よろず屋の猫

楽しみにしていた『おおきく振りかぶって』の新刊がやっと出ました。
コンビニで見つけた時は嬉しくて嬉しくて。
私の住んでるところから徒歩圏内には本屋がないもので・・・。




桐青戦の感動の後、次の感動話までの狭間の巻って感じなのですけど、それをちゃーんと楽しませてくれてるのが良いです。

先ず美丞のコーチ呂佳が、桐青の和さんから西浦の情報を聞きだす話から。
呂佳は前の一回戦負けの時のメンバーだったんですね。

和さんは野球から少し離れたくなっているのかな。
再び野球に関係している呂佳を見て、和さんも色々思うことがあるようです。

西浦は球技大会二日目ですかね?。
田島はやっぱり運動神経が良いんだなぁ、サッカーも上手くこなしている。
三橋を使ってゴール決めちゃうところなんて爆笑。
その三橋も良い子で、田島に誉められて、またやる気を出しちゃう。
その二人を見て、兄を持つ身の泉が三橋を同情していたりして、読んでて楽しい。
こう言う学校生活もちゃーんと書いてくれるのが『おお振り』の良いところ。

西浦応援団には何とチアガールが加わりそうですよ。
次の崎玉戦は平日なのでお目見えしてませんが、早くみたいです!!。

応援団は部ではないので、浜ちゃんは崎玉には行かれない。
でも浜ちゃんのことを考え、そして言葉をかけるシガポが良いです。
西浦の野球部は良い指導者に恵まれてますね。

モモカンの高校時代の話を聞きだしたい花井・母。
満足行く野球生活ではなかったのかな、モモカンは。
言わないってことは、言いたくない可能性もあるって言うのに、聞きたくてたまらない花井・母、the おばさん。
この作者、ホントにおばさん描写が上手くて。



その崎玉戦。

西浦の投手は事実上三橋１人なので、消耗を考えて、阿部はコールドで勝ちたいと思う。
相手校の打者で注意すべきは１人・佐倉だけなので全打席敬遠の作戦を取るつもり。

その昔、甲子園で松井がこれをやられましたねぇ。
相手校はかなり非難された記憶が。

えっと、全打席敬遠についての私の考え方を。
あくまで私個人の考え方です。

ルールに乗っ取っている以上、悪いことだとは思いません。
敬遠を防ぐ手段はあるわけで、要はそれだけの力量がなかったってことだと思うし。

「高校生なのに」と言われれば、まぁ確かにそうかもなとは思うけど。
ただそれを「汚い」と言うのなら、高校生相手に野次る方がよっぽどどう?って思う。

但し、好きじゃない。
そう言う作戦をとるチームは好きになれないし、応援する気もなくなる・・・ってとこかな。


えっと、西浦は、西浦戦の前の桐青に似てるかなと思いました。
相手を自分気付かぬうちになめてかかっている。

これはね、人間の心理として当然のことだと思うのですよ。
別に阿部君もモモカンも、桐青に勝って思い上がってるんじゃないと思うし。
和さんが言っていた「油断はしていないつもりだった。けれどやっぱり油断していた。」だと思うんですよね。

こう言う気持ちをきちんと描くところが、私は好きです。

但し、西浦には阿部君とモモカンと言う作戦を考える人がいたけど、崎玉にはいない。
そこが二校の違いでしょうか。

崎玉の佐倉が良いですねぇ。
単純おバカですけど、スポーツに向かうひたむきさが感じられて好きです。
相手校を魅力的に描くところも『おお振り』の良いところです。

今回、田島が怪我をしているので一番打者に、モモカンが相変わらず田島の性格汲んで言いくるめてます。
四番には花井が入りました。

四番には四番の仕事がある。
花井はスクイズ決めて(監督指示)、二点目が入るわけですが、その花井に田島は「満足してんなよ。」と言う。

花井君、最初の登場シーンはちょっとイヤなヤツ?って感じでしたが、今やキャプテンとして“すすっごくいいヤツ”になってる。
三橋とか田島の勉強の面倒も見てるしね。

でも打者としては天才肌の田島の影に隠れちゃってますが、この試合は四番打者。
活躍、期待してます。

敬遠で野次られるバッテリー。
阿部は、それは自分に向けられたもの、三橋には気にするなと言う。
でもね、バッテリー組んで、敬遠のボールを投げた以上、投手も負わなきゃならないものだと思うな。
阿部君、三橋を甘やかしすぎよ。
投手は野次なんかどこ吹く風に見せる強さが必要だと思うしね。

三橋の消耗考えるとコールドで終わらせてあげたい気持ちがするけど、そんなに上手くいくかな?。

次巻の予告に「相手校まで応援したくなる」とあって、まさにそこが、私が『おお振り』が好きな理由です。
早く１０巻出ないかなぁ。


【新刊】 おおきく振りかぶって (1-9巻 続巻)