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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:MOVIE REVIEW
私がこの作品を見に行きたいと思ったのは昨日である。見たいと理由はyahoo映画で長期にわたりトップ10入りを続けていたこと、あらすじを見た限りでは、間違いなく名作の臭いがしたこと。今日、映画館に早速足を運んだのだが、見た感想としては数ヶ月間、映画館に通った中でも最も泣かされた映画の一つ。開始5分後から終了まで観客の涙をすする音が映画館に響き渡っていた。この作品は実話。ぜひ、おすすめなのだが、上映が終わっているところもあるのでDVDがでたら見てほしい。名作といえる。 この作品は神山清子という陶芸家が賢明に陶芸を愛する気持ち、息子を愛する気持ちともに火のような熱さ、厳しさで取り組む姿勢を描く。穴窯で自然釉を成功させたいという気持ちから失敗を繰りかえしながらも、やっとの思いで成功を果たす。夫と離婚し、困窮の生活からわずかにぬけでたものの、そこにはさらなる試練が待ち構えていた。息子が骨髄白血病と診断されたのだ。この間も主人公は焼き物を焼き続け、血液を探し、骨髄バンク創設に寄与する。息子の死後も運動に参加されているらしい。 この映画はあらゆる箇所のどこを切っても作品として成り立つぐらい凝縮された作品。白血病が作品の軸を構成しているように思われたが、これ以外にも様々なメッセージが凝縮されている。具体的には形は壊れても作り直せるが、心が壊れたら作り直せない。貧しい生活の苦悩、夢を追い続ける姿の美しさ、陶芸、日本文化が誇る美しさ、親子愛、子育て、命の重さ、主人公の情熱と人間味あふれる魅力等。主人公が発する言葉の一つ一つにメッセージが感じられる。そして、田中裕子の迫真の演技は私の日本映画の考え方を変えさせられた。本格的に映画館に通い始め、日本映画を見たのはこれが最初の作品。日本映画はなんと素晴らしいのだろうか。日本が世界に誇れる文化、芸術の一つになるのかもしれない。これからも日本映画を見続けたい。間違いなくおすすめ。 (補足) 本作品の原作本 那須田稔、岸川悦子『母さん 子守歌うたって』(ひくまの出版、2002年) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月29日 21時37分00秒
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