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megalithic Pyramid of Japan

megalithic Pyramid of Japan

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2023.03.27
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カテゴリ:巨石・磐座
以前より気になっていた巨石のある、府中市上下町と斗升町の間にそびえる岳山に登った。
標高は738.6mだが登山口で既に400mの標高であるので、どのコースでも1時間弱で登れるとのことだ。

公共交通の便が悪く行き渋っていたが、今回上下町の観光協会で電動のレンタサイクルの貸し出しが始まりこれを利用すれば時間にとらわれず登れそうなので実行した。観光協会から矢多田南登山口までは7.5km程度。

車の少ない石見銀山街道~府中上下線~矢多田阿字線を経由して矢多田南登山口から登頂した。なおマイカーやバスを利用する場合は斗升登山口を利用したほうが良さそうである。


登山道案内図は数年前に観光協会のホームページから印刷しておいたのだが、現在は掲載されていない。
こちらと、YAMAPアプリを見ながら登頂した。矢多田南登山口からはB・Cコース、矢多田北登山口からはAコースのようだ。熊の目撃情報があるとのことで、熊除けの鈴とラジコを用意したが、ラジコは電波が入らなかった。


今回はBコースで登頂する。イノシシ除けのゲート2か所を開けて通過し、杉かヒノキの林を抜けると巨石群が現れてくる。登山口に来る途中の空き地や田畑にも巨石がゴロゴロしている。



しばらく歩くと巨大な妙剣岩が現れる。妙剣とは手を合わせて拝む形を妙といい、その形を剣技にしたものを妙剣という。下部は岩屋になっており人は余裕で入られる。このような岩屋にはよく地蔵や観音が祀られているものだが、この岳山の巨石群には神仏として祀られている巨石は全く無かった。巨石群の近くにいる時にたまに聞くスズメバチの羽音に似たブーンという音がこの巨石でははっきり聞こえて怖かった。



Bコースは急登があり、何ヵ所かロープが設置されている。登りよりも下りのほうが足元が滑って困難だった。

組石に陽石のような巨石があり、方位を測ると240°で冬至の日の入りの方角であった。



旧妙剣。何故旧なのか分からないが、こちらは180°で南中を指している。


のぞき岩からの眺望。先の山にも多くの巨石が見られる。


矢多田南登山口につながるDコースの分岐。帰りはこちらを通ろうと思ったが、登山道が分からないので
来た道をそのまま帰った。


岳山山頂。特に巨石も無く眺望も無かった。


山頂から東へ向かうと「ぬすっと岩」と「はさん箱」の分岐。


まず、気になっていた「ぬすっと岩」に向かう。私は古墳のようなものを想像していたが、実際には内部は通り抜けできるようになっており、岩屋でできた胎内くぐりや安芸津にあるトンカラリンと似たような印象を受けた。ちなみに名前の由来は昔、盗賊が住んでいたことからとのこと。天井部には巨石が挟まっている。


北東に開く出口はやや狭い。


ぬすっと岩上部の開口部。


内部を大雑把に描くと、天井の巨石は蓋の役目をしており夏至の日の出、冬至の日の出、夏至の日の入りの三方向から日光が差すような配置になっている。夏至の日の出の反対側の冬至の日の入り側に出入口が無いのは山の斜面側で太陽が見えないので無いのかもしれない。




いったん、山頂部に戻り15分下ると「はさん箱」に着く。漢字では挟箱と書き、外出時に具足や着替え用の衣服などを中に入れ棒を通して従者にかつがせる箱のことである従来は「はさみばこ」と読むが出雲弁で「はさんばこ」と読むのは岳山の麓を石見銀山街道が通過しており、出雲との交流があったからだろう。また別名の六部岩について、六部は中国の官僚の意味もあるが、全国を巡って六十六ヵ所の霊社霊仏に一部ずつ法華経を納経する修行者の六部の意味のほうが私は近いように思える。


巨石は菱形の巨石をずらして重ねたようになっており、上部の巨石は夏至の日の出を指している。
反対側は冬至の日の入りの方位である。



Bコースの下山途中、登山道を迷ってしまいAコースとの中間地点で二重になっている石垣を見つけた。
石垣の隔が狭いことから田畑とは考えにくく、神籠石(こうごいし)に近いものではないかと考える。
登ってくる登山道では無かった構造物なので、従来の神籠石のように山を一周するような大規模なものではなさそうである。


岳山について、県立図書館で調べてみた。上下歴史研究家 岡田 一城 さんの府中町の昔ばなしに関する本に岳山の巨石に関する話がいくつかあった。

岳山の成り立ちについては、鬼が喧嘩して自分の山の巨石を投げ合ったもの。それによって岳山には巨石が多く残り、近隣の山には巨石があまり無いというもの。

妙剣岩については、最初は山頂に近い旧妙剣岩に神様がいたが、瀬戸内海で漁をしている漁民が海に粗相をしているのが見えるので、現在の低い場所に下って頂いたというもの。

どどろ岩については、岩の上を歩くと「どどろ」という音がするというもの。

岳山に積み重なった岩に関しては、鬼の子どもが近隣の友達に会うのに直ぐにいけるように、橋を鬼の家族が作ろうとして巨石を重ねていった、橋げたの部分はできたが、肝心の橋の部分になる長い石が見つからず、鬼の家族は長い石を見つけるために旅だったというものだった。

巨石に関する話はまだありそうなので、上下歴史文化資料館に行く機会がまたあれば調べてみたいと思う。

 






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Last updated  2023.04.05 12:44:25
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