ビッグイシューという雑誌をご存知でしょうか。この雑誌は現在、首都圏を含む一部地域でのみ販売されています。この一部地域に住む人々の間ではかなり有名な雑誌だと思うのですが。この雑誌は書店に並んでいません。繁華街などの歩道で販売されており、その販売員は働くことを希望するホームレスの方々。この雑誌のコンセプトはホームレスの方々の自立支援を行うこと。その橋渡しとして働く機会を提供しています。91年にイギリスで販売が開始され、それ以降世界24カ国に普及しました。日本では03年9月に創刊されています。
「ありがとうございます」。販売員の方々のこの言葉は非常に重たい。こんなに心のこもった「ありがとうございます」は聞いたことがない、と初めてこの雑誌を購入したときの感想です。この心のこもった「ありがとうございます」が言える理由は売り上げに彼らの生活がかかっていることが大きな要因。1冊90円で仕入れ1冊販売されるごとに110円が販売員の方々の利益となります。
このビッグイシューを初めてテーマとした書籍でわかりやすく書かれているのが
『ビッグイシューと陽気なホームレスの復活戦』
(櫛田佳代著)。ビッグイシューの発刊された理由、制度、世界各国から集ったホームレスサッカーなど実際にホームレスの人々に迫ったルポタージュです。ビッグイシューをテーマにした書籍は現在発刊されているのはこの本一冊のみ。本書ではビッグイシューが一方的にホームレスの方々を支援するのではなく、努力して働く機会を提供することが重要な役割であると強調されています。販売量を高め、自信をつけることで前向きな姿勢が生まれ、このことが自立に大きく貢献するようです。販売されている地域では非常に評価されていて私も毎号購入しているうちの一人です。
雑誌の内容は翻訳を用いた洋画記事と日本で作られたトピックが中心。表紙にはその時期、話題となっている外国人スター(例えばレオナルド・ディカプリオ、デンゼル・ワシントン、ケイト・ウィンスレット等)が掲載されています。外国記事の翻訳が一部使用されているので日本ではあまり知られていない新鮮な記事が得られることが特徴。翻訳に大部分を費やすのではなく、本当の意味で日本のビッグイシューを作りたいという声もあり、翻訳を減らしたほうがよいのではという意見もあるようです。その意見を反映して、4月15日号は東儀秀樹さんが表紙を飾りました。
この考えの実践はビッグイシューが同情の雑誌であってはいけないと考えた結果で、多くの人に読んでもらうため質の高い雑誌を目指していることの表れでしょう。
そのビッグイシューも現在苦境に立たされているようです。05年4月4日の朝日新聞夕刊によると累積赤字が1000万円を超え、販売数がピーク時の4割に減少していると書かれています。そのため、借り入れや支援者からの寄付で穴埋めしているようです。ただし、雑誌のコンセプトや数少ない若手向けのオピニオン雑誌の一つとして重要な役割を持っていることから、これからも発展することを望んでいます。全国にも販売エリアを拡大する日が来ればと思っています。この日記によって多くの人にビッグイシューとは何かをわずかでも知ってもらえれば幸いです。
2005/02/09に書いた
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最終更新日
2005年10月30日 13時07分03秒