間がない（ノータイム）」という強迫観念ばかりがあったのね。

これって、単純に切り口の見つけ出せなさにイラついていたのかと思っていた。

よくみてみると、実態は違うな。

ようちゃん２号が、自分で理解するために結局、マイナスの位置から「道徳」をわかろうとしているときに、世の中は「道徳なんか知らないよ」っていうふうになってきているから「時間がない」と思うんだよ。

例えば、政治の中に「道徳」が生きているとしたら、「いじめは悪いこと」ぐらいの共通理解があってもいいと思うのね。

郵政民営化の是非を問う議論にちゃんと加わらない人がいて、そういう人は次回の公認をしないというのならわかる。

だけど、議論もないままに党の決定に従わないのなら公認をしないっていうのは、本末転倒なんじゃないの？

そんで、そういう本末転倒をみんなで放っておくから、また、反対派議員の選挙区に別の候補を立てるような、あらたないじめが起きる。

細かいことはわからんけれど、このいじめの過程で議員一人が自殺しているんじゃないのかね？

「道徳」としてどうなの？っていうことが、なーんもない。

なーんにもないんだとしたら、やっぱり「道徳」は考慮されていない。

…死んでいる。

そもそも、「政治」は「道徳」なんかと違う論理で動いているのかね？

でもね、だったら、「教育問題」とかって、わかったように言わないで欲しいね。

「自分には道徳はわかりません」とか、「政治は道徳とは関係ありません」「政治と教育は関係ありませんのでわかりません」って言って欲しい。

ＪＲ西日本の事故で、マスコミがバカなんじゃないのって思えるくらいの責任追及をやったけれど、こうやって見ると「道徳」っていうのがさも「死んでいませんよ」っていうカモフラージュでしかなかったって感じもする。

もうそろそろ「道徳」があるかのようにふるまうの、やめてくれないかね？

大人が「いじめは悪いことだ」と口では言い、実際の行動ではいじめをしているのに、子どもには道徳的に「いじめはしてはいけない」って言うのってどう説明するのかね。

まやかしって、通じないんじゃないの？

ニーチェが１９世紀末に「たいへんだ！神は死んだ！」という叫びをあげたのと同じように、今、はっきり言うけれど、「道徳は死んだ！」とは言えないかな？

んで、「政治」と「道徳」がいつから切り離されたかはわからないけれど、今も切り離し続けているとようちゃん２号には見える小泉さんが「愛国心」から「靖国参拝」をしようなんていうのって、どうつながるのかさっぱりわからない。

「道徳」はなくても「愛国心」はあるって言うこと？

これって、参拝して欲しい方にも言えることなのかな？

なんか、「道徳」のない人たちが、ないからこそ動向をおもしろがれるっていう感じがする。


自分たちはもう「道徳」が死んでいることがわかっていて、勝手に違うゲームをしているくせに、「道徳」が生きているかに見せて、人に「道徳」を押し付け、「道徳」を盾に、「道徳」を信じる人を操作しているという図式。

自分たちはもう「神」が死んでいることがわかっていて、勝手に違うゲームをしているくせに、「神」が生きているかに見せて、人に「神」を押し付け、「神」を盾に、「神」を信じる人を操作している構造。

「なぜ人を殺してはいけないのか？」という問いに、冷たい反応（反応しさえしない反応）しかしていない人たちがいると思えるのは、「神」なり「道徳」なりが、もう死んでいることをわかっている人たちがいるからのような気がする。

ようちゃん２号、「わははー、そんなこと今頃、気が付いたの？」って指を指されて笑われている気がする。

ニーチェももしかしたら、その時代そんな人だったのかな？…。
（一緒にするのって失礼なのかな？）　


変なもの信じ込まされて、気付かないうちに、だんだん、殺されているような気がする。

殺されているものは何なのか？が見たい。