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クロスタイムの日記

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2006年10月30日 楽天プロフィール Add to Google XML

 イベントに参加して
[ タップ独立後 ]    

 スタジオを開いて1年。とある小さなイベントに生徒とともに参加した。ローカルカラー満載の地域限定色濃厚な、地元密着型。でも、私にとってはどうしても出たいこだわりの場だった。
 昨年同じイベントに初参加。しかし、スタジオを始めたばかりにて生徒募集の真っ最中。マスコミを利用するのはもちろん、どんな小さな機会でも宣伝する場が欲しかった私は、1人でパフォーマンスを披露した。実は、タップの強みはコレ。社交ダンスのように相手は必要なし。1m四方あれば、踊ることができる。しかし、いざ参加してみると…。私以外は、大勢の生徒さんによるチームだった。あちこちから「先生」と呼ぶ声が聞こえる。さ、さびしい~。あのときの孤独感は、今でも忘れない。「全て(準備・撤収も含め)を1人でこなされて、たくましいですねえ。」といわれたときは、もう…。ストレートに「生徒さんはいないのですか」といわれる方がよほどましだ。「来年は、必ず生徒と一緒に出る!なんちゃって先生ではなく、本当の先生になってここに戻る!」と心に誓った。
 今年の夏、イベントへの参加を宣言したときの生徒の反応は、一言でいうと<呆気にとられる>。1人の生徒がおずおずと発言した。「この中から何人選抜するのですか?」これには、こちらが大爆笑。選抜に悩むほど人数はおらんよ。私は即「基本的には全員!」と答えた。本気だったが、様々な事情から無理な生徒もいたため、結果的には有志となった。 
 その勇気ある生徒は5人。何しろタップどころかダンス経験ゼロからスタートし、半年~1年のキャリアで本番に挑もうというのだから、通常レッスン(週1回)だけでは足りるわけはなかった。経験不足を補うものは、練習量しかない。ある程度集中的にやらないと、忘れてしまう。というわけで、半ば強引に臨時の練習日を追加したが、全員文句一つ言わず参加してくれた。なんといってもタップ大好きな仲間達。日がたつにつれ及び腰は見事に鳴りを潜め、いつの間にやら本気モードに。笑いあり、ズッコケあり、混沌あり。賑やかでテンションが落ちないみんなのエネルギーに助けられ、その日を迎えた。
 今回踊りを作るにあたり、私には一つのイメージがあった。『シンプル&シャープ』。生徒は全員初舞台だから、踊りでギャラリーを引っ張れる時間はせいぜい5、6分。体力的にもそれが限界。衣装は、コテコテのタップスタイルでいこうと決めていた。振付けは、衣装に合わせたといってもいい。【黒のソフト帽、白ブラウス、黒チョーカー、太目の銀ラメサスペンダー、黒のパンツ】これがそのいでたち。本番数日前、衣装を着てみたところ、生徒一同まんざらでもない様子を見て、私は密かにほくそ笑んだ。
 当日の順番は、最後から2番目。出演前生徒達は他の演目を見た分、自分達のジャンルがどこともかぶらないオリジナル色が濃いことに、意を強くしたらしい。もちろん緊張感が消えることはなかったろうが、私が思っていた以上に落ち着きがあった。案外舞台度胸あるかも…。いざ始まってしまえば、私も一緒に踊っているからみんなの様子は気配でしか感じられない。本番の一週間くらい前から、言い続けたことがあった。「間違っても動きを止めるな。自分が正しいと思え。」そして、それが見事に実行されたことを終了直後の拍手で確信した。
 終わったあと、生徒一同「間違ってばっかり~」「一度も失敗したことのないところで失敗した~」などなど嘆くも、しょぼくれた様子は微塵もなかった。とにかくやり遂げたという喜びでいっぱいだった。これこそ、私が生徒に感じて欲しかったもの。上手に踊ろうなんて思わなくていい。スタジオで踊るのとは全く別次元の楽しさを味わってほしかったわけで、どうやらその願いは叶ったようだ。
 私自身は、終わった直後は嬉しさよりもまずはホッとしたというのが本音。生徒達が達成感を覚えているのを見て、安堵の気持ちが広がった。サプライズは、意外なところから。

<サプライズ その1>
たまたま見にいらした一般のお客様から、スタジオについて尋ねられたこと。チラシをお渡ししながらお話を伺ったところ、私達の踊りを見てすごく楽しそうだったのだそうだ。この方が実際に来て下さるかどうかはわからないが、何よりの手ごたえを感じてようやく喜びがじわじわと湧き上がってきた。

<サプライス その2>
中学時代の友人が、2人見に来てくれた。それぞれの住まいは大宮と大井町。午前中の出演なので遠路のお運びだけでも充分なところに、出演者全員分の花束を用意してくれていた。これには生徒が大感激。この花束は、今や大宮でプロのフラワーコーディネーターとして自ら教室を開いている友人の手作り。朝早くから作ってきてくれたに違いなく、私も胸がいっぱいになった。
 
 生徒達は、本当によくがんばってくれたと思う。私のある意味身勝手な感情に巻き込まれた格好になったが、嫌な顔一つせず付いてきてくれた。一緒に盛り上げようという気持ちに応えてくれた。みんな、本当にありがとう!またいろいろな方の助けがあったからこそ、ここまでくることができた。高額なベークライト製のタップ板の代用品としてポリカボネートを手配して下さったI氏。これとても、目玉が飛び出るほど高い建築資材だが、廃材扱いの商品を無料で入手。この板がなければ、イベントへの参加はあり得なかった。おまけに、当日ビデオ撮影もして下さり、DVDを作っていただけることに。生徒達にとってもいい記念になることと思う。さらに、最近入会してくれたHさん。私が、本番に備えて毎回この板を束ねてスタジオに持ち込んでいた様子をみて、大きな運搬用の袋を2つ作ってくれた。キルティング製で柄もステキ。お陰で持ち運びがものすごく楽になり、セッティング及びしまう際の手間が大幅に軽減された。今後も大活躍間違いなし。そして、出たい気持ちを持ちながら家庭の事情で諦めたIさん。彼女の言葉は、本当に私の心を揺さぶった。「出られないけど、タップは大好きなんです。今後も出演は難しいと思いますが、練習は続けさせて下さい。」舞台は、一種のカンフル剤だ。好きという純粋な気持ちだけで臨んでいる彼女の姿勢は、とにかく突っ走るしかないと思い定めていた私に冷静さを取り戻させてくれた。「先生、お好きでしたよね。」といって作ってきてくれた栗の渋皮煮は絶品。私の大好物。身体も心も温かさで満たされ、ゆとりが生まれた。
 昨日及びそこに至るまでの数ヶ月の出来事は、あらゆる意味で財産となった。振付けは、いざ作ってみるとかつて教えを受けた方々の流れが支配し、オリジナルというには程遠い。でも、こうして一つ一つ積み重ねていくものなのだろう。11/23(木祝)、再度同じメンバーで別のイベントに臨む。今回感じたことを胸にもうひとふんばり!


最終更新日  2006年10月31日 02時05分36秒
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