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鳩ポッポ9098

鳩ポッポ9098

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2007.04.06
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カテゴリ:カテゴリ未分類
まず今回は、タミフルがどうやって働くのか、という事について説明したいと思います。「インフルエンザに効くんでしょ」という事については、理解されていても、なかなかその構造が理解されない為に、デマに近い言説もちらほら見られます。

タミフルについて説明する為には、まず、細菌とウィルスの違いから説明する必要があるでしょう。細菌と、ウィルスの違いは、細胞組織であるか否か、という事です。即ち、細菌は、栄養があれば自分で分裂して増えることが出来ますが、ウィルスは、自分を増やす為の説明書は持っていても、それを他の生物の細胞という、工場まで持って行って、細胞にあるドアをこじ開けて中に入り、やっと自分を複製する事が出来る仕組みになっています。

生物としては、極めて下等で不安定なこのウィルスが、どうして最も危険なのかというと、まず一点、非常に大きな事が、「変異」の可能性。極めて不安定な生命体であるが故に、「間借り」している宿主の細胞の状態に影響を受け易い、という事ですね。周りの状況に合わせて、自分を作る為の説明書を書き変えてしまう可能性がある、という事です。

変異にも、色々あるのですが、トリインフルエンザで話題になっているのは、元々ヒトに感染しないウィルスが、どういう仕組みでヒトに感染するようになるのか、という事。これには、ヒトには感染しないウィルスAが、たまたま、通りすがりのヒトに感染するウィルスBと仲良くなってカップルで(正確にはくっついて一つになってABとなり)、細胞に入ってくるケース(単純交雑)、そして、ヒトに感染しないウィルスAが、何らかの理由でたまたま、細胞に出入りする為の鍵を手に入れてしまってA’となるケース(自己変異)が、あります。どちらが危険か、というと、後者です。というのは、体の中には抗体というガードマンがいますが、人に感染するウィルスBを見つけると、手配写真のウィルスBだという事で、免疫機能に通報が入り、体の免疫機能が作動する為、BとくっついているAは、逮捕されて排除される可能性が高い反面、自己変異体A’は、言わば「一般市民A」の顔をしたテロリストになるわけですから、ガードマンも気がつかずに易々と細胞への侵入を許してしまう事になるわけです。あの有名な「スペイン風邪」は、トリインフルエンザの自己変異体であった事は、とても有名な話です。

さて、次のポイント。細菌は細胞である為、言わば、「他の生物の細胞」という工場の近くで、その工場の資材を拝借して、自分と同じ個体を作る「工場」です。ですから、他の工場から電気や水を窃盗している工場を見つけて、空爆する事が出来ますし(抗生物質の投与)、抗体ガードマンにも見つけられ易いので、免疫が効き易い反面、ウィルスは、細胞の中に入ってしまうので、特定して空爆する事が、難しいという事情があります。言わば、細菌はゲリラ組織、ウィルスはテロリストですね。

この二つが、これまで、ウィルスに対抗する薬を作りにくかった根拠です。さて、ではタミフルがどうやってウィルスに効くのか、を説明しましょう。

ここで問題になるのは、細胞にある「ドア」ですが、この「ドア」には、入る為の鍵と、出て行く為の鍵が別々に必要なオートロック式です。ウィルスは、いわば二種類の鍵を使って、細胞を出入りするのですが、タミフルは、ウィルスが細胞から出て行こうとすると、鍵に張り付いて、この鍵を使えなくしてしまい、細胞の中に閉じ込めます。そして、細胞が人間の代謝によって、排出される事で、ウィルスともども体外にバイバイ、となる仕組み。これまでの抗生物質は、怪しげな工場を見つけると、片っ端から空爆してしまう為に、体の抵抗力自体も低下してしまっていたのですが…

とてもよくできた仕組みですね。正直、医者でない文系のボクでも感動を覚えます。猶、専門的な説明がなされているサイトを発見しましたので、参考までに転載。

-----------------------引用開始---------------------

 タミフルは、インフルエンザウイルスが有するノイラミニダーゼ(NA)を、選択的に阻害し、新しく細胞内で増殖して形成されたインフルエンザウイルスが、細胞外に遊離・放出されること(発芽)を抑制し、ウイルスの増殖を抑制する。

1.リン酸オセルタミビル製剤のタミフル
 
 リン酸オセルタミビル(Oseltamivir Phosphate)は、プロドラッグであり、代謝により活性体に変換され、活性体(Ro64-0802)となる。インフルエンザウイルスは、表面のヘマグルチニン(HA)を介して、宿主の呼吸気道の上皮細胞のシアル酸に結合し、宿主の細胞に感染する。インフルエンザウイルスは、宿主細胞内で、RNA鎖をもとに、複製し、宿主細胞から、発芽(出芽)し、遊離する。複製された(増殖した)インフルエンザウイルスが、宿主の細胞から、発芽・遊離する際に、インフルエンザウイルスは、ノイラミニダーゼ(NA)により、シアル酸を破壊し、発芽・遊離を促進させる。
 
 リン酸オセルタミビルの活性体は、ヒトA型、及び、B型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を、選択的に阻害し、新しく形成されたインフルエンザウイルスが感染細胞から遊離すること(発芽)を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。インフルエンザウイルスは、タミフルにより、ノイラミニダーゼ(NA)を阻害されると、感染し増殖した宿主細胞から遊離出来ず、ウイルス同士が凝集してしまい、他の宿主細胞に感染して増殖出来なくなる(タミフルは、細菌を殺す抗生剤のように、ウイルスを殺すのではないので、ウイルスは、残存する)。

---------------------引用終わり---------------------





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Last updated  2007.04.06 22:44:48
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