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2005年04月09日
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『A/A2(DVD2枚組)』

国際化が叫ばれる中で時代の要請として私たちが学ばなくてはならないものの一つに宗教があげられる。なぜなら、諸外国では何れかの宗教に所属している人々が多く、また国家によっては国教を定めている場合もあり、そう考えると異文化を理解するためには宗教について学ぶことは必要だろう。しかし、同時多発テロ事件や地下鉄サリン事件、数日前に発覚した京都府八幡市の聖神事件は明らかに日本人の宗教に対する不信感を高めることに寄与したと思われる。その中でも本作品は一人のフリージャーナリストがオウム真理教の荒木広報部長につきそって内部取材した作品。映画の内容はマスコミが報道するようなオウム真理教に対する批判かと思いきや、全くそうではない。この作品を見るとマスコミではまず放送されないだろう、もしくは放送されてこなかった光景を目のあたりにすることができる。

その光景は3つあったように感じる。その光景の1つ目はオウムを取り巻くマスコミの対応・態度である。報道・取材の自由、知る権利を盾にした強引な取材、言葉遣い、マスコミ同士のけんか・いがみあい。知る権利は確かに存在しても人の権利を侵害してまで報道・取材の自由は保障されない。マスコミは自分自身の悪事を放送することはおそらくしないことから、このような映像が電波を通じて家庭に流れることはほとんどないといってよいだろう。その光景の2つ目は警察の不当逮捕。オウム信者の行く道をさえぎ、よけようとした信者を警察官が引き倒し、なぜか引き倒したはずの警察官自身が痛くもない足をわざとらしい演技でおさえ、公務執行妨害で逮捕。しかし、本作品がその不当な映像を撮影していたことが証拠となり、その信者は釈放される。撮影していなかったら起訴され、実刑を受けていたに違いないと作品中では述べられている。3つ目の光景はオウム信者が一般社会の青年とはなんら変わらない姿が映し出されている。この3つの光景が本作品の主要なメッセージであると私は受け取った。

オウムの教義を信じている多くの信者。その教義から事件は生まれた。オウム側は教義の延長線上で改善することにより問題に対処するという。ただ、荒木さん自身もオウムが地下鉄サリン事件を引き起こしたことは理解している。しかし、その事実を認めてしまうとオウム真理教の全否定をマスコミの主張を認めてしまうことになると述べている。おそらく彼はオウム信者の人たち、教義の全部が悪いわけではないと主張したいのだろう。このメッセージを理解し受容できるかどうかは多くの人々が事件で犠牲になったことをふまえると、この作品を見ただけで判断できるものではない。ただ、判断するに際して貴重な判断材料の一部を本作品は提供している。同時にマスコミで報道されたオウムと対照的な視点を提供している点で興味深い作品で意義があるように思われる。


2005/03/10に書いた
世界初の化学兵器テロ事件(「サリン事件の真実」)へジャンプ





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最終更新日  2005年04月09日 20時00分50秒
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